ケアンテリアにあったお手入れをするためには、この犬種の被毛のタイプについて理解しましょう。
モジャモジャスタイルが特徴的なケアンテリアのコートタイプは、ワイヤーコートです。ワイヤーコートとは名前の通り、針金状の硬くゴワゴワとした粗い毛質のことで、絡まりにくく抜けにくいのが特徴です。
ケアンテリアの被毛は、オーバーコート(上毛)とアンダーコート (下毛)の2重構造になっているダブルコートです。
ダブルコートは、皮膚を保護したり保温、保湿の役割があるため、密に被毛が生えています。そのため、ケアンテリアは寒さには比較的強いですが、暑さは苦手です。
ケアンテリアのカラーには、クリーム、ウィートン、レッド、グレー、ブラック、ブリンドルがあります。そして、どの毛色の個体でも、子犬からシニアまで生涯のうちに何度も毛色が変わると言われており、ケアンテリアの魅力のひとつです。
ここでは、ケアンテリアの抜け毛・毛玉対策について紹介していきます。
ケアンテリアは抜け毛が少ない犬種ですが、ダブルコートのため毛が生え替わる換毛期があります。春と秋にアンダーコートが生え替わるため、この換毛期には抜け毛が増えます。換毛期は普段よりも入念にブラッシングをし、死毛を取り除いてあげましょう。
毛一本一本に重みがあるので抜け毛が空中を漂うことはありませんが、隅っこに溜まってしまうことがあるため、こまめな掃除を心がけましょう。
ケアンテリアは絡まりやすい毛質ではないので、しっかりとブラッシングする習慣を付ければ、毛玉を防ぐことができます。
毛玉をつくらないブラッシングのやり方は、ピンブラシやスリッカーブラシなどピンがしっかりとしたブラシを使って根元からかき分けるように全身を梳かします。仕上げにコームで引っかかるところがないか確認すると出来かけのもつれを見逃すことがなくなり、毛玉ができにくくなるでしょう。
ここでは、ケアンテリアの家庭での正しいお手入れの仕方について紹介していきます。
硬く粗いワイヤーコートはゴミやホコリなどの汚れを付着しやすいため、定期的なシャンプーによって清潔さを保つ必要があります。シャンプーは2週間に1回か、汚れが気にならない場合は月1回程度を目安に行います。
ケアンテリアは遺伝的に皮膚トラブルが起こりやすいと言われているため、皮膚炎予防にも定期的なシャンプーは欠かせませんが、肌を痛めないようなるべく低刺激のシャンプー剤を選びましょう。
ケアンテリアのブラッシングは、ピンブラシやスリッカーブラシ、コームを使い分けながら週2~3回程度の頻度で行います。
抜け毛も少なく、絡まりやすい毛質でもないのでお手入れは比較的簡単です。しかし、ブラッシングを怠ると死毛に汚れが溜まり、皮膚炎を起こしてしまうこともあります。散歩のあとは特に汚れがついているので、帰宅後に軽くブラッシングする習慣をつけるといいでしょう。
ケアンテリアはカットの必要がない犬種ですが、ワイヤーコートの美しい被毛を保つためにはトリミングをお願いする必要があります。ここでは、ケアンテリアにおすすめのメニューや頻度、料金について紹介していきます。
ケアンテリアにおすすめのトリミングメニューは、プラッキングです。ハサミを使わずストリッピングナイフという特殊な道具で柔らかくなった被毛を抜き、犬種本来の美しいコートを育成させます。
プラッキングはカットと比べて料金も高く、特殊な技術を必要とするため行っていないサロンも多いのが現状です。そのため、トリマーさんに自分で行えるプラッキングのやり方を伝授してもらい自宅で行っている方も少なくないようです。間違ったやり方で行うと痛みや皮膚病の原因にもなるため、自宅で行う場合も必ずプロの指示をもらいましょう。
プラッキングは、1度に大量の毛を抜くのではなく、毎回少しずつ抜いていくので、月1回か2回が目安です。
ケアンテリアのプラッキングの料金は、10,000~15,000円程度が目安となります。シャンプーのみの場合は、5,000円前後と考えましょう。
ケアンテリアの特徴的なモジャモジャスタイルは、抜け毛も少なくお手入れは比較的楽ちんです。しかし、楽だからと怠ると見栄えが悪くなるだけでなく皮膚トラブルの原因になります。シャンプーやブラッシング、トリミングを定期的に行い、魅力的なケアンテリアの毛並みを保ちましょう。
関 ゆりな/ドッグライター
ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。