
ウルフドッグにはいくつかの種類があって、欧米では80kgに達する大型犬もいます。ちなみに日本では、JKC(ジャパンケネルクラブ)で公認されている犬種として、サールロース・ウルフドッグとチェコスロバキアン・ウルフドッグの2犬種がいます。
しつけのしやすいタイプである2犬種に絞って、体重について解説していきましょう。
オオカミの資質に近いとされるサールロース・ウルフドッグは体重が40kgほどになり、チェコスロバキアン・ウルフドッグはもう少し小さくて、体重は30kg前後です。 いずれにしても大型犬の部類に属しますから、飼い主さんがしっかりと体重管理してあげるべきでしょう。
ウルフドッグの被毛はダブルコートのため、冬毛は分厚い防寒着のよう。逆に夏毛になると一気にアンダーコートが抜けてスリムに見えるため、なかなか体重の変化に気付かないということがあります。とはいえ大型犬ですから、ウルフドッグを載せられる体重計も、なかなか見つかりません。
動物病院等できちんと体重を計測してもらう方法の他、飼い主さんが肋骨の周りを手のひらで触って体型を確認する方法があります。これをボディコンディションスコア(BCS)と呼びますが、厚い被毛を指でかき分けた上でしっかりと触り、肋骨をちゃんと感じられるようであれば適正な体重だということです。
ウルフドッグのかかりやすい病気や、寿命のことなどについて見ていきましょう。体重管理はイコール肥満を防止すること。暮らす環境の整備と同様に、とても大切なことだと言えます。
アメリカの正式な犬種の平均寿命は8年ほど。日本在住のウルフドッグの平均寿命は10~12歳程度と言われており、大型犬の割に寿命は比較的長めとなっています。ちなみに野生のオオカミの寿命が5~8年くらいとされていますから、犬と交配したことによって、その特性を引き継いだと言えるかもしれません。
平均寿命が長いといっても、暮らす環境や個体差によって違ってきます。また肥満傾向が続くと内臓疾患を起こしやすくなり、細胞の代謝も大きく落ちるため、しっかり体重をコントロールすることが重要です。
ウルフドッグの最高齢に関する記録は不明ですが、飼育下のオオカミは16年ほど生きることも珍しくないとされています。また日本在住のウルフドッグの多くは、カナダからやって来た個体が多いため、そのぶん長寿の傾向があるのかもしれませんね。
ウルフドッグがかかりやすい病気について、いくつかご紹介していきます。肥満に起因すること、遺伝に関する病気がありますから、普段から観察を怠らないようにしたいものです。
発育の段階で股関節が形態的な異常を起こし、様々な症状を引き起こす病気です。大型犬~超大型犬に多い疾患だと言われており、栄養の偏りによって栄養バランスが崩れたり、肥満、運動不足などによって発症することが多いとされています。
横座りをしたり、腰を振って歩くなどの症状が現れたら危険信号です。重症化すれば外科手術を余儀なくされる場合があります。
オオカミと犬のハイブリッドですから、先天的な遺伝子異常が起こることも考えられます。また個体数の少なさに伴う近親交配の可能性も否定できないため、遺伝的疾患は注意するべき病気の一つだと言えます。
では具体的にウルフドッグの体重を管理していくために、どのような方法が有効なのでしょうか?食餌と運動にこだわってご紹介していきますね。
ごはんの量は、体重と比例した分量を適切に与えるようにしてください。フードの袋に記載してある「給餌量早見表」で確認すれば便利です。またウルフドッグのたくましい筋力と骨格を維持するために、低脂肪高たんぱくなラムやバッファローなどを主成分としたドライフードが最適でしょう。
こちらのドッグフードは、低脂肪で高たんぱく、アレルゲンになりにくいラム肉を使用し、関節の負担を和らげるグルコサミン・コンドロイチンも配合されています。またグレインフリー・グルテンフリーですので、安心して与えられます。
行動力があって活発な犬種ですから、毎日の散歩は欠かせません。1時間程度の散歩を1日に2~3度繰り返すようにしましょう。
環境として広いスペースが必要な犬種ですから、その運動量もかなりのもの。とはいえ安易にドッグランへ連れていくとトラブルの原因となります。もしドッグランで走り回らせるのであれば、飼い主さんがリードをしっかり持って、付いて来させるようにしましょう。またスポーツも得意な犬ですから、アジリティなどにも挑戦してみても良いでしょう。
いつまでも健康で長寿であり続けるためには、病気の予防措置と体重管理が欠かせません。人間と違って自らダイエットなどが出来ませんので、飼い主さんがしっかりと管理してあげてください。先ほどご紹介したボディコンディションスコアを確認してあげるだけでも、良いスキンシップになりますよ。
明石 則実/動物ライター
フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。