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犬 甲状腺機能低下症 症状 治療法
健康管理 / 病気
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2021.03.07

犬の病気、甲状腺機能低下症とは?原因・初期症状・治療法が知りたい【獣医師監修】

犬の甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが減少することで引き起る病気です。中~高齢の犬に多く見られ、発症すると生涯に渡り薬を飲み続けなければなりません。 初期症状が分かりにくく、単なる老化かと見過ごされがちな甲状腺機能低下症ですが、決して珍しい病気ではありません。高齢期を迎える犬の飼い主さんは、一度注意して愛犬を観察してみましょう。 今回は、犬の甲状腺機能低下症の原因、症状、治療法や予防法を紹介します。

江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

犬の甲状腺機能低下症とは?

犬 甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの分泌の減少によって引き起こされる病気が、甲状腺機能低下症です。 甲状腺は身体の代謝を活発にする役割を担うホルモンなので、甲状腺機能低下症になると、元気がなくなる、顔つきがぼんやりとする(悲しそうな表情になる)、寒がりになる、毛づやが悪くなる、脱毛、肥満などの様々な症状が見られます。

甲状腺機能低下症1. 初期症状

甲状腺機能低下症の初期段階では、疲れやすくなったり皮膚が黒ずんだり脱毛するなどの変化が起こりますが、これらの症状を飼い主さんは単なる老年性変化と考えてしまうことも少なくありません。そのため、病気が見落とされたり、気付かぬうちに悪化してしまうことがあります。

甲状腺機能低下症2. 他の犬や人にうつる?

甲状腺機能低下症はホルモンの異常によって発症する病気であり、感染症ではないので他の犬や人にうつる心配はありません。

犬の甲状腺機能低下症の原因

犬 甲状腺機能低下症 原因

犬の甲状腺機能低下症の原因には、次のようなものがあります。

甲状腺自体の異常

甲状腺機能低下症の原因の95%以上は、甲状腺そのものに異常があることで甲状腺ホルモンの分泌が減少するものとされています。甲状腺の異常には、自己免疫疾患が疑われる「リンパ球性甲状腺炎」や、原因不明の「特発性甲状腺萎縮」があります。

他の病気により引き起こされる

甲状腺腫瘍や下垂体腫瘍、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)など、他の病気から二次的に甲状腺機能低下症を発症することもあります。

かかりやすい犬種や年齢

甲状腺機能低下症は中型犬から大型犬で多く、コッカースパニエルゴールデン・レトリバーラブラドール・レトリバーボクサーシェットランド・シープドッグなどが発症しやすい犬種と言われています。中年齢~高齢の犬が発症しやすい病気です。

犬の甲状腺機能低下症の治療法

犬 甲状腺機能低下症 治療法

体内で不足している甲状腺ホルモンを補うため、人工の甲状腺ホルモン製剤を投与します。基本的には、生涯にわたり投薬を続ける必要があります。治療の効果が得られれば、1~2週間ほどで元気が回復する、適正体重に戻るなどの変化が見られます。脱毛している場合、発毛するまでに少し時間がかかります。

副腎皮質機亢進症など、基礎疾患があり甲状腺機能低下症になっている場合にはその治療も行われます。

治療にかかる費用

治療を受ける病院によって異なりますが、甲状腺機能低下症を確定診断するための一般的な血液検査や甲状腺ホルモン濃度の測定などに一万円くらいかかります。その後、投薬しながら定期的に血中ホルモン濃度を測定します。

犬の甲状腺機能低下症の予防法

犬 甲状腺機能低下症 予防法

犬の甲状腺機能低下症は予防が困難な病気であり、更に初期の段階では気付かれないことも多く、知らぬ間に病気が進行してしまう場合があります。そのため、早期発見・早期治療が重要になります。 中年齢~高齢になったら、定期的な健康診断で甲状腺ホルモン濃度を測定すると良いでしょう。

再発する可能性

体内で不足しているホルモンを補うための投薬治療を行うので、投薬を中断すると甲状腺機能低下症に戻ってしまいます。獣医師の指示に従い、適切に治療を続けることが大切です。

犬の甲状腺機能低下症との向き合い方

犬 甲状腺機能低下症 症状

甲状腺機能低下症は、症状だけでは発見しにくい病気です。中年齢~高齢になったら、定期的にな健康診断で病気の早期発見に努めましょう。もちろん、元気がなく動きたがらない、食餌の給与量は変えていないのに太るなど、いつもと違う様子が見られる場合には、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 公開日:

    2020.06.05

  • 更新日:

    2021.03.07

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。