magazine

健康管理 / 病気

2020.06.08

【獣医師監修】犬の耳血腫ってどんな病気?耳たぶが腫れてしまう原因や治療法・予防法とは

耳血腫(じけっしゅ)とは何らかの原因で耳たぶの内側が大きく腫れてしまう病気のことで、その見た目から"餃子耳"とも呼ばれています。 命に関わったり、日常生活が送れないほど重い病気ではありませんが、犬にとってはとても不快な病気であることには違いありません。今回は、犬の耳血腫という病気について、基本的な症状や原因、予防法などを解説していきます。

Author :監修:加藤 みゆき/獣医師

この記事をシェアする

犬の耳血腫とはどんな病気?

犬の耳

耳たぶは別名「耳介」とも呼ばれますが、軟骨と皮膚および血管によって形成されています。何らかの原因で耳介の血管が破れ、軟骨と皮膚の間に血液が溜まることで耳たぶが膨れ上がってしまうのです。かゆみがあったり不快感があるため、犬にとってはストレスも溜まりますし、決して気持ち良いものではありません。

耳血腫の初期症状

急に症状が現れることが特徴で、犬が急に頭を振りだしたり、後ろ足で耳を頻繁に掻くなどして発見されることが多くなっています。耳の内側が大きく腫れ、触ると熱を帯びている感じがします。そのまま放置しておくと軟骨が変形したままいびつな形になったり、皮膚がシワになったりしますので、迅速な治療が必要です。

他の犬や人にうつる?

外的要因による病気ですので、他の犬や人にうつったりはしません。ただし遺伝を要因とするアレルギーによって皮膚に炎症が起こり、耳を掻くことで耳血腫が起こる可能性があります。

犬が耳血腫になる原因とは?

犬の耳

耳血腫にかかる場合、いくつかの原因が考えられます。根本的な原因を突き止めることで有効な治療法を見出すこともできます。

耳ダニやマラセチア、外耳炎による傷害

疥癬虫とも呼ばれる耳ダニ(ヒゼンダニ)や、真菌の一種であるマラセチアが耳の中に発生することが大きな要因となります。 また外耳炎に発展すると猛烈なかゆみを伴い、犬はしきりに頭を振ったり、後ろ足で耳を掻きますので、その際に軟骨に傷害が起こって血管が破れることになります。

アレルギーによる傷害

特定のアレルゲンによって皮膚や耳に炎症が起こり、かゆみを発生させることがあります。 食物アレルギーやハウスダスト、ダニや花粉などの要因が挙げられますが、やはり犬が耳を激しく掻いてしまうことによって耳血腫が発生しやすくなります。

耳血腫にかかりやすい犬種や年齢

犬の年齢問わず発症リスクがある病気ですが、特定の犬種がかかりやすいということは言えるでしょう。ゴールデンレトリーバーやビーグルなど耳が大きくて垂れている犬種の場合、耳の中が蒸れやすいため耳血腫を発症しやすくなります。

犬の耳血腫の有効な治療法とは?

犬の耳

まず軟骨と皮膚の間に溜まった血液を抜き、炎症予防のためにステロイド剤を注入します。もし外耳炎も発症しているようなら同時に治療します。
内科療法がうまくいかなかったり、症状が重い場合は外科手術をすることもありますが、皮膚がたるんでカリフラワーのような形状にならないために形成手術をする場合もあります。

いずれの場合も、治療中に耳を掻いたりしないようエリザベスカラーを装着することが必要です。

治療にかかる費用

耳血腫だけでなく外耳炎も併発している場合ですと、その分費用も高くなります。 治療期間が7週間で通院が10回程度とした場合、診察料、廃液作業、各種薬剤などを含めて6~7万円ほど掛かると想定されます。

ただし比較的軽症だった場合や、外科手術が必要な場合となれば、その費用はかなり上下することになります。

犬の耳血腫の予防法とは?

犬の耳血腫

基本的な予防法としては、犬が耳を痒がっていないか?といったこまめなチェックが必要となりますが、定期的に耳掃除をするなど耳の中をいつも清潔に保つことが重要です。耳の中の匂いをチェックすることも方法の一つです。酸っぱい匂いや変な匂いがした時は要注意です。

また食物アレルギーなどが疑われる場合には、アレルギー療法食に切り替えるなどしましょう。

再発する可能性

耳がかゆくなるという根本的原因さえ排除できれば再発しにくいとは言えますが、耳掃除を長くしなかったり、梅雨時など湿気のある季節には再発する危険性は高くなります。やはりこまめに耳の状態をチェックすることが望ましいと言えます。

犬の耳血腫との向き合い方

犬の顔

耳掃除がうまくいかなかったり、犬が嫌がったりするなど、なかなかこまめにケアできない時があるかも知れません。そんな時は無理をせずトリミングサロンや動物病院等にお願いしてみるのがオススメです。耳のケアのコツなども教えてくれると思いますよ。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

この記事をシェアする

知りたい情報を検索!