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健康管理 / 病気

2020.06.09

犬が口をパクパクさせる4つの意味とは?病気が隠れている可能性も

「愛犬が口をパクパクさせている、どうしたのかな?」そう感じたことはありませんか?言葉を話すことができない犬は、仕草や行動で自分の伝えたいことを表現します。犬が口をパクパクさせるという行動には、大きく分けて4つの原因があります。もしかすると病気の可能性もあるため、口をパクパクさせていたらそれ以外の行動もよく観察してください。
今回は、犬が口をパクパクさせる時の理由を詳しく解説します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

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犬が口をパクパクする時に考えられる原因は4つ

犬 口 パクパク

犬が口をパクパクさせるのには、一時的なものと継続的なものの2タイプがあります。一時的な場合は、心理的なことが原因となっている場合が多く、頻繁にパクパクする時は何らかの病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。

心理的な理由が原因で口をパクパクする

犬は、自分の心理状態を仕草や行動で相手に伝えようとします。これを「カーミングシグナル」と呼び、口をパクパクする行動は、カーミングシグナルの一つと考えられます。

1.自分を落ちつかせるために口をパクパクする

知らない犬にいきなり吠えられたり、飼い主にすごく怒られたとき、ボールを早く投げて欲しい時などに犬があくびをするのを見たことがはありませんか?口をパクパクさせるのもこのあくびと同じように、自分の興奮を抑えようとして口をパクパクさせることがあります。また、相手に敵意がないことを伝えるときにも、口をパクパクすることがあります。

体に違和感があることが原因で口をパクパクする

犬が口をパクパクする原因として、口の中や体のどこかに違和感がある可能性が考えられます。興奮時やストレス時を中心に一時的なものでなく、シチュエーション関係なく頻繁に口をパクパクさせる場合、次のような原因が考えられるので注意深く観察することが大切です。

2.口の中に違和感がある

自分の口腔内に何らかの異常があると感じると、犬は口をパクパクすることがあります。特に、口の中に異物があると感じた場合や歯に何かが引っかかっていると感じているときは、口をパクパクさせて異物を取り除こうとします。また、口の中や歯が痛いなどの違和感があるときにも口をパクパクさせます。

3.誤飲したとき

おもちゃや硬いものなどの誤飲が原因で口をパクパクさせることがあります。飲み込んでしまったものを吐き出そうとして口をパクパクさせます。この場合、よだれが出たり吐こうとする行動が見られることもあります。

4.空を見つめて口をパクパクする

フライバイト(ハエ追い行動)と呼ばれているもので、突然空を見上げて口をパクパクすることがあります。これは、精神的、または肉体的病気によって起こることがあり、反復的に繰り返すようでしたら常同症や脳神経系の病気に注意が必要です。

口をパクパクする以外に他の症状を併発している場合は要注意

犬 口 パクパク

犬が口をパクパクさせているのと同時に、他の行動や症状を併発している場合はさらに注意が必要です。行動の状態によっては、大きな病気が隠れている可能性もあるため、早めに動物病院に連れて行きましょう。

歯や口腔内の病気の時に見られる症状

口をパクパクする時に考えられる病気の一つが口腔内の病気です。頻繁に口をパクパクしている、何度も何度も口をパクパクする、口をパクパクしながら頭を振る、よだれが多い、口臭がきつい、パクパクしながらくちゃくちゃと口を動かす、口を触ろうとすると嫌がる、顔が腫れている、ドッグフードをポロポロこぼす、食欲低下や元気喪失などの症状を併発している場合は、口腔内になんらかの異変が起きている可能性があります。

病気が隠れている時に見られる症状

犬が頻繁に口をパクパクしているだけではなく、他の症状が現れた場合は注意が必要です。気をつけたい症状として、吐きたがる、嘔吐、下痢、よだれに血が混じる、ふらふらと歩きまわる、口をもぐもぐさせる、顔面や四肢のけいれん、尻尾を追いかける、チック症状(犬の意思と関係なく体が動いたり痙攣したりする)、瞳孔が開いたままになる、鼻血などがあります。このような症状が現れたときには、大きな病気が隠れている可能性があるため、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

犬が口をパクパクする時に考えられる病気とは?

犬 口 パクパク

犬が口をパクパクする時は、ストレスなどの精神的な問題以外にも病気の可能性もあります。頻繁に口をパクパクしていたり、上記のような症状がある時には、次のような病気が考えられます。

口腔内の病気

犬が口をパクパクしている時に最も考えられるのが口腔内の病気です。代表的な病気として次の3つが考えられます。

歯周病

3歳以上の犬の80%がかかっていると言われている病気が歯周病です。歯周病は、歯垢で繁殖した歯周病菌によって歯茎に炎症が起こる病気で、進行すると歯が抜け落ちてしいます。人間と違い、犬は歯垢が溜まりやすくわずか3日ほどで歯石が形成されているため注意が必要です。

口腔内腫瘍

犬は、口の中には良性の腫瘍、悪性腫瘍、炎症に伴う腫瘤などが発生しやすいと言われています。特に、気をつけなければいけないのが悪性腫瘍です。代表的なものとして、悪性メラノーマ、扁平上皮癌、線維肉腫などがあります。特に多い悪性腫瘍がメラノーマで、これはメラニン色素をつくる細胞がガン化したもので、口の中での発生が多いと言われています。転移率が高いことが特徴です。
また扁平上皮癌は、粘膜にできる悪性腫瘍でしこりや潰瘍として現れることが多く、骨への浸潤性が高いことが特徴です。口の中に固く平べったいしこりとなって現れるのが線維肉腫です。

てんかんの部分発作

てんかん発作は、脳の中枢神経に激しい興奮が起こることによって引き起こされます。発作の原因には、脳に異常が認められない「真性」と脳に異常が認められる「症候性」の2種類があり、発作の種類は脳の一部分に起こる部分(焦点)発作と脳の全体で起こる全般発作があります。口をパクパクさせる症状が出た場合に考えられるのは部分発作です。視覚の異常から何かが見えているように口をパクパクさせたり、急にぼーっと立ち止まる、尻尾を追いかけるなどの反復行為がみられます。頻繁に口をパクパクしていたり、何かを捕まえようとしているなど、いつもと違う行動が見られたら、早めに動物病院に連れて行きましょう。

口をパクパクする時は愛犬の様子をよく観察しよう!

犬 口 パクパク

犬が口をパクパクしているのを、単に可愛いと言って見ているだけではなく、そのパクパクの原因をきちんと知っておく必要があります。カーミングシグナルとしての口パクパクも、私たち飼い主が気がつかない危険を愛犬が感じている可能性があります。また、気をつけたいのが歯周病です。頻繁に口をパクパクしていたり、触るのを嫌がったりした場合にはなるべく早めに動物病院で検査してもらうことをおすすめします。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

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