magazine

健康管理 / 病気

2020.04.19

【専門家監修】犬のクッシング症候群はどんな病気?原因・症状・治療法を知ろう

犬のクッシング症候群という病気をご存知でしょうか。実は犬によく見られる疾患で、別名「副腎皮質(ふくじんひしつ)機能亢進症(きのうこうしんしょう)」と呼ばれる、副腎皮質ホルモンの分泌量が過剰に多くなってしまう病気です。最近愛犬の元気が無いな・・、頻繁に水を飲んではトイレが近くなったな・・、そんな異変を感じている飼い主さんは、一度クッシング症候群について知って適切な対応を検討することをおすすめします。
今回は、犬のクッシング症候群について、その原因から症状、治療法までを見ていきましょう。

Author :docdog編集部(監修:阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師)

この記事をシェアする

犬のクッシング症候群ってどんな病気?

犬 クッシング症候群

クッシング症候群は、別名「副腎皮質(ふくじんひしつ)機能亢進症(きのうこうしんしょう)」とも呼ばれています。

副腎とは、身体の調子を一定に保つために非常に重要な役割を担うホルモンを分泌する臓器で、この周囲に位置するのが副腎皮質です。この副腎皮質の機能が「亢進(こうしん)」する、つまり通常よりも高い度合いまで進んでしまうのが、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)です。

具体的には、副腎皮質から分泌されるホルモンのひとつである「コルチゾール」が過剰に分泌される状態となります。コルチゾールは脂肪の分解やたんぱく質の代謝などに深く関わるホルモンで、生体にとって必須の非常に重要な役割を果たしています。このコルチゾールの分泌が過剰になることで、身体の色々なところに変化や不調が見られるのがクッシング症候群です。

犬のクッシング症候群、どんな症状が出る?

犬 クッシング症候群

クッシング症候群を発症すると、身体の様々な機能に直結しているコルチゾールが過剰に分泌されることで、全身に以下のような症状がみられるようになります。

・水をよく飲み、尿の量が多くなる
・脱毛、毛がうすくなる(左右対称になることが多い)
・お腹がでてくる(飼い主さんは太ったと感じることが多い)
・食欲が増える
・元気がなくなる
・よくつまずくようになる(筋力が低下する)

どれも、年齢を重ねたからかな?と思う程度の症状であるがため、見過ごされてしまうことが多いので注意が必要です。

犬のクッシング症候群、何が原因で発症するの?

犬 クッシング症候群

犬のクッシング症候群の原因は、大きく3種類に分類されます。

脳下垂体にできる腫瘍

副腎が出すホルモンの量をコントロールしているのは脳下垂体です。司令塔である脳下垂体に腫瘍ができると、「ホルモンを出せ」という指示が過剰に出てしまい結果的にコルチゾールが過剰に分泌されることになります。
クッシング症候群の診断を受けた犬の半数以上が、脳下垂体の腫瘍が原因でクッシング症候群になっているとされています。

副腎にできる腫瘍

脳下垂体からの指示に関係なく、副腎自体に腫瘍ができることでコルチゾールが過剰に分泌されてしまうこともあります。

ホルモン薬の投与

何らかの理由で副腎皮質ホルモンの薬を投与しなければいけないケースでは、その投与量によってはクッシング症候群を発症することがあります。

犬のクッシング症候群の検査方法

愛犬にクッシング症候群を疑うような症状が出たら、どんな検査をすることになるのでしょうか。
まずは身体検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行い、その結果クッシング症候群が強く疑われるようであれば特別な血液検査(ACTH刺激試験、低濃度デキサメサゾン抑制試験)を行います。クッシング症候群は100%それと診断することが難しいため、症状や検査結果を総合して判断されます。

なりやすい犬種

統計的に、プードル、ビーグル、ボストンテリア、ダックスフンド、ラブラドールレトリバーなどの犬種では他の犬種と比べてクッシング症候群を発症しやすいとされています。また年をとるほどリスクが高くなり7~8歳以降で発症することが多いです。

愛犬がクッシング症候群になったら、その治療方法とは

犬 クッシング症候群

クッシング症候群と診断された場合は、その原因や腫瘍の大きさによってアプローチが異なります。

脳下垂体の腫瘍が原因の場合、腫瘍が大きければ脳外科手術で切除をすることもありますがこれはリスクが高い手術となります。外科切除ができない場合は放射線治療が用いられます。また、腫瘍が小さければ内服薬でコルチゾール分泌を抑制することもあります。

副腎の腫瘍が原因の場合も、外科手術で腫瘍を切除することが推奨されます。できない場合は内服薬の投与となります。ホルモン薬の投与が原因であれば、原因となった服用薬を減量していく方法が主流です。

愛犬のクッシング症候群を疑ったらすぐ動物病院へ

犬 クッシング症候群

犬のクッシング症候群は、かかったからといってすぐに死んでしまう病気ではありません。しかし放置しておくと糖尿病や、血栓症、膵炎、感染症などの合併症にかかりやすくなってしまいます。もし愛犬に疑わしい症状が見られた時は、早めに動物病院を受診されることをおすすめします。
早期に見つけて治療を開始することで、健康な状態で長く生活が送れるようになります。

◎監修者プロフィール
阿片 俊介

阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師

茨城県出身。日本獣医生命科学大学を卒業し、認定動物看護師の資格を取得。千葉県の動物病院に勤務後、動物用医薬品販売代理店にて動物病院への営業を経験。犬とのより良い暮らしをサポートできるよう、飼い主の方の気持ちに寄り添いながら、安心して正しい情報をお伝えできるよう心がけています。

この記事をシェアする

知りたい情報を検索!