
犬が草を食べる理由で考えられるのは、胃の調子が思わしくない時です。草を食べて胃の中の物を吐くことで、胃のムカムカをスッキリさせていると言われています。犬は本能的に、草を食べれば嘔吐することができ、胃がスッキリすることを知っているコもいます。胃に負担がかかると、自分でちゃんと治そうとするのですね。 なかには遊びで草を食べる犬もいますが、その場合は噛んでいるだけで飲み込まないことが多く見られます。
犬は人よりも頻繁に嘔吐し、体調を整えることができる生き物です。お腹が空いた時や、食べ過ぎた時にも嘔吐することが多く見られますので、犬が突然嘔吐しても、多くの場合はしばらく様子をみていても大丈夫です。ただし、吐き続けたり、吐いた物の中に血液が混じっているような時は注意が必要になります。早めに動物病院で診察してもらうようにしましょう。
飼い主さんの気を引くために草を食べたり、ストレスが溜まると草を食べる犬もいると考えられています。犬は日常の変化にも敏感で、とてもデリケートな動物です。犬にストレスがかかるような出来事が続いていないでしょうか?
・飼い主さんに構ってもらえない
・留守番の時間が長い
・運動不足になっている
・雷の音や地震が頻発している
このようなことがストレスとなり、草を食べる行動のきっかけになることもありますので、その場合は、ストレスを取り除いてあげると自然と食べなくなることが多いようです。
大抵の場合、犬が草を食べるのは自然現象と考えられますが、急に草を食べるようになった場合・食べる量が多い・他にも症状がある場合は病気の可能性についても考えなくてはいけません。消化器系の病気や寄生虫によって引き起こされる病気の可能性もあるので、そのような場合は念のため動物病院で検査することをおすすめします。
犬は本能的に毒性のある植物は口にしないと言われています。しかし「もし毒性のある草を食べてしまったら」と心配される飼い主さんも多いのではないでしょうか?そこで愛犬のために飼い主さんに知っておいてもらいたい、犬にとって危険な植物をご紹介します。
球根、花、茎、葉など全草に毒性があります。
チューリップはユリ科の植物ですのでユリと同様の注意が必要です。
見ためは可愛い花ですが、命に関わる毒性の高い植物です。
根、茎、花の蕾にアミグダリンという毒性のある成分が含まれています。
全草に毒性がありますが、特に根には注意が必要です。
毒性の高い植物です。特に茎と根に注意が必要です。
食べて問題のない草だとしても、除草剤などがまかれている可能性もあるので、犬に野草を食べさせるのはおすすめできません。
除草剤のかかった草を犬が食べてしまうと命を落とす危険があり、中毒症状によって命を落としてしまう事例はたくさんあります。色やニオイでは分かりにくく、どこに散布されているかが分からないため注意が必要ですね。
不自然に草が枯れているような場所には犬を近づけないようにするなど、飼い主さんが注意しておかなければなりません。
今回は「犬が草を食べること」についてご紹介しました。犬は、胃の調子が悪い時やストレスから草を食べることがほとんどですので、普段から胃腸の調子が思わしくない場合、ドッグフードに使われている動物油脂が原因になっていることもあるようです。そういった行動が見られた場合には犬の食生活を見直してみるのもよいですね。
望月 紗貴/犬の管理栄養士、ペット看護士、ペット介護士、ペットセラピスト、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー
3頭の愛犬たちと1頭の保護犬、3匹の愛猫たちと山奥で暮らす真の動物好きライター兼ペット記事監修者。
犬に関しての正しい知識共有を目的とし、ネットメディアでの情報提供活動を行っております。
休日は愛犬バーニーズマウンテンドッグ、ゴールデンレトリバー、ボーダーコリーとの時間を大切に過ごしています。
安田 ハル/ドッグライター
愛犬のトイプードルと暮らす楽しい毎日。
家族に寄り添って生きてくれている、健気で愛おしいこの子のために「何かできることはないだろうか」これがドッグライターを始めたきっかけでした。
幼い頃から、小型犬・中型犬・大型犬と様々な犬種と暮らした経験を活かし、愛犬家の皆さんに役立つ情報や、楽しく共感していただける記事を発信していければと思っています。
さらに知識を深めるために、動物に関する看護学・栄養学などの資格取得を目指して勉強中です。