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健康管理 / 病気

2020.06.16

【獣医師監修】犬の皮膚糸状菌症ってどんな病気?原因・症状・治療法を解説

皮膚糸状菌症という皮膚病をご存知ですか?犬が皮膚糸状菌に感染すると、最初に感染した場所を中心に脱毛が徐々に拡がっていきます。円形に脱毛することも多いため「リングワーム」とも呼ばれます。ここでは、犬の皮膚糸状菌症の原因や治療法、予防法についてご紹介します。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師、文:江野 友紀

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犬の皮膚糸状菌症とは?

皮膚糸状菌症

犬の皮膚糸状菌症は、糸状菌という真菌(カビ)に感染することで皮膚に炎症が起こる病気です。皮膚糸状菌は、皮膚や爪、被毛などの角化細胞に入り込み、増殖することによって症状を引き起こします。脱毛が拡がる他、フケ、皮膚の赤み、痒みなどが出たり、ひどい場合には全身の皮膚がただれたような状態になることもあります。

初期症状

特徴的な脱毛を示す皮膚糸状菌症ですが、感染初期では脱毛が確認されないこともあり、その場合は皮膚の赤みやフケ、かさぶたが狭い範囲に見られることが多い傾向があります。

皮膚糸状菌症は他の犬や人にうつる?

皮膚糸状菌症は、感染した動物との接触や菌が付着している物質との接触によって他の犬や人にも感染する人獣共通感染症です。特に、小さな傷跡などがあるとより容易に感染します。

犬の皮膚糸状菌症の原因とは?

皮膚糸状菌症

数種類の糸状菌が皮膚糸状菌症の原因になりますが、犬の場合、多くはMicrosporum canis(ミクロスポラム・カニス)とよばれる真菌が原因です。感染動物を触る、抱っこするなどの直接的な接触やで感染する他、菌が付着した敷物やブラシ、バリカンなどを共用することで、間接的に感染してしまうこともあります。

かかりやすい犬種や年齢

犬種に関わらず、免疫力が不十分な子犬や高齢犬、免疫抑制剤や抗がん剤を投与している犬などがかかりやすい傾向があります。

犬の皮膚糸状菌症の治療法とは?

皮膚糸状菌症

イトラコナゾールなどの抗真菌薬の内服の他、抗真菌剤の塗布、薬浴などによる治療が行われます。病変部が非常に小さい場合には自然治癒したり、外用薬や薬浴のみで治ることもあります。内服薬が処方された場合には、症状が治まったとしてもすぐに投薬を中止することはせず、獣医師の指示どおりに投薬しましょう。

治療にかかる費用

皮膚掻把検査や真菌培養検査、内用薬、薬用シャンプーなど、一回の治療に3,000~5,000円ほどかかります。治療には数週間から数カ月かかるので、根気よく治療を続けることが大切です。

犬の皮膚糸状菌症の予防法とは?

皮膚糸状菌症

感染動物との接触を避けることはもちろん、感染動物の抜け毛や皮膚・フケなどに接触しないことも大切です。感染動物が使用したベッドやタオル、グルーミング用品などを共用することは避けましょう。感染動物に使用したものは消毒薬や熱湯で消毒したり、場合によっては破棄することも考える必要があります。

感染動物を触った後にはよく手を洗い、日頃から定期的なシャンプーで皮膚や被毛を清潔に保つことも大切です。

再発する可能性

環境中に皮膚糸状菌が存在すれば、再発の可能性があります。再発予防のためにも、周囲の環境の掃除、消毒を行うことが理想的です。また、治療中に投薬を中止すると、症状が落ち着いたように見えても再発してしまうことがあるので、獣医師の指示どおりきちんと治療しましょう。

犬の皮膚糸状菌症との向き合い方

皮膚糸状菌症

犬の皮膚糸状菌症は、予防可能な病気です。感染動物との接触を避け、衛生面に気を配ることで発症のリスクを減らすことができます。 また、免疫力が低下していると、皮膚糸状菌症に限らず様々な病気を引き起こしやすくなります。日常的な管理が大切になるので、日頃から栄養バランスのとれた食事を与え、適度に運動させて愛犬の健康を守りましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.06.16

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