犬は日常の中で様々な場面で緊張することがあります。飼い主から離れる分離不安が緊張の原因になる犬もいれば、自動車や見知らぬ人などの恐怖心が緊張を引き起こす場合もあります。
犬は人や他の犬と関わる中で緊張を感じることもあります。犬同士が尻尾をピンと立てて固まっている様子を見たことはありませんか?これは緊張感が非常に高まっている状態です。全ての犬が人や他の犬とコミュニケーションをとる中で多少の緊張感を感じることがあり、完全に避けることはできません。
飼い主が犬の緊張サインに気づいてあげることは非常に大切です。しかし、犬のサインは非常に些細で、発見するのに苦労することがあるかもしれません。ここでは、どうすれば犬の緊張サインに気づいてあげることができるかを紹介していきます。
犬の緊張サインに気づくために最も大切なのは、その種類を理解するということです。犬の緊張のサインがどのようなものかを知らなければ、見つけることももちろんできないですよね。犬の緊張サインには様々な種類がありますが、とりあえず、基本的なサインは頭に入れておくようにしましょう。
犬の緊張サインは以下の通りです。
・過剰なパンティング
・鼻を何度も舐める
・部屋の隅や狭いところに隠れる
・耳を後ろに倒す
犬のサインに気づくのが難しいのは、犬の同じ動作に二つ以上の意味があるからです。
例えば、犬が耳を後ろに倒すのには緊張のサインの一つであるだけではなく、犬が喜んでいたり、犬が服従心を示すためのサインでもあります。緊張のサインに当てはまる動作を犬がしているからと言って、必ずしも犬が緊張しているわけではありません。
犬の動作が緊張しているサインであるか、またはその他の意味があるかを見極めるには、日頃から犬をよく観察しなければいけません。自分の犬がどのような状況でどのような動作をするかをよく理解することで、緊張のサインを上手に見つけてあげられるようになります。
犬の緊張のサインを発見したら、犬をその緊張から解放させてあげたいですよね。犬を緊張から解放するのは簡単そうですが、場合によっては難しい場合もあります。ここでは、犬の緊張にどのように対処していけばいいのかを解説していきます。
犬が緊張している原因を突き止め、その原因に直接対処することが非常に大切です。犬がコミュニケーション中に緊張感を感じているのであれば、自然と解消する場合がよくあります。しかし、緊張感があまりにも高まっているいるようであれば、犬をその環境から速やかに遠ざけるようにしてください。
犬の恐怖心や分離不安などが緊張の根本的な原因になっているのであれば、それらを解決してあげる必要があります。恐怖心や分離不安は克服するのに時間がかかりますし、場合によっては専門家による治療やトレーニングが必要となります。
ここでは犬の緊張のサインの見つけ方について詳しく解説していきました。普段から愛犬をよく観察し、緊張のサインを見つけて早期に対処してあげられるようにしましょう。そうすることで愛犬がより快適な生活を送ることができるようになります。犬とのコミュニケーションを心がけ、犬と人が共に安心できる生活を楽しんでださいね。
阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師
茨城県出身。日本獣医生命科学大学を卒業し、認定動物看護師の資格を取得。千葉県の動物病院に勤務後、動物用医薬品販売代理店にて動物病院への営業を経験。犬とのより良い暮らしをサポートできるよう、飼い主の方の気持ちに寄り添いながら、安心して正しい情報をお伝えできるよう心がけています。
ルエス 杏鈴/犬訓練士、ドッグライター、ドッグフォトグラファー
大好きなジャーマンシェパードとドタバタな日々。いろいろなことに愛犬と挑戦するのが大好きで、ディスクドッグ、アジリティ、警察犬の訓練など様々なトレーニングに携わった経験がある。
愛犬を迎えたことを機に犬の美しさや犬との生活の魅力を伝えるべく、ドッグフォトグラファーとしての活動開始。また、ドッグトレーニングや犬との生活を活かし、2019年4月頃より愛犬家のために記事の執筆を開始。
写真や記事の執筆を通して犬が犬として幸せに過ごせる世界づくりに携わるのが目標。