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犬種図鑑
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2021.10.15

シェパードの種類をまとめました!

シェパードの種類を徹底解剖!代表的で馴染み深い5犬種まとめ

名前に「シェパード」と付く犬種が、世界にはたくさん存在するということをご存知ですか?日本ではジャーマン・シェパード・ドッグが有名で、警察犬として活躍しているイメージがあるかと思います。
今回は、もっとも馴染み深い4種類のシェパードに加え、多くのシェパードの祖先犬であるオールドジャーマンシェパードドッグについてご紹介します。

#ジャーマンシェパードドッグ

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

「シェパード」の語源とは?

羊と暮らすシェパード

日本では、シェパードといえば犬種のことを指すと単語と思われていますが、シェパード「shepherd」とは、「羊」を意味するshepと「群れを集める、群れ、群れを導く」などの意味があるherdを組み合わせて作られた単語です。

このことから、羊の群れを導く人=「羊飼い」「羊の世話をする」を表す言葉となり、「羊の群れを制御する、管理する犬」をシェパードドッグと呼びます。つまり、回収犬を意味するレトリーバーと同じようにその犬種が持つ作業内容を表した単語がシェパードドッグとなるのです。

当初、シェパードドッグと名付けられた犬は、敏捷で作業能力の高いヨーロッパ各地にいた土着の中型犬だったのですね。

【1】ジャーマン・シェパード・ドッグ

茶色と黒の毛のシェパードが芝生の上で伏せをしている
  • 原産国:ドイツ
  • 体高:オス60~65cm / メス55~60cm
  • 体重:オス30~40kg / メス22~32kg
  • 寿命:11~13歳

日本では警察犬として馴染みの深いジャーマン・シェパード・ドッグ。名前のジャーマン(Germany)というのは、日本語でドイツという意味です。

19世紀末頃に、牧羊犬として活躍していたオールド・ジャーマン・シェパードを元に、ドイツ陸軍が実用性のある犬種を生み出す目的として誕生させたのがジャーマン・シェパード・ドッグでした。

人気のきっかけは、第一次世界大戦で軍用犬として活躍したことからです。現在では、世界中の災害現場や介助現場に採用されるようになりました。

ジャーマン・シェパード・ドッグの特徴

被毛の長さで種類分けがされており、短毛種は「シュトックハール」、長毛種は「ラングシュトックハール」と呼ばれています。いずれも被毛はダブルコート(二重構造)です。

毛色はブラックを基調に、ブラウンやグレーといったマーキングが入っています。体格は筋肉質でガッシリしており、野性味溢れる雰囲気を持っているのが特徴です。

ジャーマン・シェパード・ドッグの性格

落ち着いた性格で、人間に尽くすことが大好きです。しかし、知らない人間や動物に対しては警戒心が働くので、番犬としても活躍できます。

頭がとても良く、しつけ方次第では様々な作業を覚えることが可能です。甘えん坊な一面もあるので、コミュニケ―ションをたくさんとってあげると喜びます。

【2】オーストラリアン・シェパード

茶色と白の毛のシェパードと黒と白の毛のシェパードが一緒に歩いている
  • 原産国:アメリカ合衆国
  • 体高:オス51~58cm / メス46~53cm
  • 体重:オス18~32kg / メス16~30kg
  • 寿命:11~14歳

名前にはオーストラリアとありますが、生まれはアメリカです。この名前は、オーストラリアからアメリカに渡ってきた来た羊飼いによって、名付けられたことが背景にあります。

元々、アメリカの農場や牧場で飼われていた犬種でしたが、第二次世界大戦後、映画やテレビのショーへ起用されたことをきっかけに、注目され始めます。

美しい見た目に惹かれる人が多く、家庭犬としての人気が根付きました。

オーストラリアン・シェパードの特徴

特徴はなんといっても見た目の美しさにあります。個性的な毛色をしており、ブルーマール、ブラック、レッドマール、レッドを基調に、ホワイトがまだらに入っています。

被毛は長めで、少しウェーブがかかったダブルコートです。バランスの良い体格で、筋肉質でありながらも重々しさを感じさせません。生まれたときに断尾されるので、しっぽは短めです。

オーストラリアン・シェパード性格

護衛本能が強く、穏やかな性格であることから、他の犬と喧嘩をしたりしません。そのため多頭飼いにも向いています。とても大人しいことから、初めて会った際には人見知りされているような印象を受けるでしょう。

