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健康管理 / 病気

2020.06.25

【獣医師監修】犬の胆泥症ってどんな病気?犬に多い病気の原因とは

犬に比較的多く見られる病気「胆泥症(たんでいしょう)」をご存知でしょうか?症状が現われないことが多い病気ですが、重症になると命に関わる危険性もある病気です。
ここでは、犬の胆泥症の原因や治療法、予防法などについてご紹介します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬の胆泥症はどんな病気?

犬 胆泥症

脂肪の消化・吸収に重要な役割を果たす胆汁は、肝臓で作られた後に胆のうにストックされます。食事をするたびに胆のうは収縮し、貯まっていた胆汁は総胆管という管を通って十二指腸に放出されます。
胆泥症は、本来サラサラの液状である胆汁が、胆のうの中で濃縮されることによって泥状になり、胆のうから出てこなくなってしまう状態を言います。

胆泥症の症状

症状が軽度の場合には目立った症状が現れず、胆泥以外は健康体であることが多いようです。定期健診などの超音波検査で偶発的に発見されることもあります。
胆嚢から出た胆汁が総胆管に詰まるような場合には食欲不振、発熱、嘔吐、腹痛、黄疸などの症状が現れます。総胆管が完全に閉塞するような重症なケースでは、胆のうや胆管が破裂し腹膜炎を発症することもあります。

他の犬や人にうつる?

犬の胆泥症は伝染病ではないので、他の犬や人にうつるという心配はありません。

犬の胆泥症の原因

犬 胆泥症

胆泥が発生する要因については不明のことも多いですが、次に挙げるような病気が胆泥症の発症に影響を与えていると考えられています。

原因1・胆のう炎

胆のう炎はその名の通り胆のうに炎症か起きる状態で、細菌感染で発症するほか、腸炎・膵炎・肝炎・胆管炎など、胆のうの近くにある臓器が炎症を起こした結果発症することもあります。

原因2・内分泌疾患

甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などの内分泌疾患がある犬は、胆泥症を患うことがあります。胆のうに影響を与えるような病気に注意を払う必要があります。

かかりやすい犬種や年齢

様々な犬種に見られる病気ですが、シェットランドシープドッグやミニチュアシュナウザー、コッカースパニエルなど、高脂血症になりやすい犬種に多く見られます。中高齢の犬に発症しやすいと言われています。

犬の胆泥症の治療法

犬 胆泥症

胆泥症はその治療方針が議論となっており、大きく2つの考え方があります。1つは、症状が見られず重度の問題が起こる可能性が低いことから経過観察する方法、もう1つは将来的には総胆管の閉塞や胆のう破裂などの問題が起こるという可能性を考え、積極的に治療する方法です。
最近の傾向としては、胆泥症の原因となる病気が発見されす、症状が無く、肝臓にも問題がない場合には治療をせず経過観察となることが多いようです。

治療を必要とする場合

肝臓病や胆のう炎、内分泌疾患などに伴い胆泥症を起こしている場合には、それぞれの原因に合った治療が必要です。また、胆汁分泌を促すため、ウルソデオキシコール酸など利胆剤を投与します。
胆泥が貯まることにより胆のうが腫れて大きくなっていたり、総胆管閉塞により胆のうが破裂する恐れがあるときには外科手術により胆のうが切除されることがあります。

治療にかかる費用

胆泥症の治療にかかる費用は、診察や超音波検査、血液検査、内服薬など一回の診察で一万円くらいかかると考えられます。外科手術による胆のう切除が行われる場合には10万円くらいかかるでしょう。

犬の胆泥症の予防

犬 胆泥症

胆泥症を予防するには、日々の食事管理や運動管理が重要です。高カロリー・高脂肪の食事には注意し、肥満を予防するためにも適度に運動させましょう。
脂質代謝が苦手で高脂血症になりやすい体質をもつシュナウザーなどの犬種は、日頃から様子を良く観察しましょう。また、胆泥症の原因になり得る胆のう炎や内分泌疾患を患っている場合には、きちんと治療することも大切です。

再発する可能性

胆泥症は、食事の見直しや内服薬により改善することが多いですが、治療中に投薬を中止すると高確率で再発します。胆のう摘出手術をした場合には、再発の心配は無いでしょう。

犬の胆泥症との向き合い方

犬 胆泥症

いかがでしたか?胆泥症はあまり聞き慣れない病気ではありますが、犬ではよく見られる病気です。多くが無症状で見過ごされることが多い病気であるため、定期的な健康診断で早期に発見・対処できるようにしましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

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