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犬種図鑑

2020.06.25

熊本原産の「肥後狼犬」ってどんな犬種?ニホンオオカミの血を引く犬

ニホンオオカミの血を引いた和製ウルフドッグ・肥後狼犬をご存知でしょうか?熊本原産の日本犬で、現在は絶滅が危惧されている状況にあります。
今回は、そんな貴重な日本原産の犬種である肥後狼犬の歴史や特徴、魅力について紹介していきます。

Author :関 ゆりな/ドッグライター

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肥後狼犬のルーツ

肥後狼犬(ひごろうけん、ひごおおかみけん、ひごおおかみいぬ)は、熊本原産の日本犬です。肥後狼犬は、狩猟能力を高めるためにオオカミとの交配により誕生したという特異な歴史をもつ犬です。

ニホンオオカミの血を引く犬

肥後狼犬の先祖犬は、和製ウルフドッグという別名をもつ同じく熊本犬原産の肥後犬(ひごけん、ひごいぬ)とされています。肥後犬は残念なことに現在は絶滅している地犬で、元々は山犬だったものを飼いならしたと言われています。
イノシシ狩りに用いられていた肥後犬にニホンオオカミをかけ合わせて、より狩猟能力を高める目的で誕生したものが肥後狼犬です。

絶滅の危機に

ニホンオオカミの血を引いているため、肥後犬と同じくイノシシを狩る猟犬として大変優秀な活躍を見せていましたが、戦争の影響により明治頃から衰退していき、昭和頃には絶滅したものと思われていました。

しかし、肥後狼犬保存会の創設者である小山克巳氏によって、1948年に九州地方の山中で瀕死状態のメス犬が発見されました。
必死の看病により回復したメス犬を基に和系犬をかけ合わせる復元が行われ、頭数を回復させることに成功しましたが、これにより現在純粋な肥後狼犬は在命していないこととなりました。
そのため、肥後狼犬の血を引いた子孫がいるという状況であり、現在でも絶滅を危惧されています。頭数が増えているものの雑種化しながらの状態のため、天然記念物には指定されていません。

肥後狼犬保存会は、創設者がすでに故人であることに加えて会員の高齢化が進んだことにより、現在活動が難しく今後肥後狼犬がどうなっていくのかは定かではない状況です。

肥後狼犬の特徴

肥後狼犬の特徴は、オオカミに似た凛々しさでしょう。他の日本犬とも少し違う肥後狼犬の特徴について紹介していきます。

見た目の特徴

肥後狼犬は、筋肉質な体型をしており、体高はオスが約48~51cm、メスが40~41cm程度となっており、オスはやや小さい大型犬、メスは中型犬サイズと言えます。
全体的にニホンオオカミに似ている外見をしており、立ち耳に巻き尾をもちます。

毛質

被毛は短毛で、量が多く冬になると寒さに耐えられる冬毛になり、長めの毛に生え変わります。
毛色は、柴(灰色みのくすんだ茶色)、茶、白、灰色、狼灰などです

性格

肥後狼犬は、日本犬ならでは性格をしており、温厚で忍耐強く信頼する飼い主のみに忠実で、自分の主人と認めた人の指示しか聞かない頑固な面もあります。
オオカミの血を引いているため、狩猟本能と身体能力がとても高く、運動量は多く必要といえるでしょう。

肥後狼犬の魅力

ニホンオオカミの血を引く肥後狼犬の魅力はなんといっても、そのワイルドさでしょう。オオカミに近い姿をした凛々しくかっこいい外見もそうですが、甲斐犬のような気の強さがあり性格もワイルドといえます。ここでは、そんなワイルドな魅力を持つ肥後狼犬のもう一つの魅力について説明していきます。

扱いやすさは?

さきほども説明したようにワイルドな魅力がある肥後狼犬ですが、雑種化によりオオカミの血が薄まったことで海外のウルフドッグに比べると比較的扱いやすいと言われています。

しかし、扱いやすいと言っても初心者の方に向いているというわけでは決してありません。他の和犬でも主従関係をしっかりと築くことができなければ言うことを聞かないという問題が起こることも多いためです。オオカミの血が薄れているとは言え、高い狩猟能力を持つため上手に制御できなければ事故が起こる可能性もあるため、安易に飼育できる犬種ではありません。
しかし、リーダーとなる信頼する飼い主にはとても従順なので、自分だけに甘えて気を許してくれる姿は愛くるしさ倍増でしょう。

肥後狼犬との時間

肥後狼犬は、オオカミの血を引く和製ウルフドッグという貴重な存在ですが、現在でも絶滅が危惧されている犬種です。姿を見る機会もなかなかなく、お家に迎える機会はもっとないと思われますが、今後も肥後狼犬が在命することを願うばかりですね。

◎ライタープロフィール
関 ゆりな ドッグライター

関 ゆりな/ドッグライター

ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。

  • 更新日:

    2020.06.25

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