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食べもの

2020.06.28

手づくりごはん|パートナーに優しいレシピ|vol.10

パートナーに優しいレシピ|脂質と鉄分・犬と鮭の関係について

前回の「大腸炎・小腸炎の果てにたどり着いた事実」で、「脂質」が私の犬に大きな影響を与えることを書かせていただきましたが、実は最近、また軟便が起こりました。低脂肪を徹底していたはずなのにどうして?!
ヘルシー食材と言われているものでも問題は起きるのでしょうか。もう一度原因を調べ直してみることにしました。

#パートナーに優しいレシピ

Author :さのさえこ/ドッグライター

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鹿・イノシシ・鮭で便がゆるくなる

鹿とイノシシは高たんぱく低脂肪だと言われています。しかし市販の「鹿肉ステーキ」と、イノシシの内臓をミックスしたレトルトを与えたところ、軟便になりました。
鮭の場合は、人間用の生鮭を焼いたものでしたが、こちらも軟便に。人間の場合、魚の脂は進んで摂るべきだと言われますが、犬は違うのでしょうか。

鹿肉ステーキ以外の鹿は全く問題無し

鹿肉のステーキは焼いた鹿肉がそのまま袋に入った、とても美味しそうなおやつでした。しかし他の鹿のおやつは何も問題が起こらないのに、そのステーキだけは軟便になります。原材料も鹿肉だけなので違いがわかりません。

ヘルシー食材と言われる肉類を調べてみる

不思議なことに、馬を使ったおやつでは今まで一度も問題が起きたことがありません。馬、鹿、イノシシは「高たんぱく低脂肪」として同じような評価を受ける肉質だと認識していましたが、何かが違うようです。
鮭の前に、まずは馬、鹿、イノシシについて調べてみることにしました。

馬・鹿・イノシシはミネラル分が豊富な肉質

馬、鹿、イノシシは、ビタミンやミネラルの含有量が、鶏、豚、牛の肉よりもとても多いことがわかりました。
特に鉄分の含有量が、100g当たり馬:4.3%、鹿:3.1%、イノシシ:2.5%です。
一方、鶏:0.2%、豚:1.2%、牛:1.4%でした。

鉄分がお腹をゆるくする原因になる

人間の貧血治療で使う鉄剤は、副作用として下痢が起こることがあるそうです。もしかしたら私の犬の軟便も鉄分が原因かもしれません。でも鉄分の含有量は馬肉が一番多いはず。なぜ馬は何も起こらないのに、鹿とイノシシには反応するのでしょうか。

全てのおやつの脂質を調査してみると

良い機会なので、家にあるおやつを全て調べてみました。
結果、鹿を使ったおやつやトライプは全て脂質が10%以上あることがわかりました。問題が起きた鹿肉ステーキも10%、同様にイノシシのレトルトは6.5%で、全く問題が起きたことのない馬のおやつは全て4%以下でした。

脂質+鉄分が一定量以上になると軟便に

現在与えているフードやおやつのみに限定して推測すると、私の犬は鉄分と脂質の含有量によって便の状態が左右される傾向がありそうです。基準としては、イノシシのレトルト食品の脂質6.5%、鉄分2.5%が軟便になる最低ラインと言えそうです。

レトルト系おやつの与えすぎにも問題が

さらに私の与え方にも問題がありました。
ドライのおやつはほんのひとかけらしか与えないのに、レトルトのおやつは休日などの特別な日に与えるため、意味もなく奮発して一度に10g以上与えていました。
体重5kgの犬に10gということは、体重50kgの人間が100g一気に食べるということ。体に影響を及ぼす量としては十分過ぎるものだったと思います。

脂質や鉄分に問題のない鮭がなぜダメなのか

肉については、脂質、鉄分、与える量などで便が変化することがわかりました。
最後に残ったのは鮭です。
鮭は100g当たり脂質が3.38%、鉄分はわずか0.2%です。どうしてこれで軟便になるのでしょうか。

犬は陸上の動物を食べて生活していた

魚をメインにしたドッグフードが販売されているのですから、当然犬は魚を肉同様に消化吸収できると思っていました。しかし犬の歴史を調べてみると、犬にとって魚は常に副食であり、肉の摂取量を超えたことはありませんでした。そのため肉よりも魚に対して消化能力が劣っているのだそうです。

オメガ3脂肪酸の過剰摂取も問題になる

もう1つ大きな問題がありました。
犬は鮭や魚全般に多く含まれるオメガ3脂肪酸(DHAやEPAなど)を過剰に摂取することで、下痢や嘔吐を起こすことがあるそうです。
適量は体重5kgの犬に対して1日10gということですから、明らかに私が与えていた量はそれを上回っていました。フードに含まれる魚の摂取量も考えると、適量の何倍も与えていたことになります。大いに反省です。

多方面から栄養素を考えることが必要

軟便の原因は脂肪だけではなく、鉄分、オメガ3脂肪酸なども関係してくることがわかりました。
食べ物には様々な栄養素が独自のバランスで含まれています。「低脂肪」「ヘルシー」の言葉に踊らされてはいけないのですね。
私の犬の体に最大限の栄養を還元するためには、それぞれの分量を見極めて組み合わせ、うまく采配する力が必要なのだと思いました。

◎ライタープロフィール
ドッグライター さのさえこ

さの さえこ/ドッグライター

子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。
この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。

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