
ジャーマン・スピッツの祖先は、スピッツ族の1種のサモエドと考えられており、もともとは牧羊犬として人間のサポートをしていた犬種です。愛犬家たちによって改良されていく中で、大きさの異なるジャーマン・スピッツが誕生し、現在も牧羊犬として活躍している種類も存在します。
ジャーマン・スピッツは体の大きさが異なる5タイプが存在し、大きさによって以下のように呼ばれています。
なお、ジャーマン・ウルフスピッツはオランダ原産のキースホンドに、ジャーマン・トイスピッツはポメラニアンに該当します。
体が丈夫で長寿な犬としても知られているジャーマン・スピッツの平均寿命は13~16歳と言われています。
ジャーマン・スピッツといえば、顔まわりに生えているたてがみのような被毛が大きな特徴です。体も長い毛に覆われ、全体的にふんわりとしています。密度の高いアンダーコートが生えていることから、寒さには強い方です。
毛色はホワイトやクリーム、オレンジ、グレー、ブラウン、ブラック&タン、パーティーカラーなど、実にたくさんの種類があります。
ジャーマン・スピッツは明るく活発で、飼い主に従順な性格です。愛情に満ちており優しいので、小さなお子さんがいる家庭でも、安心して一緒に暮らしていかれます。また、物覚えがよく賢いのも特徴です。そのため、しつけはしやすい方だと言えるでしょう。
攻撃性は強くないものの、見知らぬ相手に対しては警戒心が強く、吠えやすいところがあります。頼もしい番犬になってくれますが、過度に知らない人に神経質になって吠え立てないように、しつけをしておく必要があります。
ジャーマン・スピッツを育てるにあたって、気をつけておきたいことを解説します。
ジャーマンスピッツは寒さには強いですが、暑さには弱い犬種です。夏場はエアコンをきかせ、室温を調節して涼しく保ってあげるようにしましょう。一般的に犬にとって冷房時の室温は25~26度、湿度50%程度が適しているとされています。
とはいえ気温の感じ方は個体差があります。舌を出してハアハアと呼吸をしている、水をガブガブとよく飲むなどが見られたら暑いと感じているサインなので、室温を下げて調節してあげてください。
ジャーマン・スピッツは、警戒心が強い性質を持っている犬種なため、無駄吠えをしやすい傾向にあります。そのような面をなるべく抑えるには、子犬のうちから社会性を身につけさせておくことが重要です。
ジャーマン・スピッツに限りませんが、生後3週齢?14週齢頃(社会化期)までは、警戒心がまだあまり芽生えてなく、いろいろなことを吸収していかれる時期です。そのため、この時期にいろんな人に会わせたり、屋外の物音に慣れさせたりすると、成犬になったとき必要以上に警戒心を持たなくなり、落ち着いて過ごせる犬になります。子犬の頃からさまざまな経験をさせて、社会性を育むようにしていきましょう。
ジャーマン・スピッツは体の大きさによって、超小型犬から中型犬までの5種類があります。性格の特徴は若干差がありますが、快活で従順なところや警戒心の強さ、物覚えのよさなどは共通した性格です。決して扱いにくい性格ではないので、きっと幸せな時間を過ごすことが出来ます。 ただし、社会性を身につけさせておかないと無駄吠えをしやすくなります。子犬のうちから、しつけをきちんと行うようにしましょう。
新井 絵美子/動物ライター
2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。