犬の認知症は、特に柴犬がなりやすいというデータもありますが、他の犬種でも同様に起こり得ることです。どんなに今元気な子でも年を取ることによってなにが起こるかわかりませんから、認知症にはどのような症状が現れるのか確認しておきましょう。
認知症の症状は、人間のものと変わりありません。以下のような症状が現れた場合は、早め早めの対応が必要になります。
このような症状が見られたら、まずは一度動物病院に行くようにしましょう。きっと認知症だからと獣医師に見せず放っておくと、隠れた病気を見逃してしまうこともあります。
老犬の認知症は、根本的治療法はありませんが、進行を遅らせたり、症状を緩和させることは可能です。認知症になった老犬に接する場合は、生活リズムをこれまで以上に守り、できる限り同じ人が同じように接してあげることです。部屋の模様替えは控えるようにし、必要以上に混乱させないようにしましょう。
犬がぐるぐる回っているのを見かけたら、まずは回る方向を観察してみてください。右回りであれば問題なく、左回りであれば脳腫瘍の可能性もあります。 また、高齢になると発症しやすい前庭障害という脳の障害も考えられます。脳の病気が隠れていることもあるため早めに獣医師に診てもらうことをおすすめします。
食事が終わった直後にまた要求してくるというのも認知症が疑われますが、下痢や嘔吐などがある場合は内臓疾患の可能性もあります。また、高齢の犬で多いホルモン性の疾患でも食欲が出てくることがありますので、認知症と決めつけず、早めに獣医師に相談しましょう。
認知症の場合は、一回に与える量を減らし、一日に与える回数を増やすことで、肥満を避けながら、愛犬のストレスを回避することができます。
夜中に徘徊する犬は、昼間に寝ている時間が長くなり、昼夜逆転していることが多いです。そのため、飼い主が寝ている夜間に徘徊したり、夜泣きしたりすることがあります。認知症の犬の徘徊や夜泣き自体を止めるのは容易ではありません。昼間に寝入っていたら起こして、刺激を与えたり、日光浴をさせてあげたり昼と夜のバランスを保ってあげることが大切です。
老犬の認知症を予防するために日頃から行えることはあります。予防が重要になるため、日々の生活に取り入れてみましょう。
老犬になっても刺激は必要です。特に散歩はいろんな刺激があり、脳の活性化にも繋がります。散歩のルートを変えてあげていつもと違うところを通るのもいい刺激になります。
また、散歩の他に遊んであげることも大切です。もちろん、若い頃に比べると遊ぶ時間はどんどん減っていきます。体を激しく動かすような遊びではなく、宝探しやかくれんぼや知育玩具などの五感を使う遊びをするといいでしょう。
声掛けを含む飼い主とのスキンシップは、いい刺激になります。マッサージなどでこまめにコミュニケーションをとることで、安心して過ごすことができます。加えて、体の異常があった場合早期に発見できるので、毎日のスキンシップは大切です。
老犬の認知症は、直せるものではありませんが、治療によって症状を遅らせたり、緩和させることは可能です。シニア犬の仲間入りを果たしたら、予防法を取り入れつつシニアライフの準備をしてあげるようにしましょう。