飼い主に対して献身的で、しつけもよく覚えます。運動が大好きなので、走り回れる広場やドッグランなどに連れて行くと喜びます。

【3】ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ

白の毛のシェパード2匹の間に白い毛のシェパードの子犬が伏せをしている
  • 原産国:スイス
  • 体高:オス60~66㎝ / メス55~61㎝
  • 体重:オス30~40kg / メス25~35kg
  • 寿命:10~12歳

ジャーマン・シェパード・ドッグよりも落ち着いた性格にすることを目的に生み出された犬種です。白いシェパードをスイスが輸入し、繁殖させたことでこの名前がつきました。

アメリカやカナダ産のホワイトシェパードもいますが、スイス産と区別するために「アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード」と呼ばれています。海外だけでなく、日本での人気の高いシェパードです。

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの特徴

見た目の特徴と言えば、やはり美しい真っ白な被毛です。長毛のダブルコートで、佇まいには高級感があります。

シェパードらしく体つきはしっかりしていて、首や胴が長めです。子犬のときには、シロクマの子供のような可愛らしさがあります。

ホワイト・スイス・シェパードドッグの性格

性格は穏やかで、人間や他の犬に対して攻撃的になることが少ないです。小さい子どもに対しても優しく接します。落ち着きがあり、室内でも大人しく生活できます。

警戒心はありますが、臆病というわけではないので、番犬としても活躍できるでしょう。運動が好きなので、散歩やドッグランに連れて行った際は、とても活発に動き回ります。

【4】ベルジアン・シェパード・ドッグ

茶色と黒のシェパードがハードルを飛び越えている
  • 原産国:ドイツ
  • 体高:オス 60~66cm / メス56~62cm
  • 体重:オス25~30kg / メス20~25kg
  • 寿命:11~13歳

ベルジアン・シェパード・ドッグというのは、4つの犬種からなるグループの名前です。

グループとしてまとめられたきっかけは、1800年代の終わりごろ、ドイツのベルギーで牧羊犬を扱う仕事が少なくなり、絶滅しかけたことから始まります。

絶滅を回避するために、繁殖させようと生き残っている牧羊犬を集めたのですが、牧羊犬には犬種の統一性がなかったため、基準を作ってタイプ分けをする必要がありました。

そして、見た目や性質の違いからタイプ分けをした結果、4種類になったという背景があります。

それぞれの犬種の名前には、ベルジリアン(ベルギー)にプラスして、個体が多く育った地域の街や城の名前が付けられています。

ここでは、1種類ずつ特徴を解説していきます。

ベルジアン・グローネンダールの特徴

茶色と黒の毛のシェパード4匹と黒の毛のシェパードが横並びでお座りをしている

光沢のある真っ黒な見た目が特徴で、佇まいには凛とした雰囲気があります。被毛は長めのダブルコートです。首の周りはたてがみのようになっています。

筋肉質でバランスの良い体格をしており、運動能力も高いです。名前は「グローネンダール城」というお城から由来しています。

ベルジアン・マリノアの特徴

黒のシェパードがポールを避ける競争をしている

全体的にスラっとした見た目で、一見すると、ジャーマン・シェパード・ドッグに似ています。被毛は4種類の中で一番短毛です。警察犬や災害救助犬としての能力が高く、世界中で実用犬として活躍しています。

毛色の特徴としては、フォーン(赤みのある黄色)の被毛にブラック・オーバレイ(毛の先端が黒いこと)があります。メヘレン(Malines)というベルギーの町が名前の由来です。

ベルジアン・ターピュレンの特徴

黒と茶色と白のシェパードが芝生の上でお座りをしている

バランスのとれた筋肉質な体格と凛々しい表情から、野性を感じさせる雰囲気を持っています。見た目が美しく、ドッグショーなどでも活躍する犬種です。

被毛は長毛のダブルコートで、首周りがたてがみのようになっています。毛色の特徴は、フォーンか淡いイエローの被毛にブラック・オーバレイがあります。

ベルギーのタービュレン(Tervuren)という町が名前の由来です。

ベルジアン・ラケノアの特徴

ベージュの毛のシェパードが芝生の上で伏せをしている

他の3種類ほど顔が凛々しくないことから、可愛らしさを感じる見た目が特徴です。被毛は長いですが、ウェーブがかかっているため見た目には短く感じます。ダブルコートでゴワゴワした質感です。

毛色は、フォーンに少しだけブラック・オーバーレイがあります。筋肉質で運動が得意なことから、主にドッグショーで活躍しています。4種類の中では一番個体数が少なく、希少な犬種です。

