尿路疾患などの持病がなければ、犬が天然水やミネラルウォーターを飲むことは問題ないようです。
人間同様に水道水の匂いが苦手な犬なら、こうした水も飲ませてあげられます。
どちらも地下水から汲み上げるので、水源は同じです。
加工方法に違いがあります。
*天然水
採水後に、沈殿、ろ過、加熱殺菌のみ施した水
*ミネラルウォーター
天然水と同じ処理の後、品質を安定させるためにミネラル調整や化学処理を施した水。
水源が複数になることもあります。
水道水を浄水器に通して使う方も多いと思います。
こちらは水道管を通して付着したゴミや有害物質を取り除くのが主な機能です。
浄水器を通すと、カルキの臭いが減りますよね。
これは塩素を取り除いていることが理由です。
しかし塩素を除去することで、元々の水道水よりも菌が繁殖しやすくなります。
夏場に常温で置き水をすることには、あまり向かないかもしれません。
私は以前、浄水場に勤めていて、住宅の水道管に関係した仕事をしていました。
昔の水道管は鉛管が多く健康被害が懸念されましたが、現在では安全な塩化ビニール製の水道管に交換する工事が進んでいます。
耐震管にも変わりつつあり、水道水は常に安全・安心なものに向かって進んでいます。
日本の水道水の安全基準は、51項目にもわたります。
一方で天然水やミネラルウォーターでは、39項目となっています。
より安全な水を求めるのであれば、日本の場合、厳しい基準をクリアした水道水こそが、最も安全な水だということが言えるでしょう。
私が獣医さんに言われたのは、「犬に必要なのは、『水分』としての水だ」ということでした。
つまり、水に水分補給以外の効果は不要だということです。
口に入る全てのものに付加価値を求めたかった私には、目からウロコの一言でした。
「水分としての水」
これが犬に必要な水の在り方なのですね。
最近では、天災が人間の生活を脅かすようになりました。
人間がギリギリの生活を余儀なくされた時、一緒に暮らす犬は、もっと制限のある生活を強いられます。
そんな時に与えられる水分は、水道水しかないかもしれません。
水は生き物にとってかけがえのないものです。
だからこそ、クオリティよりも、いつでもどこでも飲めることが一番大切なのではないかと、私は思います。
日本にいる以上、水道水は最高基準の安全性を誇り、安価で、いつでも飲むことのできるものです。
水だけは、私は水道水にこだわっていこうと考えています。
さの さえこ/ドッグライター
子供の頃はアレルギーで飼えなかった犬を、大人になって初めて迎えることができました。しかし里子で迎えた初めての愛犬は、外耳炎、歯肉炎、膿皮症、膝蓋骨脱臼を持っていました。
この子をきれいな体にするにはどうしたら良いか。そんな気持ちから得た経験を、「犬の食」を通してお伝えできればと思っています。
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