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犬種図鑑

2020.05.11

カルパチアン・シェパード・ドッグの全て|歴史・特徴・性格・飼い方のコツまで

「カルピー」という愛称で徐々に頭数を増やしつつある犬種カルパチアンシェパードドッグ。日本で見かけることがない希少な犬種ですが、青・黄・赤色の国旗で知られる原産国ルーマニアでも希少な犬種となります。ルーマニアと言えば、中世の街並みが保存されている地域が多く、要塞教会や城が数多く残っています。中でも崖の上にそびえるブラン城は、ドラキュラ伝説と繋がりがあると噂される有名な場所ですね。今回はそんなルーマニア原産の犬種、カルパチアンシェパードドッグに想いを馳せて、犬種の成り立ち・歴史から、性格・寿命・被毛の特徴などをまとめてご紹介していきます。

Author :新井 絵美子/動物ライター

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カルパチアンシェパードドッグの歴史

カルパチアンシェパードドッグ

カルパチアンシェパードドッグは、ルーマニア原産の土着犬です。別名をカルパチアンシープドッグといい、カルピーの愛称でも親しまれています。カルパチア地域で何世紀にもわたって育種されてきた土着犬で、羊をオオカミや侵入者から守る牧蓄犬として活躍していました。

最初にスタンダードが作られたのは1934年で、その後ルーマニアのケネルクラブによって1982年、1999年、2001年に修正・更新されています。

犬種グループ

スタンダードとしての犬種の認定を行っている国際畜犬連盟には、犬種の生態や用途などによって「使役犬」や「愛玩犬」などといったように、それぞれグループ分けがされています。その中でカルパチアンシェパードドッグは、「牧羊犬・牧畜犬」のグループに分類されています。

狼との関係性が深い犬種?

カルパチアンシェパードドッグは、1359年頃の歴史書に狂牛に襲われた主人を助けたとしてその名が登場することから、非常に歴史の深い犬種であると言えます。

また、起源以前にカルパティアオオカミと白い巨犬が交配し、同犬種が誕生したと言われています。飢えた狼が羊に襲い掛かって食べようとしていたところを、心優しい羊飼いに捕まり、逆に護畜動物として一緒に暮らすようになり、そこで一緒に飼育されていた白い大きな犬との間に子供を授かり、それが現在のカルパチアンシェパードドッグの基礎になったという説があります。

そんなカルパチアンシェパードドッグは、もともとミオリティック・シェパード・ドッグと同犬種だと考えられていました。

カルパチアンシェパードドッグの性格

カルパチアンシェパードドッグ

カルパチアンシェパードドッグは、飼い主に忠実で愛情深く落ち着いた性格です。ただし、外敵から羊を守っていた犬なので、知らない人に対して警戒心が強いところがあります。

しつけ

他の犬や知らない人に対して過度に警戒しないようにするために、子犬のうちから社会性を身に付けさせておくようにしましょう。

生後12週齢頃までは、まだあまり警戒心が芽生えてなく、初めて体験することに適応しやすい時期(社会化期)なので、この社会化期に他の犬や家族以外の人と触れ合ったり、いろいろなものを見せたり匂いを嗅がせたりして、さまざまな刺激に慣れさせておくことが非常に大切です。

社会化期をこのように過ごさせておくと、初めて会う相手や新しい体験に遭遇しても、必要以上に警戒心を抱かず落ち着いて過ごすことができるようになります。

カルパチアンシェパードドッグの体重・寿命

カルパチアンシェパードドッグ

ここでは、カルパチアンシェパードドッグの体重や運動量、平均寿命について見ていきましょう。

適正体重

カルパチアンシェパードドッグの理想体高は、オスが65~73cm前後、メスは59~67cm前後です。体重に関しては、この体のサイズに対してバランスが取れていればよしとされています。力強さが感じられるオオカミに似た風貌を持ち、がっしりとした体格をしており、肥満体質ではありません。

運動量

大型犬のカルパチアンシェパードドッグは多くの運動量が必要なので、毎日最低でも1時間以上は散歩をする必要があります。運動不足になるとストレスが溜まり、問題行動を起こしやすくなるので注意しましょう。

平均寿命

カルパチアンシェパードドッグの平均寿命は12~14歳と言われています。大型犬の平均寿命は11歳(※1)程度なので、このサイズの犬種の中では寿命が長い方です。

カルパチアンシェパードドッグの被毛の特徴

カルパチアンシェパードドッグ

カルパチアンシェパードドッグの被毛は、やや硬めの直毛が密集しています。外部の刺激から皮膚を守るオーバーコートだけでなく、保温・保湿の役割をするアンダーコートも生えているダブルコートなので、寒さに強い方です。また、首元や四肢、尻尾の毛が長いのも特徴です。

毛色はブラック、ブラック・アンド・ホワイト、ホワイト・アンド・ブリンドル、ブラック・アンド・タン、タン、ウルフなどのさまざまな組み合わせがあり、バリエーション豊富です。

お手入れ方法

週2~3回ブラッシングをして、毛のもつれを整えてあげましょう。ダブルコートの犬種は、春と秋にアンダーコートが生え変わる換毛期があります。この時期は、いつもとは比べものにならないぐらい大量の毛が抜け落ちるので、毎日ブラッシングをして抜け毛を取り除いてあげましょう。

ブラッシングを怠ると被毛の通気性が悪くなり、皮膚トラブルを起こすこともあるので気を付けましょう。

日本では希少な犬種のカルパチアンシェパードドッグ

カルパチアンシェパードドッグ

飼い主に忠実で温和な性格のカルパチアンシェパードドッグですが、牧畜犬ならではの警戒心の強さも持ち合わせています。知らない人や新しい物事に対して過度に警戒しないよう、子犬のうちから社会性を身につけさせておくことが大切です。

残念ながら日本では希少な犬種なので、どうしても飼いたい場合は、海外から輸入して入手することになりますね。

(参考文献)※1 アニコム損害保険株式会社 家庭どうぶつ白書2019

◎ライタープロフィール
新井 絵美子 動物ライター

新井 絵美子/動物ライター

2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。

  • 更新日:

    2020.05.11

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