
結論から先にお伝えすると『犬にたけのこは与えない方がよい』です。その理由を簡単に言うと、メリットよりもデメリットの方が多いからです。 ここからは、メリットとデメリットを詳しくご紹介していきます。
まずは、犬にたけのこを与えるデメリットからご紹介します。その理由は大きくわけて3つあります。
たけのこには、豊富な食物繊維が含まれています。私たち人間にとっては便秘の解消などに役立つ食物繊維ですが、犬にとって過剰な食物繊維は消化がしにくく、下痢などを引き起こしてしまうこともあります。
たけのこには、食物繊維のほかにも『シュウ酸』という成分も多く含まれており、このシュウ酸を過剰摂取すると結石の原因となってしまう可能性があります。 膀胱や尿道に結石ができると、頻尿や尿道閉塞などを引き起こしてしまうこともあるので、結石になりやすい犬は特に摂取は控えましょう。
たけのこは、よく茹でたとしてもある程度の硬さが残ります。大きいサイズのたけのこを愛犬に与えてしまうとノドに詰まらせてしまう可能性もあるので注意が必要です。 特に小型犬は要注意!どうしても愛犬に与えたい場合には、ミキサーにかけたものか細かく刻んだものをあげるようにしましょう。
たけのこには、骨の形成や成長・維持などに必要な成分である、カリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラルが含まれているほか、アスパラギン酸やグルタミン酸などのアミノ酸も含まれています。
ただ、総合栄養食のドッグフードで毎日必要な栄養はとれているため、これらの成分は犬にとって必ずしも追加で摂取しなければいけないわけではありません。毎日手作りごはんをあげているというお家では、旬の時期には少量与えても特に問題はありません。
たけのこは、ネギ類やチョコレートのように、中毒成分があるわけではないので絶対に与えてはいけないという食材ではありませんが、与えないに越したことはありません。食卓にあがったたけのこご飯を、ちょっとだけ愛犬におすそ分けしたという程度では特に問題ありません。
ただ、飼い主さんの留守中に、キッチンに置いてあった生のたけのこの大半を食べられてしまったという場合には、動物病院に連絡し獣医師の指示をあおぎましょう。
たけのこには、愛犬が中毒を引き起こしてしまうような成分は特に含まれていません。そのため、たけのこを食べてすぐに具合が悪くなるということはほとんどありませんが、日常的に与えたり、大量に摂取した場合には次のような症状が考えられます。
犬は食物繊維を上手に消化することができません。そして、たけのこにはその食物繊維が多く含まれているため、愛犬が大量に摂取すると消化不良を起こし、下痢や嘔吐の症状があらわれることがあります。
たけのこを日常的に与えると、シュウ酸という成分が固まって、シュウ酸カルシウム結石になってしまう可能性があります。
結石ができるとおしっこをする際に痛みを伴うことが多く、膀胱が傷ついて血尿が出ることもあります。おしっこが少ししか出ない、頻繁にトイレに行きたがる、血尿がでるなど、何かしらの異変に気づいたらすぐに動物病院へ連れていきましょう。
たけのこが市場に出回ると春の訪れを感じ、そのシーズン中に1度は食べたくなりますよね。また食感もよく、愛犬のフードにもついつい混ぜたくなってしまう食材です。
ですが、愛犬の体への影響を考えると決して良い食材とは言えません。愛犬と一緒に楽しむなら、たけのこ掘りだけにして、掘ったあとのたけのこは飼い主さんたちだけで楽しみましょう。
望月 紗貴/犬の管理栄養士、ペット看護士、ペット介護士、ペットセラピスト、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー
3頭の愛犬たちと1頭の保護犬、3匹の愛猫たちと山奥で暮らす真の動物好きライター兼ペット記事監修者。
犬に関しての正しい知識共有を目的とし、ネットメディアでの情報提供活動を行っております。
休日は愛犬バーニーズマウンテンドッグ、ゴールデンレトリバー、ボーダーコリーとの時間を大切に過ごしています。