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健康管理 / 病気

2020.05.03

【獣医師監修】犬の外耳炎ってどんな病気?原因・治療法・予防まで

外耳炎は、犬の病気の中でも特に多く見られる病気です。犬が耳を気にしていたり、耳垢が増えるときには外耳炎になっている可能性があるので、注意が必要です。ここでは、犬の外耳炎の原因や治療法、予防法などについてご紹介します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬の外耳炎とは?

犬 外耳炎

外耳炎とは、耳介(外からも目視できる耳)から鼓膜までの外耳道に炎症が起こる病気です。

外耳炎の症状

犬が外耳炎になると耳に痒みや痛みを感じるため、後足で耳の後ろを掻いたり頭をしきりに振ったり、床に耳をこすりつける様子が見られます。耳垢が増え、耳の中が赤くなったり、悪臭を放つこともあります。
また、重度になると耳道が赤く腫れあがり耳の穴が塞がってしまったり、耳から膿が出ることもあります。

他の犬や人にうつる?

外耳炎自体がうつるというよりは、外耳炎の原因となっているものがうつる可能性があります。例えば耳ダニ感染症によって外耳炎が引き起こされている場合には、犬の耳に寄生するミミヒゼンダニが他の犬や猫などの動物に接触感染する可能性があり、まれに人にもうつることがあります。
原因がアレルギー性皮膚炎など体質的なものであった場合には、うつる心配はありません。

犬の外耳炎の原因

犬 外耳炎

犬の外耳炎の原因は様々で、細菌や真菌、寄生虫感染のほか、異物や湿気によるもの、アレルギーなどがあります。

原因1・細菌や真菌の感染

細菌や真菌(マラセチア)が感染し、外耳炎を引き起こします。耳の中は体のほかの部分に比べて蒸れやすく、細菌や真菌が繁殖しやすい傾向があります。

原因2・耳ダニ

犬の耳にミミヒゼンダニという寄生虫が感染すると、外耳炎になります。ミミヒゼンダニは犬の耳の中で耳垢を餌にして繁殖し、激しい痒みを伴います。黒くてカサカサした大量の耳垢が出るときは、耳ダニ感染症が疑われます。

かかりやすい犬種や年齢

外耳炎を発症する年齢は幅広く、早ければ子犬の頃から発症している子もいます。どの犬種でもかかる可能性がありますが、次のような犬種は特に注意しましょう。

垂れ耳の犬や耳毛が生える犬

レトリバー系の犬やダックスフンド、コッカースパニエルなどの垂れ耳の犬は耳の中が蒸れやすく、外耳炎にかかりやすい犬種です。中でもコッカースパニエルの外耳炎は重症化しやすいため、注意する必要があります。
また、トイプードルやミニチュアシュナウザーなど、耳毛が多く耳の通気性が悪い犬種も外耳炎になりやすい傾向があります。

アレルギー体質の犬

ウエストハイランドホワイトテリアやシーズー、柴犬などのアレルギーを起こしやすい犬は外耳炎になりやすく、多くの場合、耳以外の皮膚にもアレルギー症状が見られます。

犬の外耳炎の治療法

犬 外耳炎

治療法は外耳炎の原因によって異なりますが、一般的に耳の汚れがひどい場合は耳道内を洗浄し、感染や炎症を抑えるために点耳薬などで治療します。耳の痛みがひどく、耳を触ろうとすると暴れたり噛みついてくるような場合には、先に内服薬などである程度炎症を抑えてから洗浄することもあります。
耳ダニ感染症であれば駆虫薬の投与、アレルギーによるものであればアレルギーの治療など、原因に合った治療が必要です。

治療にかかる費用

症状の程度や外耳炎の原因にもよりますが、診察や外耳洗浄などの処置、薬の処方など、通院一回につき3,000円ほどかかります。初期のうちに治療を受け、一回の通院で済むこともありますが、炎症が強い場合には治療が長期にわたることもあります。

犬の外耳炎の予防

犬 外耳炎

耳の清潔を保つことが外耳炎の予防になりますが、過度な耳掃除は耳を傷つけ、かえって外耳炎を引き起こしてしまうこともあるのでやり過ぎには注意しましょう。また、プードルなどの耳毛が生える犬は、定期的に耳の毛を短くしましょう。日頃から犬の耳の状態をチェックし、異常があればすぐに対処し重症化を防ぐことも大切です。

再発する可能性

外耳炎は一度かかると慢性化したり何度も繰り返してしまうことが多い、厄介な病気と言われています。

犬の外耳炎との向き合い方

犬 外耳炎

外耳炎を放置すると、鼓膜の奥にある中耳、さらには内耳にまで炎症が及ぶことも珍しくありません。治療が長期にわたると、愛犬にも飼い主さんにも余計に負担がかかってしまいます。早期発見、早期治療が大切な病気なので、日頃からこまめに愛犬の耳をチェックし、異常があれば早めに動物病院を受診しましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

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