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健康管理 / 病気

2020.06.29

【獣医師監修】犬のカンピロバクター症は他の犬や人にもうつる病気

カンピロバクター症はカンピロバクター菌による細菌感染によっておこります。人から動物へ、動物から人へも感染する人畜共通感染症です。成犬ではカンピロバクター菌を保有していても症状が出ない不顕性感染が多いのですが、子犬の場合は人と同じような中毒症状をおこし重症になることもあります。ここでは犬のカンピロバクター症について詳しく解説します。

Author :泉 能子/愛犬家、ドッグライター(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬のカンピロバクター症とは

犬 カンピロバクター

カンピロバクター症はカンピロバクター菌の感染によっておこる食中毒症です。主に人がかかる感染症で、飲食店やパーティーなどの会食で集団食中毒をおこすことで知られています。下痢や腹痛などの消化器症状が主な症状です。
犬のカンピロバクター症は成犬では症状がでない不顕性感染の場合が多いのですが、子犬が感染すると人と同じ下痢や腹痛などの中毒症状をおこすことがあり、場合によっては重症化することもあります。

犬のカンピロバクター症の初期症状

犬がカンピロバクター症にかかると人と同じように下痢、腹痛、発熱、脱水症状、食欲不振などの症状が出ますが、成犬の場合はほとんどが無症状です。
子犬や妊娠中の犬、他の病気を持っている犬で抵抗力が弱っている犬などは特に注意が必要です。

カンピロバクターは人や他犬に感染する?

カンピロバクター症は人畜共通感染症なので、人が食べたカンピロバクター菌に汚染された食物と同じものを犬が食べると感染します。また、カンピロバクター菌に汚染された犬の排泄物から人に感染することもあります。
人や犬がカンピロバクターに感染しないためには、汚染の恐れのある食材は十分に加熱調理することや、犬の排便後の手洗いなどを徹底することが大切です。

犬がカンピロバクター症になる原因は?

犬 カンピロバクター

カンピロバクター症はどのような原因から発症するのでしょうか。またかかりやすい犬種や年齢はあるのでしょうか。

カンピロバクター症の原因

人のカンピロバクター症の原因としては、鶏肉や牛肉や刺身やタタキなど生肉を食べたり、肉の加熱不足によるものがほとんどです。
犬の場合はこれらの食材を分け与えられたことによる感染や、拾い食いなどから保菌してしまうことがあります。

かかりやすい犬種や年齢は?

特にカンピロバクター症かかりやすい犬種というのはありませんが、拾い食いなどの癖がある犬は注意が必要です。成犬の場合はカンピロバクター菌を保有していても無症状の場合が多く、保菌犬の排泄物などから人や他犬に感染することがあります。
子犬や抵抗力の低い病老犬などの場合は、感染すると重症化することがあります。

犬のカンピロバクター症の治療法

犬 カンピロバクター

犬のカンピロバクター症は自然治癒することが多いのですが、子犬などで下痢や発熱など症状が見られるときは抗菌剤などを使って治療します。また、下痢による脱水症状があるときは輸液の点滴などで水分を補給します。

治療にかかる費用

カンピロバクター症では命に係わる重症にならない限り、特別な治療は行われません。診察料の他に検便などの検査料、抗菌剤や輸液などの薬剤料金などがかかります。
費用は個々の動物病院によって違ってきますが、1~2万円はかかることが多いようです。

犬のカンピロバクター症の予防法

犬 カンピロバクター

犬がカンピロバクター症にかからないためには、どのような予防をすればいいのでしょうか。

生肉や加熱不十分な肉をそのまま与えないこと

カンピロバクター菌は比較的病原性の低い細菌なのですが、低温で長時間生存することができます。そのため生肉や加熱不十分な肉をそのまま与えないようにしましょう。
特にカンピロバクター菌は鶏肉に多く見られるため、しっかり加熱したものを与えるようにしましょう。

拾い食いをさせない

カンピロバクター菌に関わらず、道に落ちている食物や排泄物には多くの細菌や病原菌が付着している可能性があります。子犬のころから拾い食いをしないようにしつけることが大切です。

早期発見・早期治療

少しの下痢などは様子をみているだけでいいだろうと思いがちですが、子犬や老犬の場合には急激に重篤化することがあります。カンピロバクター症でも他の感染症と同様に早期発見・早期治療が第一です。

犬のカンピロバクター症は人と犬の共通感染症

犬 カンピロバクター

成犬のカンピロバクター症のほとんどは無症状ですが、その排泄物に人が触れることによって人に感染することがあります。また、人が食べる汚染された鶏肉を犬にも与えると、人と犬が同時に感染します。
犬のカンピロバクター症は重症化することはほとんどありませんが、保菌しているだけで他の人や犬にも感染させてしまう恐れがあります。少しでも疑われる症状があったときは獣医師の診察を受けるようにしましょう。

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