
まずは犬毛フェルトの概要をご理解いただけるように要点をご説明します。
愛犬と暮らしていると、どうしても逃れられない『抜け毛問題』。特にダブルコートのコのいるお宅では、春と秋の換毛期は本当に終わりなき抜け毛との戦いになりますよね。
あの大量に出る抜け毛を再利用できたらいいのになぁと思ったことありませんか?その抜け毛で犬毛フェルトを作れば、そんな大量の抜け毛がなんと宝物に変身します!
愛犬の抜け毛を使って作品を作るメリットは、抜け毛の再利用だけではありません。私たち人間よりもはるかに寿命が短い愛犬たちは、どうしても私たちより先に空へと旅立ってしまいます。家族以上の存在でいてくれる彼らを失った悲しみは、簡単に癒えるものではありません。
そんなとき、愛犬の毛で作った作品が手元にあればそのコを見るたびに、いつまでもそばにいてくれるような気持ちになれるかもしれません。もちろん、本物に変わる存在にはなれませんが、フェルトのマスコットなら写真よりもぬくもりが感じられて、愛犬をずっと近くに感じられる気がしますよね。
愛犬の抜け毛だけで愛犬そっくりのマスコットを作ろうと思うと、かなり大量の抜け毛が必要になります。単色のカラーのコはそのまま抜け毛を集めるだけで大丈夫ですが、複数の毛色が混ざっているコは、その色ごとに袋を分けて集めておくといいでしょう。そうすることで、愛犬の分身を作る時にディテールまでこだわった作品が作れるようになります。
抜け毛の少ないシングルコートのコは、抜け毛ではなくトリミングでカットした毛でも大丈夫!サロンにお願いしてカットした毛をとっておいてもらいましょう。
ここからは、実際に愛犬の抜け毛で犬毛フェルトを作る方法をご紹介していきます。
まずは胴体部分から作っていきましょう。愛犬の抜け毛を胴体にしたいサイズに丸めて、マットの上に置きます。 そこからひたすらニードルでチクチクと刺していきます。刺すことで毛と毛がからまってフェルト状になっていきます。回しながら丸くしていきましょう。
胴体ができたら、次は顔、その次は足と主要なパーツを作ります。凹凸のある部分を作るには、毛が足りない場所に少しずつ毛を足してニードルで刺すという作業を繰り返して理想の形に近づけていきます。
主なパーツが出来上がったら、それらをつなぎ合わせていきましょう。 パーツとパーツを先ほどのようにニードルで刺してつなぎ合わせます。ちょっと強度が不安な時には、接合部分に毛を足してさらに刺して強化します。
パーツを組み合わせて1つにつなげたら、最後に模様をつけていきましょう。愛犬をよく観察して、模様部分にその色の毛を足して刺していきましょう。 あとは、目と鼻と口をつけたら完成です。いかがですか?愛犬そっくりのコが出来上がりましたか?
こちらに詳しい作り方の動画がのっていますので、参考にしてみてください。(作成方法は4:50くらいからです)
実際に愛犬の毛でそっくりな犬毛フェルトを作っている方たちの作品も参考にしてみてください。
こちらの作品は、ご家族からのオーダーでお空へ旅立ってしまったコーギーさんの毛を使って作られた羊毛フェルト作家の方の作品です。 表情も豊かで最高の笑顔!このコが手元に戻ってきたら、ご家族は本当に嬉しいでしょうね。
せっかく作るのなら愛犬の体全体が作れればいいのですが、用意できた毛が足りない場合には顔の部分だけでも十分にかわいい作品に仕上がります。本人と並んだ写真に癒やされますね。
どのコもそれぞれ違った表情で、プードルの毛の質感も驚くほどリアルに表現されています。これが愛犬の毛を使って作る醍醐味ですよね。
ゴールデンさんがかわいすぎて、書店で見かけたらついつい手に取ってしまいそうな素敵な表紙です。 本の中には、ほかにもいろいろな犬種の作品が掲載されているほか、犬毛フェルトの簡単な作り方も載っているので、これから犬毛フェルトを初めてみようかな?という方におすすめです。
一見難しそうに見える犬毛フェルトですが、いざ始めてみると夢中になって時間がたつのを忘れてしまいます。さらに、愛犬の抜け毛を使うので作品に込める愛情もひとしお。もしかすると今まで憂鬱だった愛犬のブラッシングも、少し楽しんでできるようになるかもしれません。抜け毛が宝物に変わり、愛犬の思い出作りもでき、いい事づくめの犬毛フェルト。ぜひみなさんもチャレンジしてみてくださいね!
Qt/家庭犬トレーナー、ドッグシッター、ペットロスケアアドバイザー
動物愛護の中間支援団体での活動を経て、より多くの人と動物の幸せな生活を支えるお手伝いができればと、家庭犬トレーナー1級やペットロスケアアドバイザーなど複数の資格を取得。
シニア期にさしかかった2匹の愛犬とのゆったりとした幸せな日々に感謝しながら、今日も仕事とライティングのWワークに励みます。