
イチジクは犬与えてはいけない食べ物です。ここでは、犬にイチジクを与えるべきでない理由と危険性について紹介していきます。
イチジクに含まれるフィシンとソラレンと言う2つの成分は、犬にとっては有毒です。イチジクの実はもちろん、茎や皮の部分にも多く含まれているため、飼い主が食べた後のゴミを漁って犬が食べてしまわないよう注意が必要です。ここでは、中毒成分のフィシンとソラレンの特徴について紹介します。
フィシンは、タンパク質分解酵素のひとつでタンパク質の利用を促進する働きがあります。歯や茎の切り口から出る白い汁には、長く触っていると指紋が消えることもあるほど大量のフィシンが含まれます。
この白い汁を痔や水虫の外用薬として使うこともありますが、直接触ると人間でも手や口が痒くなるため、犬が触れることがないよう扱いには注意しましょう。
ソラレンは、光毒性をもつ成分です。紫外線を吸収する作用があり、メラニン色素を生成。シミや色素沈着の原因になるとして、美肌を目指す方には要注意の成分として知られています。
ソラレンは様々な野菜や果物に含まれています。特にオレンジやグレープフルーツなどの柑橘系の果物やパセリやパクチーなどのセリ科の野菜がソラレンを多く含んでいます。
愛犬が間違ってイチジクを食べてしまったら、万が一すぐに動物病院へ連絡をし、獣医師の指示を仰ぎましょう。
相談する際は、「どのくらいの量を」「いつ食べたのか」が正確にわかっていると獣医師の診断に役立ちます。様子を見て大丈夫と言われたのであれば、自宅で安静にして愛犬の様子をよくチェックしましょう。
愛犬が誤飲後もピンピンしていたとしても、体内では中毒成分が回っており、数日経ってから症状が現れることもあります。そのため、大丈夫そうと飼い主の判断で放っておくのは危険です。後悔しないためにも動物病院へ必ず相談しましょう。
犬にとって有害な成分が含まれるイチジクを丸ごと一個食べてしまったなど、大量摂取すると様々な症状を引き起こす可能性があります。ここでは、イチジクを食べた場合に起こりうる症状について紹介していきます。
中毒成分であるフィシンを含んだ白い汁を舐めてしまうと、粘膜の炎症や口内炎を引き起こします。他にも大量のよだれをたらしたり、粘膜の炎症やただれによる強い痛みや違和感から水やごはんを口にすることができなくなってしまう子もいます。水分不足による脱水症状を招く可能性もあります。
光毒性を持つソラレンを大量に摂取すると、嘔吐や下痢といった中毒症状を引き起こします。中毒による脱水症状を起こすと、命に関わることもあります。
イチジクは、犬にとって有毒な成分が含まれているため、絶対に与えないようにしましょう。また、誤飲したり盗み食いしないよう環境を整えることも大切です。犬が届く範囲に置かないことはもちろん、食べ終わったゴミの処分場所にも注意を払いましょう。もしも、誤飲してしまった場合は無理に吐かせようとせず、すぐに動物病院に相談してください。
望月 紗貴/犬の管理栄養士、ペット看護士、ペット介護士、ペットセラピスト、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー
3頭の愛犬たちと1頭の保護犬、3匹の愛猫たちと山奥で暮らす真の動物好きライター兼ペット記事監修者。
犬に関しての正しい知識共有を目的とし、ネットメディアでの情報提供活動を行っております。
休日は愛犬バーニーズマウンテンドッグ、ゴールデンレトリバー、ボーダーコリーとの時間を大切に過ごしています。
関 ゆりな/ドッグライター
ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。