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犬種図鑑

2020.06.29

ペキニーズの性格はまるで猫?歴史を色濃く残す性格の持ち主

ペキニーズは、ボリュームたっぷりなふさふさの長毛と鼻ぺちゃの愛嬌のある顔がユニークな犬種です。いかにも愛玩犬という風貌で、過去には高貴な人々に愛されたであろうと思わせる雰囲気をまとっています。一見扱いやすそうで、実は扱いにくいといわれるペキニーズの性格から知る、特徴やしつけ、遊び方などについてお話しします。

Author :泉 能子/愛犬家、ドッグライター

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ペキニーズはどんな性格?ルーツから辿ろう

ペキニーズ 性格

ペキニーズの独特な性格は、ペキニーズが辿ってきた歴史を知ることで、より一層理解が深まります。
ペキニーズの誕生から現在までの歴史を辿ってみましょう。

チベタン・スパニエルが祖先犬

ペキニーズは中国原産の犬種です。中国語で「ジンパ」と呼ばれ、チベタン・スパニエルの子孫だと言われています。チベタン・スパニエルはチベットの寺院で僧侶にのみ飼育・繁殖が許されていた犬種です。獅子の姿に似た犬として、チベタン・スパニエルを改良し繁殖させたのが「獅子犬」と呼ばれたペキニーズです。

高貴な人にしか飼えなかった

ペキニーズは、宮廷への献上犬として秦の始皇帝など歴代の皇帝に贈られてきました。
神聖な獅子犬とされていたため、皇帝や皇族以外には飼うことが許されず、それに反した者は死刑になったという言い伝えもあるほど高貴な犬でした。ペキニーズは西太后が認める基準に沿って、宮廷内のみで繁殖されていました。

イギリスに渡ったペキニーズ

そののち西太后は1860年のアヘン戦争に負け、6頭のペキニーズを残して宮殿を去り、残されたペキニーズをイギリスの軍人がビクトリア女王に献上したといわれています。
ビクトリア女王によって繁殖されたペキニーズは、イギリスの王侯貴族のみに愛されていましたが、1893年にドッグショーに出品されてから人気が出て世界中に愛好家が広まりました。

魔除けの力を持つ神聖な犬

中国ではペキニーズは魔除けの力がある神聖な獅子犬として、皇族の葬儀に柩を率いて墓まで先導するという役目が与えられています。1911年の西太后の葬儀でも「モータン」というペキニーズが西太后の棺を墓まで先導したことで有名です。

ペキニーズの犬種グループ

ジャパンケネルクラブ(JKC)による犬種グループでは、コンパニオン・ドッグ(愛玩犬・家庭犬)にグルーピングされます。歴史的に見てもまさしく愛玩犬だと言えるでしょう。

ペキニーズの得意なこと

犬は人に付き、猫は家に付くと言います。犬は基本的に人好きで人に構ってもらいたいいきものですが、ペキニーズはこれには当てはまりません。猫のような犬といわれるほど淡泊な性格なので、一人にさせられることには抵抗がないようです。
一人での留守番などもあまり苦にならないので、一人暮らし世帯にも迎えられることが多い犬種です。

ペキニーズの苦手なこと

ペキニーズの一番苦手なことは、しつこくされることでしょう。必要以上に触られたり、周りで騒がしくされたりすることがとても苦手です。
不用意に触ったり騒いだりされると、攻撃的な行動に出ることがあります。

ペキニーズの性格をふまえたしつけ方

ペキニーズ 性格

ペキニーズはプライドが高く、マイペースで負けず嫌いな性格なのでしつけはなかなか難しいといわれています。ペキニーズのしつけに失敗しないためには、ペキニーズの性格をよく理解して行う必要があります。

しつけのコツ

プライドが高く独立心の強いペキニーズには、褒めてしつける方法は通用しません。人に媚びることはしないので、信頼関係を構築することで飼い主に対して忠実にふるまうようになります。
また、マイペースな性格を持っているので、しつけは1日15分程度で終えるようにしましょう。一度に多くのことを教えようとすると失敗します。
毎日、短時間でひとつのことをくりかえし教えること、それがペキニーズのしつけの一番のコツです。

ペキニーズが得意な遊びとスポーツ

ペキニーズ 性格

ペキニーズはどのような遊びやスポーツが得意なのでしょうか。

マイペースな性格は一人遊びが大好き

ペキニーズは特に外遊びが好きというわけでもないので、室内で遊ぶことが多くなるでしょう。マイペースに一人で遊ぶことが好きなので、適度におもちゃなどを与えておくと無心に遊びます。

ドッグスポーツはあまり好まない

ペキニーズは活発な性格ではないので、ドッグスポーツはさほど得意ではありません。
散歩も運動のためというよりは、気分転換のために10分位の短時間で十分です。短頭種で呼吸困難になりやすいので、夏の散歩は控えたほうがいい場合もあります。

ペキニーズに合った環境づくり

ペキニーズ 性格

昔から愛玩犬として大切にされてきたペキニーズの環境づくりにはどのような注意が必要なのでしょうか。

室内の空調設備は必須

ペキニーズは短頭種でパンディングによる体温調節が苦手なので、夏はもちろん季節に関わらず室内での温度管理が必要です。エアコンなどの空調設備は必須です。

高所への飛び乗りや飛び降りに注意

ペキニーズは長毛なので外見からは分かりませんが、意外に短足胴長な犬種です。
ソファなどの飛び乗りや飛び降りなどで足を痛めたり、椎間板ヘルニアになったりすることがあります。シニアになったらソファやベッドには犬用階段をつけたりする工夫をしましょう。

ペキニーズはマイペースな性格の持ち主

ペキニーズ 性格

寺院や皇帝などに神聖な獅子犬として特別な地位を与えられていたペキニーズは、今でもその気位の高さを持っています。独立心があり、人に媚びないマイペースなところはまるで猫のようだといわれています。
愛くるしい顔に似合わない毅然とした性格とのギャップが、ペキニーズの最大の魅力だといえるでしょう。しっかりとした主従関係を築くことができれば、互いに依存することのない、確かな信頼で結ばれた家族になれることでしょう。

◎ライタープロフィール
泉 能子 愛犬家 ドッグライター

泉 能子/愛犬家、ドッグライター

動物が大好きで、気づけば隣にはいつも愛犬がいて、愛犬とお互いに助けたり助けられたりの共同生活をしているドッグライターです。
今までにヨークシャーとスムースダックスを育てて看取り、今は保護犬の9歳になるブラックタンのダックスと暮らしています。
人と犬が楽しく幸せに暮らすために役立つ記事を発信していきます。

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