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犬種図鑑

2020.05.21

嗅覚ハウンドに属する犬の種類と特徴は?臭いで獲物を追い詰める究極の犬たちに迫る

テリア犬を除いた狩猟犬のことをハウンドと呼びますが、ハウンドは更に視覚ハウンドと嗅覚ハウンドの2種に分類されます。特に嗅覚ハウンドは、臭いを嗅ぎ分けるという犬特有の能力を生かして活躍してきました。現在は嗅覚ハウンドの多くも人間の家族として暮らしていますが、その歴史と共にハンターとしての特徴や側面に関しても解説していきたいと思います。

Author :明石 則実/動物ライター

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嗅覚ハウンドの起源や歴史

嗅覚ハウンド

ジビエ料理などで知られる通り、ヨーロッパでは古くから野生動物を狩猟し、食肉や皮革材料として重宝してきました。そのため、より効率的に獲物を捕獲する必要性があり、生み出されたのが嗅覚ハウンドという種類なのです。

人間との関わり

嗅覚ハウンドは「セント・ハウンド」とも呼ばれますが、元来は大型で非常に嗅覚に優れた犬種だったとされています。嗅覚ハウンドの中でも大型のダルメシアンは、古代エジプトの時代に起源を持つという説がありますし、ブラッドハウンドも7世紀には既にフランスで狩猟犬として暮らしていました。

またウサギやアナグマなどの小型動物を狩猟するために交配が重ねられ、16~17世紀になると小型の嗅覚ハウンドも作出されるようになりました。 体が小さく脚も短い彼らは、穴に潜んた獲物を探知することがとても得意だったそうで、自分で仕留めることもしばしばあったそうです。

嗅覚ハウンドは、鼻を地面に押し付けるように臭いを嗅ぎ、その鋭い嗅覚で獲物をどこまでも追いました。そして追い詰めると太く通る声で主人に居場所を知らせていました。

やがて時代が経るにつれて、嗅覚ハウンドも愛玩犬として暮らすことが多くなり、飼い主や家族思いの犬として愛されています。しかし、現役の狩猟犬として役目を負っている嗅覚ハウンドたちもいて、現在も日本のイノシシ猟などで活躍していますね。

嗅覚ハウンドの性格・身体的な特徴の共通点

嗅覚ハウンド

次に嗅覚ハウンドたちの特性を見ていきましょう。その性格や身体的特徴など、彼らならではの際立ったポイントがありますよ。

性格の特徴

愛玩犬として広く認知されている嗅覚ハウンドといえば、ビーグルやバセットハウンドなどですが、共通している性格としては、賢くて非常にフレンドリーだという点です。穏やかで優しい気質で、とても家族思い。また好奇心も旺盛で、遊びが大好きだという点でも共通しています。

その一方で、嗅覚ハウンドとしての気質も所々に見受けられます。好奇心が旺盛で、つい小さな動物を追いかけようとしたり、大きな声で吠えてしまうといった特性を持っているコもいます。そんな注意ポイントもありますが、きちんとしたしつけでしっかりと矯正していくことができます。

身体的な特徴・得意な分野

嗅覚ハウンドの身体的な特徴で共通している部分は、意外にもいずれも垂れ耳であることかもしれません。 大きな垂れ耳は、流れる空気を押しとどめて、より臭いを嗅ぎやすくしているという説もありますし、穴の中へ潜り込んだ時に、耳の中に土が入らないようになっています。

また走るスピードはさほど速くはないものの、そのスタミナや持久力はすごいもの。どこまでも獲物を追い詰めていくという嗅覚ハウンドの特性を表していますね。

嗅覚ハウンドの代表的な5犬種

1.ビーグル

ビーグル

ビーグルは「スヌーピー」のモデルとなった、世界中で愛されている犬種です。 嗅覚ハウンドの中で最も小さい犬ですが、16世紀のイギリスでウサギ狩りのために珍重されていました。性格は大胆かつ勇敢ですが、非常に愛情深く、利口で穏やかな気質を持っています。

2.ブラッドハウンド

ブラッドハウンド

フランス・アルデンヌ地方で暮らしていた大型ハウンドをイギリスへ持ち込み、外来種と交配させた犬種がブラッドハウンドです。 並外れた嗅覚を持つ犬としても知られていて、傷ついた獲物の足跡を発見することが得意なために「ブラッド」と名付けられたそうですね。 また近年では、優れた嗅覚を生かして行方不明者の捜索の任に就くこともあるそう。

3.アメリカン・フォックスハウンド

アメリカン・フォックスハウンド

外見はビーグルに似ていますが、体格は非常に大柄で、たくましい体躯をしています。 キツネ猟のために作出されたイングリッシュハウンドがアメリカ大陸へ渡り、他のハウンドの血統を加えられて生まれたのがアメリカン・フォックスハウンドです。

4.ダルメシアン

ダルメシアン

嗅覚ハウンドの中でも長い歴史を持っていて、数千年前から暮らしていたと推測されています。 ダルメシアンの特徴は何といっても、何でもこなせるオールラウンダーなところ。ウサギ狩りで重宝されており、家庭犬や愛玩犬としても優秀です。また17世紀には貴族たちが乗る馬車の随伴犬としても活躍していますね。

5.プチ・バセット・グリフォン・バンデーン

プチ・バセット・グリフォン・バンデーン

プチ・バセット・グリフォン・バンデーンという長い名前の犬種は、短足・胴長で、見た目は愛嬌がありますが、「山野では悪魔、家の中では天使」と呼ばれるほど狩りには熱心な犬種です。 雑木林や茂みの障害もなんのその。構わず分け入っていく勇敢さはハウンドならではですね。ただ狩りに情熱的になりすぎるため、きちんと主人の指示に従うためのトレーニングが必要です。

嗅覚ハウンドは運動・しつけを十分に

嗅覚ハウンド

嗅覚ハウンドは好奇心が旺盛なグループですし、吠え癖も少なからずあります。きちんとしたしつけをすれば問題はありませんが、それには根気強く犬と向き合うことが大切です。また、かなりの運動量を必要とするため、1日2回、それぞれ1時間程度の散歩が望ましいところです。そういった条件をクリアできるご家庭であれば、ぜひおすすめしたい犬らしさを活かして育て上げることができると言えるでしょう。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石 則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

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