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犬種図鑑

2020.06.24

イタリアン・コルソ・ドッグについて知りたい!歴史・特徴・性格から魅力まで

日本ではあまり見かけることがない中型〜大型犬のイタリアン・コルソ・ドッグ。世界的には、カーネ・コルソと呼ばれ、欧米ではショードッグとしても人気があります。強面の見た目とがっしりした体つきが特徴のイタリアン・コルソ・ドッグとは、どのような犬なのでしょうか?今回は、イタリアン・コルソ・ドッグの歴史、特徴、性格や魅力から育て方までをご紹介します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

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イタリアン・コルソ・ドッグの歴史

イタリアン・コルソ・ドッグ

イタリアでは、ドゴ・イタリアーノ、シチリアーノスブランチ、カーネ・マケリオ、イタリアン・モロッシなどと呼ばれているイタリアン・コルソ・ドッグは、古代ローマ時代に軍用犬として活躍していたとされているモロッコの古代犬種が祖先だとされています。

モロッコの古代犬種がシチリアで育種されることに

カニス・パグナスと呼ばれていたモロッコの古代犬種は、マスティフタイプの大型犬で、ギリシアで有能なワーキングドッグとして活躍していました。その働きぶりを認めた古代ローマ軍がイタリアへと連れ帰り、イタリア原産の犬種としてイタリアの古代犬種カーネ・ディ・マチェライオを再現するべく、イタリアン・マスティフなどの犬種の血統を取り入れ、シチリア島で育種されました。

一時は絶滅の危機に

イタリア原産の犬種として確立されたイタリアン・コルソ・ドッグは、ローマ帝国の衰退とともに軍用犬としての役目を終え、イノシシやクマなどの大型動物の狩猟犬、農場や家畜を守るガードドッグとして、また闘犬としてもイタリア全土、シチリア島で人気のワーキングドッグでした。

しかし第二次世界大戦後、イタリア経済の混乱から絶滅の危機に瀕したのです。その後、熱心な愛好家によって、カーネ・コルソ愛好会が設立され、南イタリアの一部の地域で飼育されていた犬たちを基礎犬として品種の復活が行われました。現在では、欧米のドッグショーで高く評価される人気の犬種となっています。

イタリアン・コルソ・ドッグの名前の由来

世界的にはカーネ・コルソと呼ばれているイタリアン・コルソ・ドッグ。ラテン語でカーネは「犬」を意味し、コルソはラテン語のコホーズ「保護者、農場の警備・番人」に由来していると言われていますが、イタリア語では、コルソも「犬」を意味しています。ちなみに、ドゴ・イタリアーノやドゴ・プーリアと呼ばれている所以は、イタリア語でドゴは「ブルドッグ」を意味することから、イタリアのブルドッグ、プーリア州のブルドッグという意味を持っています。

イタリアン・コルソ・ドッグの特徴

イタリアン・コルソ・ドッグ

イギリスでは警備犬として分類されているイタリアン・コルソ・ドッグは、マスティフ譲りの幅の広い頭と四角い顎、がっしりとした筋肉質のボディが特徴です。イタリアン・コルソ・ドッグのオスの体高45~50cm、体重は45~50kg、メスの体高は60~64cm、体重40~45kgがスタンダードとされています。

被毛は、短く粗いながら光沢のあるダブルコートで、冬にはアンダーコートが密集して生えることも特徴の一つです。被毛のカラーは、ブラックまたは明るいフォーンが主流ですが、鉛色、スレート・グレーの他に、古代犬種の名残でもあるブリンドルも認められています。

イタリアン・コルソ・ドッグの性格

イタリアン・コルソ・ドッグ

有能なガードドッグでありハンターでもあるイタリアン・コルソ・ドッグは、飼い主とその家族に対しては忠実で、愛情深い性格ですが、見知らぬ人や犬に対しては警戒心を強く表します。欧米では、「どんな挑発にも対応する準備ができている活発な気質」と称され、優れたリーダーシップと犬を制御できるだけのパワーのある人がイタリアン・コルソ・ドッグの飼い主にふさわしいとされています。

知的でデリケートな性格

イタリアン・コルソ・ドッグと暮らすために必要不可欠なことが、子犬期の社会化です。見知らぬ人や犬、動物、音に対しての恐怖心からくる攻撃性を持たせないためには、子犬期にあらゆる経験をさせ社会化をしておくことがとても重要です。

また、知能の高いイタリアン・コルソ・ドッグは、家族全員がルールを共有しているかどうかを判断し、確認します。この時、家族全員がしっかりとしたリーダーシップが取れない場合は、子供や同居する動物に対して攻撃性を持つ可能性があります。また、イタリアン・コルソ・ドッグに対して大きな声で怒ったり、乱暴な行動をとるとデリケートな性格から、逆効果となることがあります。

イタリアン・コルソ・ドッグの育て方

イタリアン・コルソ・ドッグ

飼い主と一緒にいることが大好きなイタリアン・コルソ・ドッグは、トレーニングに関しても飼い主が主体となって行う必要があります。また、攻撃性の高い犬種として知られた祖先権を持つことから、しっかりとした社会性を身につけさせることは最重要課題といえます。

豊富な運動量が必要

イタリアン・コルソ・ドッグは、狩猟犬や農場の警備犬として活躍していた過去があることから、敏感で機敏かつ豊富な運動量を必要とします。運動不足は、イタリアン・コルソ・ドッグに大きなストレスを与えるため、毎日朝晩それぞれ最低1時間以上の散歩と定期的に自由に走ることができる環境を整えることがポイントです。

初心者には不向きな犬種

大きな体と知能の高さから、しっかりとしたリーダーシップと訓練が必要で、犬のことを熟知している飼い主向きの犬種です。特に大型犬の飼育に精通していない場合は、攻撃的な犬に育ってしまう可能性があるため危険を伴います。基本的なしつけはもちろんのこと、ストレスをためさせない環境づくり、適切な社会化が必要な犬種であると言えます。

イタリアン・コルソ・ドッグの魅力

イタリアン・コルソ・ドッグ

しっかりとしたリーダーシップがとれる飼い主の元では、精神的にも落ち着き、家族に対しても愛情深く、忠実なイタリアン・コルソ・ドッグ。何と言ってもその魅力は、飼い主と一緒に何かをするのが大好きな性質です。

また、運動量も豊富なことから、一緒にジョギングをしたり、ドッグスポーツを楽しみたい人には適している犬種です。また、作業犬として有能だったことから知的レベルの高いところもイタリアン・コルソ・ドッグの魅力の一つ。コミュニケーションがしっかりと取れるノーズワーク、ゲームなどを生活に取り入れることで、その絆が深まります。

強靭なボディと賢さを持つイタリアン・コルソ・ドッグは上級者向きの犬種

イタリアン・コルソ・ドッグ

強面の見た目からは想像もつかない愛情の深さと優しい性格のイタリアン・コルソ・ドッグは、日本では見かけることがほとんどない希少犬種。ピットブル、ドゴ・アルヘンティーノなどと同じように、飼い主に対して忠実なあまり、攻撃性が表に出てしまい、そのことがニュースとなって流れてしまうこともあります。そのため、一緒に暮らしていくためには、犬に対する深い知識と体力、家族の協力が不可欠です。もし、イタリアン・コルソ・ドッグを迎えたいと考えている場合は、この犬種独特の気質や性質をよく理解した上で、迎えることがおすすめです。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

  • 更新日:

    2020.06.24

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