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健康管理 / 病気

2020.05.29

【獣医師監修】犬の角膜炎ってどんな病気?原因や治療法・予防を解説

人と同じように、犬も角膜炎になることをご存知でしょうか?愛犬のきれいな瞳に傷がついてしまったら、飼い主さんはとても心配になりますよね。ここでは、犬の目の病気の1つである、角膜炎の原因や治療法・予防法についてご紹介します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬の角膜炎ってどんな病気?

チワワがこちらを見ている様子

黒目部分の表面を覆っている無色透明な膜(角膜)が炎症を起こした状態を角膜炎と言います。

角膜炎の症状

角膜に炎症が起こることで目が充血する、目やにや涙の分泌量が増える、目を開きにくそうにしたり、気にして引っ掻いたり床にこすりつけるなどの様子が見られます。重度の場合は角膜が白くなり、目の中に正常なときには見られない血管を生じることもあります。
傷が角膜の表面だけでなく、角膜実質にまで及ぶと角膜潰瘍と呼ばれる状態になり、治りにくくなります。

角膜炎は他の犬や人にうつる?

角膜炎自体がうつることは考えにくいですが、角膜の原因が細菌やウイルスであった場合に、その病原体をうつされた他の動物が角膜炎を引き起こす可能性は否定できません。

犬の角膜炎の原因とは?

2頭の犬が木の枝を咥えている様子

角膜炎の原因は、大きく外傷性のものと非外傷性のものに分けられます。

角膜炎の原因|1.外傷性

散歩中に目にゴミなどの異物が入ることで角膜炎になったり、目に違和感を感じて自分で引っ掻き、目を傷つけてしまうことで角膜炎を引き起こすことがあります。

角膜炎の原因|2.非外傷性

ウイルスや細菌などによる感染症、アレルギーが原因となるほか、緑内障などの目の病気から続発して角膜炎を引き起こすこともあります。

角膜炎にかかりやすい犬種や年齢とは?

2頭の犬が木の枝を咥えている様子

角膜炎にかかりやすい犬種や年齢についてご紹介します。

短頭種

フレンチブルドッグやパグ、シーズー、ペキニーズなどの鼻が短く目が大きな短頭種は、目が乾きやすいだけでなく、目をぶつけたり異物が入りやすいため角膜炎が起こりやすい犬種と言われています。特に若齢の犬やテンションの高い犬は、遊びなどに夢中になり怪我をしやすい傾向にあります。

免疫の異常によるもの

ミニチュアダックスフントやシェットランドシープドッグでは角膜に点状の傷ができる「点状表層性角膜炎」、ジャーマンシェパードドッグやグレーハウンドは角膜に肉芽種ができる「慢性表在性角膜炎」という角膜炎にかかりやすいことがわかっています。これらは、免疫が介在していると言われています。

犬の角膜炎の治療法とは?

犬 角膜炎

治療法は角膜炎の原因や症状によって異なりますが、感染に対する抗菌点眼薬、炎症を抑えるための消炎剤の点眼薬、目の保護を目的とした人工涙液などが使用されます。また、慢性的な刺激が原因となり引き起こされている角膜炎では、原因を取り除きます。例えば、まぶたが目の内側にめくれる「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」であれば、外科手術でまぶたを矯正する、逆さまつげであればまつげを抜くなどの方法があります。

角膜炎の治療にかかる費用

動物病院は自由診療であるため、同じ検査や治療を受けても病院ごと費用が異なります。目安として、診察料や検査、薬の処方など一回の通院につき5,000円くらいかかります。一般的には3~4回ほどの通院が必要になりますが、角膜炎の原因や重症度によっては治療が長期化することもあります。

犬の角膜炎の予防方法とは?

犬 角膜炎

日常生活の中で目を傷つけるようなものは避けましょう。散歩では草や小枝に顔を突っ込まないようリードを短くしたり、逆さまつげが目を刺激する場合は定期的にまつげを抜くなどの対処が必要です。また、ドライアイの犬は目が傷つきやすいので、涙の分泌量が少ない場合は日常的に目薬が必要になることも予防に繋がります。

角膜炎が再発する可能性

症状が落ち着いても、途中で点眼をやめてしまうと再発する場合があります。獣医師の指示どおりに治療を続けることが大切です。

犬の角膜炎との向き合い方

犬 角膜炎

角膜炎には様々な原因があり、その原因や症状によって経過が異なります。重症化すると完治が困難になることもあるので、犬の様子を日頃からよく観察し、角膜炎の疑いがあれば早めに動物病院を受診しましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤 みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

  • 公開日:

    2020.05.23

  • 更新日:

    2020.05.29

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