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犬種図鑑

2020.05.23

【犬種図鑑】マヨルカンシェパードの全て|歴史・特徴・性格や育て方のコツまで

牧羊が発達していたヨーロッパでは、歴史的にたくさんの牧羊犬たちが誕生してきました。日本でよく目にする犬種の中にも牧羊犬出身のコが多く存在しています。そんな中、スペイン原産のマヨルカンシェパードは、その希少価値から言って、世界的にも珍しい犬種だと言えるでしょう。今回はマヨルカンシェパードの犬種の成り立ち・特徴・性格などを紹介すると同時に、育て方のコツまでしっかりと解説していきますね。

Author :明石 則実/動物ライター

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マヨルカンシェパードの歴史

マヨルカンシェパード

カ・デ・ベスティアールまたはペロ・デ・パストール・マヨルカンと現地で呼ばれるマヨルカンシェパードという犬種は、地中海に浮かぶマヨルカ島に存在していました。その起源は古く、地元の様々な犬や、他のヨーロッパの牧羊犬と交雑・繁殖していたことが分かります。

そして何世紀にもわたって島の住民から牧羊犬としての能力を評価され、羊たちの誘導はもちろんのこと、外部の人間や害獣の監視役として働いてきました。

現在は違法となっていますが、かつてマヨルカンシェパードが、闘犬用として広く使われていたという歴史もあります。また現在に至るまで農場で作業犬として働き、かつコンパニオンドッグとして暮らしていることも多いのですが、マヨルカ島以外の地域ではめったに見つからず、非常にまれな犬種と見なされていますね。

犬種グループはどこに属する?

マヨルカンシェパードが登録されている団体には、FCI(国際畜犬連盟)やUKC(ユナイテッドケネルクラブ)などがありますが、「牧羊犬」または「護畜犬」としてカテゴリー分けされています。体が大きくて逞しく、闘争心も旺盛なため、番犬としての能力も抜きんでたものがありますね。

マヨルカンシェパードの性格とは?

マヨルカンシェパード

牧羊犬や番犬として期待される能力を持っているため、基本的な性格は活動的でエネルギッシュ。そして勇気も兼ね備えています。 周囲を熱心にパトロールし、自らの群れやテリトリーを守る気質のため、しばしば侵入者に対しては吠えて警告し、状況に応じて攻撃的になる可能性があります。時として我の強さや独立心を発達させることもあるでしょう。

単独で働くことに慣れた犬種ですが、家族の中での自分のポジションに誇りを持つ傾向にあり、例えば見知らぬ人が家にやって来た際には、あからさまに警戒心と敵意をむき出しにすることもあります。

かつては闘犬として使われていた程ですから、その防御本能は無視できないところ。そのため初めて犬と暮らす方や、小さな子供連れの家族と一緒に暮らすことはあまり推奨されていません。

性格から考えてしつけは難しい

家族と問題なく暮らすために、家に迎えてから早い段階でのしつけやトレーニングが必要となるでしょう。 飼い主さんはリーダーとしての立場を早い段階で理解させる必要がありますね。知的で賢い犬であるマヨルカンシェパードにとっては、ポジティブで厳しいトレーニングに対しても順応します。とはいえ一貫性が重要であって、家族全員が犬に対して同じルールを持つ必要があります。

また子犬の時点で社会化の徹底に焦点を当て、たくさんの人間や他の犬たちと合わせるようにしましょう。

マヨルカンシェパードの体重・平均寿命とは?

マヨルカンシェパード

マヨルカンシェパードは非常に筋肉質で、無駄な贅肉がないように思えます。しかしその一方で、大型犬であるがゆえに肥満等には注意しなければなりません。体重や運動など、健康に関して見ていきましょう。

適正体重

牧羊犬の中でも大型の部類に属し、体高は65~75cm、平均体重は35~40kgほどになります。

マヨルカンシェパードのかかりやすい病気としては、「股関節形成不全」や「膝蓋骨脱臼」などがありますが、肥満が大きく影響することもありますから、体重管理には十分留意しなければなりません。

必要な運動量

マヨルカンシェパードは外出することが大好きで、1時間程度の散歩が必要になります。1日に2度の散歩が望ましいでしょう。 本来、作業犬である彼らは、やるべき仕事を与えられると満足するため、ストレスのない適切な精神的・肉体的刺激が必要です。

飼い主さんは、運動のための計画をいくつか練り上げて、散歩したり、走ったり、遊んだりする機会を与えるようにしましょう。退屈でストレスが溜まった場合は、過度に吠えるようになるなど、望ましくない行動を起こす可能性が高くなります。

平均寿命

マヨルカンシェパードの平均寿命は約11~13年程度とされていて、大型犬ゆえに注意するべき点もあります。

胃の膨満が起こりやすく、胃拡張や胃捻転などを引き起こすことも。股関節や膝蓋骨の異常は、遺伝が原因の一つにもなりますが、ごはんの内容や生活環境を見直すことで改善されることもあります。

マヨルカンシェパードの被毛の特徴とは?

マヨルカンシェパード

マヨルカンシェパードの被毛はやや薄く、ダブルコートとなっています。皮膚に密着したアンダーコートと、黒くて艶のあるオーバーコートで構成されています。ショートヘアとロングヘアの2種類に分かれますが、被毛を触った感じは柔らかく、耐性があって、やや細いことが特徴です。

お手入れのコツ

週に2回程度を目安にブラッシングしましょう。毛質が良いため、豚毛などのブラシを掛けてあげると艶が増します。また、マヨルカンシェパード自身の皮脂によっても被毛に油が行き渡ります。さほどシャンプーは必要としませんが、換毛期や、汚れや匂いが気になればシャンプーするようにして下さい。

日本で一緒に暮らすのは難しい…かも?

マヨルカンシェパード

かなりの大型犬で、警戒心や防御本能が強いマヨルカンシェパード。仮に日本で暮らすとすれば、かなりハードルが高いと言えます。 マヨルカ島からほとんど外へ出さないという希少性と特殊性もありますし、まず見かけることが不可能に近い犬種だと言えるかも知れませんね。地中海に行った際にはぜひマヨルカンシェパードに想いを馳せてみてください。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 更新日:

    2020.05.23

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