アイリッシュウルフハウンドの平均寿命は、6~10歳程度と言われています。
犬の寿命は、体のサイズによって変わると言われており、体が小さいと長く、体が大きいと短命の傾向にあります。そのため、超大型犬に分類されるアイリッシュウルフハウンドは、平均寿命が14.2歳とされる小型犬と比べるとかなり短く感じますが、超大型犬種としては平均的と言えます。
10歳まで生きられないことも多いアイリッシュウルフハウンドにより長く健康でいてもらうためには、犬種特有のかかりやすい病気についての知識が必要になります。体型的にかかりやすい病気も多いため、しっかりと理解しておきましょう。
胃捻転とは、胃が拡張してねじれてしまった状態のことです。胸の深い大型犬に起こりやすい病気で、短時間で命に影響する危険な状態になるため、注意が必要な病気です。
明確な原因は不明ですが、早食いや大量に食事や水を摂取するなどの要因によって起こりやすいとされています。胃が広がるために、腹部が膨れて嘔吐したくても吐くことができなくなり、よだれを大量にたらすなどの症状が見られます。緊急性の高い病気ですから、上記の症状が見られたらすぐに動物病院を受診しましょう。
拡張型心筋症とは、心臓の筋肉が何らかの理由によって薄くなってしまい、血液循環不全が起こる病気です。
元気や食欲がなくなる、体重の減少、運動を嫌がる、咳などの症状が見られます。重症化すると胸水や腹水が溜まったり、失神してしまったり、突然亡くなってしまうケースもあります。症状が見られた時には、すでに病気が進行している場合が多いため、定期的な健康診断を心がけましょう。
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が減少してしまうホルモンの病気です。
甲状腺ホルモンは、体の代謝を活発にするホルモンのため、これが減少してしまうことで元気がなくなったり、暖かくても寒がって震える、脱毛や肥満、運動を嫌がるなどの症状が見られます。早期発見・治療が重要になるので愛犬の行動をよく観察し、上記の症状が見られた場合は早めに動物病院を受診しましょう。
愛犬の健康寿命を伸ばすためには、様々な病気の原因となる肥満を予防することが大切です。体が大きく元々体重が重いアイリッシュウルフハウンドは、肥満によって股関節にかなりの負担がかかりますから、日頃から食事と運動によって体重管理に心がけましょう。
愛犬に与えるごはんの量が適切であるかどうかはうんちの状態をチェックしましょう。
まずは、与えているフードのパッケージに記載された給与量を参考にご飯を与えて、うんちの状態を確認しながら量を調節していきます。
うんちを摘み上げた時にトイレシートに少し跡がつく程度の固さならごはんの量は適量、それよりも緩ければ量が多く、固ければ量が少ないサインです。定期的な体重測定とうんちの状態を見ながら、愛犬にあったごはんの量を探しましょう。
アイリッシュウルフハウンドは、狩猟犬種であり体が大きい分、運動量もかなり必要になります。激しい運動は必要ありませんが、1時間の散歩を1日2回程度を目安に散歩を行いましょう。
アイリッシュウルフハウンドは、サイトハウンドという視覚と走力によって獲物を追跡する狩猟犬として活躍していたため、走ることが大好きです。
庭やドッグランなどで自由に走れる機会を作ってあげましょう。ただ、狩猟犬としての本能によって小動物や自転車、車などを追いかける習性があるため、子犬のうちからコントロールする訓練を行いましょう。
超大型犬のアイリッシュウルフハウンドは、他の犬種と比べると平均寿命の短い犬種です。6年程度で亡くなってしまうことも少なくないため、日頃から愛犬の行動を観察すると共に定期的な健康診断を習慣にしましょう。やや太りやすい体質でもあるため、食事と運動によって体重管理も徹底して長生きを目指していきましょう。
関 ゆりな/ドッグライター
ビションフリーゼのココメロ(1歳)とのんびり暮らすフリーランスライター。ココメロの健康のため栄養満点の手作り食を作るべく、栄養学について勉強中。
長年犬を飼ってきた経験を元に、愛犬との生活がより充実できるような、愛犬家の皆様のためになる情報発信を目指します。