ベルジアン・シェパード・ドッグの性格

基本的には落ち着いた性格ですが、飼い主に危険が迫ると攻撃性を出すこともあります。使命感が強く、番犬としての能力が高いです。

しつけに対しても従順で、芸だけでなく、実用的な作業を覚える知能も持っています。普段からとても活動的で、多くの運動量を必要とします。

【5】オールド・ジャーマン・シェパード・ドッグ

オールドジャーマンシェパードドッグ
  • 原産国:ドイツ
  • 体高:55~65cm
  • 体重:22~40kg
  • 被毛:比較的長毛の個体が多く、色はブラック、ブラウン、タン、グレーなどがあり、単色または複数の色で構成

現在、軍用犬、警察犬、介助犬など様々なシーンで活躍しているジャーマンシェパードドッグの基礎犬となった犬がオールドジャーマンシェパードドッグです。ドイツでは、古くから能力の高い牧畜犬が求められ、能力を重視したブリーディングが行われていました。当時は、犬種の外観についてよりも作業能力が重視されていたため、ドイツ各地から集められた土着のさまざまな犬が牧畜犬として働いていたのです。

1880年代、有能な軍用犬の作出を計画したフォンステファニッツ中佐は、ドイツ各地にいた作業犬の中から最も有能な犬を選び出し、軍用犬の基礎犬としたのでした。この基礎犬となった犬が、のちにジャーマンシェパードドッグと区別するためにオールドジャーマンシェパードドッグと呼ばれています。

ドイツオリジナルの牧畜犬とされていますが、畜犬団体に犬種登録されていないことから希少犬種となっているため、現在では、絶滅危惧犬種として保護活動が行われています。また、オールドジャーマンシェパードドッグにより近い犬種を復元しようと、シャイロ・シェパードと呼ばれる犬種が作出されています。

オールド・ジャーマン・シェパード・ドッグの特徴

オールドジャーマンシェパードドッグは、長毛のジャーマンシェパードドッグに似た外観であるとされていますが、外観よりも牧畜犬としての能力を重視したブリーディングが行われてきた経緯があり、姿形はバラエティに富んでいると言われています。また、畜犬団体や犬種団体に登録されている犬種ではないことから、一定の品種基準がないこともその要因となっています。

オールド・ジャーマン・シェパード・ドッグの性格

有能な牧畜犬として作出されたオールドジャーマンシェパードドッグは、飼い主やその家族に対しては忠誠心が高く、働き者で賢く、訓練性も高いことが特徴です。また、牧場の番犬としての使役を持っていたことから、外敵に対してや見知らぬ人には警戒心が強い面があります。

シェパードの飼育で理解しておくべきこと

茶色の毛のシェパードが伏せをしながら舌を出している

シェパードを飼育する上で、理解しておかなければならないことについて解説していきます。飼育を考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

被毛のお手入れが必要

シェパードは寒さや水に対応できるように、被毛がダブルコートであることが多いです。そのため、換毛期には抜け毛も多く、こまめな手入れを必要とします。

皮膚病を防止する目的でも、週一回程度のブラッシングをしてあげるのが好ましいです。

運動欲求を満たしてあげる

シェパードは牧羊犬としてのルーツがあることからも、運動欲求が高い犬種でもあります。毎日2回以上の散歩と、たまにドッグランに連れて行くのが好ましいです。

人間と一緒に遊ぶのが好きなので、ボールを投げて持ってこさせるなど、作業を取り入れた運動がおすすめです。

警戒心を解くしつけが必要

飼い主の指示に従順で、しつけもよく覚えますが、慣れていない出来事に対しては強い警戒心を示すことがあります。吠えたり飛びついたりしないように、他人や知らない環境によく慣れさせなければいけません。

できれば、犬の幼稚園などを利用するのがいいでしょう。シェパードは力が強いので、他の人にケガをさせないためにもしつけはしっかり行うことが大切です。

シェパードドッグとは牧羊犬という意味だった!

シェパードドッグ

それぞれの国で必要とされる使役に合わせて発展してきたシェパードドッグ。外観や性格は違いますが、どのシェパードドッグも運動能力が高く、知的で忠誠心の強い点は同じです。そんなシェパードドッグを3回に分けてご紹介していくこの企画。世界にはたくさんのシェパードドッグがいます。今回は、人気のシェパードドッグをご紹介しましたが、次回は、ヨーロッパ原産のシェパードをご紹介します。

  • 公開日:

    2020.06.20

  • 更新日:

    2021.10.15

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ライター・専門家プロフィール
  • 西村 百合子
  • ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士
  • ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。 現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。