イングリッシュコッカースパニエルの被毛のお手入れ方法を知るためには、被毛の特徴を理解する必要があります。ここでは、イングリッシュコッカースパニエルのコートタイプなどの被毛の特徴について紹介していきます。
イングリッシュコッカースパニエルの被毛はロングコートで、細く柔らかい毛質をしています。
垂れ耳には美しく長い飾り毛があり、特徴的です。耳の飾り毛は汚れやすいため、食事の際や散歩の際などに耳カバー(スヌード)をつけることがあります。
イングリッシュコッカースパニエルは、オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)からなる2重構造のダブルコートです。
ダブルコートの犬種は、春と秋にアンダーコートが生え替わる換毛期があるため、抜け毛が多くなります。特にイングリッシュコッカースパニエルは長毛で毛量も多いため、抜け毛が多く目立ちやすいと言えます。
イングリッシュコッカースパニエルはカラーバリエーションがとても豊富です。
単色では、ブラック、レッド、ゴールド、チョコレート、ブラック・アンド・タン、レバー・アンド・タンがあります。また、これらのバイカラー(2色)に、ブラック・アンド・ホワイト、オレンジ・アンド・ホワイト、レバー・アンド・ホワイトなどがあり、加えてトライカラー(3色)のブラック・ホワイト・アンド・タン、レバー・ホワイト・アンド・タンがあります。
そして、イングリッシュコッカースパニエルの特徴のひとつであるグラデーションのような模様が入るローンには、ブルー・ローン、オレンジ・ローン、レモン・ローンなどがあります。
イングリッシュコッカースパニエルは、定期的なカットが必要なトリミング犬種になります。ここでは、トリミングサロンでお願いするメニューや頻度、料金の目安などについて紹介します。
イングリッシュコッカースパニエルは、定期的なトリミングで毛を整える必要があるため、カットとシャンプーがセットになったメニューがおすすめです。
美しい飾り毛を生かしたカットが人気ですが、夏の暑い時期にはさっぱりとした印象のサマーカットが人気のようです。しかし、バリカンで被毛を極端に短くしてしまうと、かえって熱中症になったり、紫外線によって皮膚が痛むため、おすすめできません。
イングリッシュコッカースパニエルは、月1回トリミングサロンでカットしてもらうのが、被毛を美しい状態で維持できるため理想と言えます。
料金はお店によって差がありますが、7,000~10,000円程度を目安としましょう。
ここでは、家庭で定期的に行う必要があるイングリッシュコッカースパニエルの被毛のお手入れ方法を紹介します。
イングリッシュコッカースパニエルは、皮脂の分泌が多く体臭が強くなるため、こまめなシャンプーが必要になります。豊富な抜け毛を除去するためにも、月2回程度の頻度でシャンプーを行いましょう。
細く柔らかい毛質は、絡まりやすく毛玉になりやすいため、シャンプーの前に一度全身をブラッシングして毛玉がないか確認し、毛玉があった場合は解いてからシャンプーを行うようにしましょう。
生乾きは、毛玉ができやすくなるだけでなく、菌が繁殖してしまい皮膚トラブルの原因になるため、根元からブラシで梳かしながらしっかりと乾かしましょう。
ブラッシングは、抜け毛が多くもつれやすいので、できれば毎日行うのが理想です。毎日行うのが難しい場合でも、週2~3回は行ってあげてください。
イングリッシュコッカースパニエルのブラッシングに使用するブラシは、スリッカーブラシとコームです。毛量が多いので、毛をかき分けて根元から少しずつ丁寧にブラッシングしましょう。
ここでは、イングリッシュコッカースパニエルを飼育する飼い主の悩みのタネである抜け毛と毛玉の対策について紹介します。
抜け毛対策に一番有効なのは、やはりこまめなブラッシングとシャンプーです。
特に抜け毛が増える換毛期には、1日数回に分けてブラッシングすると抜けかけの死毛が床に落ちる前に取り除くことができるでしょう。
こまめなお手入れをしていても、抜け毛が空中を舞うことも少なくないため、洋服を着せたり、こまめなお掃除が大切です。抜け毛用のお掃除グッズも多く販売されているので、取り入れてみるのも良いでしょう。
毛玉を作らないためには、根元から丁寧にブラッシングすることです。
動いた際に毛と毛が擦れる脇や耳裏、お腹などの部分は特に毛玉ができやすいため、毎日もつれがないかどうか確認しましょう。
毛玉を放置しておくと、見た目が悪いだけでなく通気性が悪くなり皮膚トラブルに繋がるため、見つけたら大きくなる前に毛玉の根元からスリッカーブラシを入れて、優しく解いてあげてください。
イングリッシュコッカースパニエルの美しい被毛を保つためには、定期的なお手入れが必要です。自宅でのこまめなブラッシングとシャンプー、そしてトリミングサロンでの定期的なカットも必要なので、時間とお金もかかるということを理解して迎えてください。被毛のお手入れは、子犬の時からシニアまで生涯ずっと行う必要があるので、面倒と思わずにひとつのコミュニケーションとして楽しみなら行えると良いですね。
関 ゆりな/ドッグライター
ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。