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健康管理 / 病気

2020.06.12

獣医師監修|犬コロナウイルス感染症とは?多頭飼育の場合は感染拡大に注意

犬の感染症のひとつに「犬コロナウイルス感染症」と呼ばれるものがあります。犬コロナウイルス感染症は、人にうつる感染症なのでしょうか。
この記事では、犬コロナウイルス感染症の原因や治療法、治療にかかる費用をはじめ、予防法や再発する可能性についてなどをまとめて解説していきます。

Author :新井 絵美子/動物ライター(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬コロナウイルス感染症とは?

犬 コロナウイルス 感染症

犬コロナウイルス感染症は、犬コロナウイルスの感染により引き起こる病気です。犬コロナウイルスの病原性はそれほど強くないので、成犬が感染しても多くの場合において無症状で、何も症状が出ないまま終わるケースも多くあります。

なお、犬コロナウイルス感染症は、昨今感染拡大で世間を騒がせている新型コロナウイルス感染症とは異なるウイルスです。混同しないように注意しましょう。

初期症状

子犬が感染した場合、下痢や嘔吐、食欲不振、元気がないなどの症状が見られます。下痢が長引くと脱水症状を起こすこともあるので注意が必要です。また、犬コロナウイルスと同時に犬パルボウイルスに感染するとより症状が重くなり、最悪の場合は死に至ることもあります。

一方、成犬の場合は、感染によって症状が出たとしても軽度の胃腸炎程度です。このように子犬と成犬では大きく症状が異なり子犬にとっては怖い病気なので、いつもと様子がおかしいと感じたら早めに診察を受けるようにしましょう。

他の犬や人にうつる?

犬コロナウイルス感染症は、感染した犬の体に触れて感染するようなことはありませんが、他の犬にも感染する病気です。感染ルートは犬コロナウイルス感染症の原因と同じなので、次項で詳しく見ていきましょう。

犬コロナウイルス感染症の原因

犬 コロナウイルス 感染症

ここでは、犬コロナウイルス感染症の原因について解説します。

犬コロナウイルスに感染した犬の糞便を口にすることが原因

犬コロナウイルスに感染した犬の糞便を、他の犬がうっかり口にしてしまうと感染します。散歩のときに愛犬が糞便を踏んでしまい、その足を舐めるなどでも感染してしまうので気を付けましょう。

感染した犬の嘔吐物も要注意

犬コロナウイルスは、感染した犬の嘔吐物にも存在するため注意が必要です。もし多頭飼いで1頭が感染して嘔吐した場合は、他の犬が嘔吐物に触れないようにして感染を防ぎましょう。

かかりやすい犬種や年齢

犬コロナウイルス感染症にかかりやすい特定の犬種や年齢は、特にありません。全ての犬種がなり得るので、予防をしておくことが大切です。

犬コロナウイルス感染症の治療法

犬 コロナウイルス 感染症

犬コロナウイルスの抗ウイルス薬はないため、対症療法を行います。下痢や嘔吐の症状が起きている場合は、それらの症状を抑える薬の投与、脱水症状を起こしている場合は点滴などをして回復を図ります。また、二次感染を予防するために抗生物質を投与する場合もあります。

治療にかかる費用

症状にもよりますが、もし胃腸炎を起こした場合、かかる治療費は2万円(通院5日)程度です。1回の通院にかかる治療費の相場は3,000~5,000円程度ですが、動物病院によって異なるので、あくまでも目安として頭に入れておくのがよいでしょう。

犬コロナウイルス感染症を予防するには?

犬 コロナウイルス 感染症

犬コロナウイルス感染症は、混合ワクチン接種をすることで予防できます。そのため、接種時期はいつが適しているのかを獣医師に相談し、子犬のうちから接種するようにしましょう。

再発の可能性

犬コロナウイルス感染症は、混合感染などで重症化していなければ、多くの場合において長期化せずに回復しますが、治っても犬コロナウイルスが存在する糞便を口にしてしまえば、再度感染してしまいます。十分に気を付けましょう。

ワクチン接種をしっかりと行い犬コロナウイルス感染症から愛犬を守ろう

犬 コロナウイルス 感染症

犬コロナウイルス感染症は、成犬の感染に関しては症状が出ない場合が多いですが、子犬においては下痢や嘔吐、ひどい場合は脱水症状なども起きてしまいます。症状が見られる際は重症化しないよう、速やかに動物病院へ連れていきましょう。混合ワクチン接種を受けさせて、犬コロナウイルス感染症から愛犬を守ってあげてくださいね。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

◎ライタープロフィール
新井 絵美子 動物ライター

新井 絵美子/動物ライター

2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。

  • 更新日:

    2020.06.12

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