
普段、犬の抜け毛が気を取るためには、コームやスリッカーブラシを使いブラッシングをしますよね。レイキングは、トリミングナイフなどの道具を使い、アンダーコートの中の死毛(既に抜けている毛)や抜けかけの毛を取り除く力を使わないお手入れ方法のことを指します。
犬の被毛には、皮膚を守る役目の上毛をオーバーコート、皮膚の保湿や保温の役目の下毛をアンダーコートがあります。オーバーコートだけが生えている犬種をシングルコート、オーバーコートとアンダーコートの2重構造をダブルコートと言い、犬種によってどちらかの被毛のタイプに分かれます。シングルコートは、換毛期がないため抜け毛は少ないですが、ダブルコートは季節の変わり目に換毛期があり、大量にアンダーコートが抜けます。
トリミングナイフは、ミニチュアシュナウザーやワイヤーフォックステリアなどのテリア系の犬種のトリミングで、被毛を抜くストリッピングやプラッキングをするときにも使われるトリミング道具です。トリミングナイフは、使い方を間違ってしまうと愛犬の身体に傷をつけてしまう可能性もありますので、しっかりと使い方をマスターしてから使うようにしましょう。
レイキングは、アンダーコートが生えているダブルコートの犬種におすすめのお手入れ方法です。毛量があり、換毛期には大量に毛が抜けるポメラニアンやシェットランドシープドッグ、柴犬などは特に効果がみられます。
チワワ、ミニチュアダックスフンド、パピヨンなど
柴犬、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、ウェルシュ・コーギーなど
ラブラドルレトリバー、ゴールデンレトリバー、シベリアンハスキーなど
アンダーコートを調節するレイキングにはどのような効果あるのでしょうか?
換毛期の抜け毛に悩んでいる人も多いと思いますが、レイキングは、抜け毛の原因ともなるアンダーコートを取り除くため、抜け毛を減らすことができます。ただし、抜きすぎると皮膚のトラブルを引き起こしてしまう可能性がありますので注意して行なう必要があります。
アンダーコートは、寒さから体を守る保温効果があります。夏の暑い季節にはアンダーコートを調節することで、熱中症を予防し、快適に過ごすことができます。レイキングによって、ふけや汚れも取れますし、毛に艶も出ますので一石二鳥ですね。
抜けるべきアンダーコートを抜いてあげることで、お肌のマッサージ効果も有り、代謝があがるため、皮膚や被毛の状態がよくなります。特に高温多湿の梅雨や夏の時期には、皮膚のトラブルが多くなるため、しっかりとケアしてあげたいですね。
自宅でレイキングをするときにおすすめグッズをご紹介します。
ホームセンターでも販売されていることもあるファーミネーターは、手に入れやすく、扱いやすいことで人気があります。短毛用、長毛用があるので、愛犬の被毛に合わせて選ぶことができます。
トリミングナイフには、用途に合わせて刃の種類が違います。アンダーコートを処理するレイキングには、アンダーコート用や粗目がおすすめです。
レイキングは、死毛・抜け毛となるアンダーコートを処理する方法であるのに対し、プラッキングとストリッピングは、より被毛の状態を良くするために毛を抜き取る方法です。
プラッキングは、定期的に少しずつ被毛を抜くことを言います。地肌が見えない程度に抜くため、常にきれいな被毛の状態を保つ効果があります。
ストリッピングは「裸にする」という意味のとおり、トリミングナイフや指で被毛を残さず抜き取ることを言います。テリア系の犬種はドッグショーに出陳する場合、ストリッピングやプラッキングが必要で、抜いてからショーに出せる状態になるまで、3~4か月ほどの時間がかかると言われています。
被毛のケアの方法、レイキングについてご紹介しました。レイキングは、犬抜け毛を減らすだけではなく、皮膚の状態を良くしたり、夏を過ごしやすくしてくれる効果があります。トリミングサロンでもレイキングをしてくれるところもありますので、愛犬の抜け毛に悩んでいる方は、トリマーさんに相談してみてはいかがでしょうか?
KANAKO/トリマー
ミニチュアダックスフンド8頭と暮らし、犬にまみれた幸せいっぱいの生活を送っています。
普段は犬の服をハンドメイドで作ったり、トリマーとしての経験を活かしカットを楽しんだりしています。