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健康管理 / 病気

2020.06.30

【獣医師監修】犬の椎間板ヘルニアの原因とは?治療法や予防法を知っておこう!

犬がなりやすい病気の1つとして挙げられている椎間板ヘルニア。腰の痛みや足のまひなど、日常生活に支障をきたす症状が出てしまうので、日頃から予防をしておくことが大切です。犬の椎間板ヘルニアの原因や治療法、予防法について理解し愛犬の健康を守ってあげましょう。項目別に解説していきます。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子)

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犬のヘルニアってどんな病気?

犬 ヘルニア

ヘルニアとは、体内のある器官が本来の正常な位置から飛び出してしまった状態を言います。犬のヘルニアの中でも、かかりやすいものとして挙げられているのが椎間板ヘルニアです。

椎間板は背骨の骨と骨の間にあり、背骨をスムーズに曲げたり脊椎にかかる衝撃を分散したりする役割をしています。椎間板ヘルニアとは、この椎間板が何らかの原因により、正しい位置から外れてしまい脊髄を圧迫する状態です。

椎間板ヘルニアの症状が悪化すると、自力で歩くことや排泄が困難になってしまうこともあります。そのため、初期症状を見逃さないようにし、早期治療をすることが重要です。

初期症状

椎間板ヘルニアを発症すると、以下のような初期症状が現れます。

・歩行はできるものの、歩くのを嫌がる
・背中や腰を触ると痛がる
・抱っこをすると痛がって「キャン」と鳴き声をあげたり怒った態度をとったりする

症状が進行すると後ろ足がもつれたり、足を引きずるような歩き方をしたりなどの歩行異常が見られるようになってきます。

他の犬や人にうつる?

犬の椎間板ヘルニアは、他の犬や人にはうつりません。

犬の椎間板ヘルニアの原因とは?

犬 ヘルニア

発症を未然に防ぐために、椎間板ヘルニアの主な原因を知っておきましょう。

激しい運動や肥満によるもの

ジャンプなどの激しい運動や肥満により椎間板に大きな負担がかかり、椎間板が損傷してしまうことで発症を引き起こします。

加齢によるもの

加齢により椎間板の変性が生じ、それが脊髄を圧迫してしまうことも原因の1つです。

かかりやすい犬種や年齢

椎間板ヘルニアは、遺伝的な素因によりかかりやすい犬種がいます。以下が代表的な好発犬種で、若齢期に発症することもあります。

・ウェルッシュ・コーギー
・ダックスフンド
・ビーグル
・シーズー
・ペキニーズ
・フレンチブルドッグ
・コッカースパニエル

加齢によって発症するリスクは、どの犬種にもあります。

犬の椎間板ヘルニアの治療法とは?

犬 ヘルニア

症状が軽度の場合は、ステロイド剤や鎮痛剤などの内服薬で症状をやわらげ、運動制限をして安静を保つことで改善を図ります。 まひを起こしている重度の場合は、手術をして神経を圧迫している部分を取り除き、手術後リハビリをしていきます。

治療にかかる費用

手術が必要になった場合にかかる費用の目安は30~60万円ほどで、症状や治療内容・入院日数・入院および術後の通院治療回数などによって大きく差があります。これらの費用には、検査料や麻酔料、5日程度の入院料・手術料・薬剤料などが含まれます。

犬の椎間板ヘルニアの予防法とは?

犬 ヘルニア

ジャンプ運動や段差の大きい場所の昇り降りを日常的にさせないようにする、滑りやすい床材を避けるなど、腰に負担がかからないように気をつけることが大切です。加えて、適正体重を維持する、伸びすぎている肉球周りの毛をカットして滑りにくくするなども予防につながります。

また、背中に負担がかかる縦向きの抱っこや、仰向けの抱っこもしないようにしましょう。

再発する可能性

犬の椎間板ヘルニアの再発率は、30~40%と言われています。よって先述のように、背中や腰に負担がかからないように、日頃から気をつけることが大切です。

愛犬が椎間板ヘルニアになってしまったら|病気との向き合い方

犬 ヘルニア

椎間板ヘルニアになったら、椎間板が回復するまでの一定期間、安静にするよう獣医師から指示が出るので、必ず守るようにしましょう。痛みがやわらいだからといっていつも通りに運動をさせると、症状の悪化や再発のリスクが高まってしまいます。愛犬にとって楽な姿勢で寝かせてあげ、安静を保つことが肝心です。また、排泄が困難になった場合は、獣医師から圧迫排尿のやり方を教えてもらい、自宅でできるようにしておきましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.06.30

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