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犬にまつわる雑学

2020.05.05

著書「看取り犬・文福の奇跡」とは?心温まる犬や猫が起こす奇跡の実話

「看取り犬・文福の奇跡」は、2019年7月に発売され即重版になった今横須賀で実際に起きている奇跡の実話です。舞台になっている特別養護老人ホームについてはNHKでも放送され、大きな話題になりました。人と動物との繋がりを感じられ、涙なしには読めない「看取り犬・文福の奇跡」についてご紹介します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士

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著書「看取り犬・文福の奇跡」について

著書「看取り犬・文福の奇跡」

全国的にみても珍しい、ペットの犬や猫と一緒に入居できる特別養護老人ホーム「さくらの里山科」は、神奈川県横須賀市にあり、そこで飼われている犬や猫たちは入居者やその家族、親類縁者に対し数々の奇跡を起こしています。

人の最期を察知し寄り添う保護犬「文福」の話など、心が温かくなる15の掌編で紹介されており、描かれた一つ一つの物語は読んだ人の胸に深く刻まれます。

著者・若山三千彦氏について

この本を描いた若山三千彦氏は、1965年神奈川県で生まれました。横浜国立大学教育学部を卒業後、世界初のクローンマウスを実現した実の弟である若山照彦について描いた「リアル・クローン」で第6回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞しています。「看取り犬・文福の奇跡」の舞台であるホームで理事長・施設長を務めていますが、この本は施設の関係者としてではなく、第三者の作家の視点で執筆しているため読み手の心を惹き付けます。

本の題名にもなっている、「看取り犬・文福の奇跡」の話

著書「看取り犬・文福の奇跡」

人の最期を察知する能力をもつ文福。文福はいつも入居者に寄り添い、入居者が逝去する2~3日前になると部屋の扉にもたれかかるように項垂れます。文福の能力が最も輝いた「佐藤トキさん」のとの出来事では、重度の認知症であった佐藤さんが、文福と接していくうちに笑顔を取り戻し、次第に身内のことを思い出すなど、数々の奇跡が起こります。

保健所で殺処分される予定だった文福が、高齢者の最期を見守るため尽くす姿には感涙してしまいます。

その他のストーリーも、心を揺さぶられるものばかり

15の掌編から成る「看取り犬・文福の奇跡」は、どのストーリーも犬や猫と入居者さんの深い心の繋がりを感じます。また、感動するだけでなく、現代の高齢者福祉についての在り方についても考えさせられます。

「老春を駆け抜けろ」

末期がんのため余命3ヶ月で、全ての治療を拒否んで愛犬チロと共に入居した入居者さんの話です。悲しいだけの話ではなく、残された1日1日を大切にしながら愛犬と過ごす美しい日々には感動を覚えます。

「いまが至福の時」

海に捨てられるところを偶然救われた猫の祐介。祐介の飼い主となった人は、自身の死後への心配から拒食症になり、祐介と一緒に死のうとまで思い詰めていましたが、祐介と一緒に老人ホームに入居して幸せな日々を送ります。

「虹の橋からのエール」

保護犬のアラシが自分だけを可愛がってくれる入居者さんと出会い、少しずつ心を開いていきます。そして入居者さんも、アラシとのふれあいによって夜間不安症がなくなっていきます。助け合う2人の絆は、アラシが空に旅立ってからも続いていました。

著者「看取り犬・文福の奇跡」は、あらゆる人に紹介したい本

著書「看取り犬・文福の奇跡」

この本を読むと、ペットは人間からの愛情を純粋に感じ取り、深い愛をもって返してくれることがわかります。福祉に携わる人や動物関係の仕事の人だけでなく、読書が苦手な小中学生からお年寄りまで、皆に読みやすい本です。表紙や挿し絵の暖かみのあるイラストは、舞台となっている老人ホームの入居者さんが描いたものだそうです。「看取り犬・文福の奇跡」、ぜひ手にとってみてくださいね。

単行本「看取り犬・文福の奇跡」

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

  • 更新日:

    2020.05.05

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