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健康管理 / 病気

2020.04.30

【獣医師監修】犬のアトピー性皮膚炎の原因は?こんな初期症状があったら注意!

愛犬がしきりに体を掻いたり舐めたりしている……。こんな様子が見られたら、もしかしたらアトピー性皮膚炎かもしれません。この記事では、犬のアトピー性皮膚炎の原因や初期症状、治療方法や予防方法までまとめてご紹介します。

Author :新井 絵美子/動物ライター(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬のアトピー性皮膚炎とは?

犬 アトピー性皮膚炎

犬のアトピー性皮膚炎は、アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)によって、体が過剰に免疫反応を示す病気です。ある季節にのみ症状が現れる季節性の場合と、1年中症状が出てしまう通年性とがあります。

人間のケースと同様、犬のアトピー性皮膚炎も完治は難しいため、継続的に治療をしてなるべく症状が出ないようにし、上手に付き合っていくことが重要です。

アトピー性皮膚炎の初期症状

アトピー性皮膚炎の初期症状は、しつこいかゆみです。症状が出やすい場所は、目や口の周り、耳、脇の下、お腹、足の指の間、後ろ足の付け根などです。かゆみがある場所をしきりに掻く、舐める、噛む、床に擦りつけるなどの行動が見られます。そして、患部をかきむしってしまうと、炎症や脱毛なども起きてしまいます。

他の犬や人にうつる?

他の犬や人にうつる皮膚疾患もありますが、アトピー性皮膚炎においては、その犬にとってのアレルゲンにより引き起こる病気なので、他の犬や人にうつりません。

犬のアトピー性皮膚炎の原因とは

犬 アトピー性皮膚炎

ここでは、アトピー性皮膚炎の原因について解説します。

ハウスダストやカビ、花粉などの環境的な要因

主にアトピー性皮膚炎は、ハウスダストやカビ、花粉などの環境的なことが原因で発症します。アトピー性皮膚炎になると皮膚のバリア機能が低下しているため、アレルゲンをはじめとした外部からの刺激が体内に入りやすくなり、免疫反応を起こしてしまうのです。

特定の食材が原因

特定の食材が原因で、アトピー性皮膚炎が起きる場合もあります。アレルゲンになりやすい代表的な食材としては、牛肉や鶏肉、小麦などの穀物などがあります。

かかりやすい犬種や年齢

アトピー性皮膚炎は遺伝的な素因が関与しており、かかりやすい代表的な犬種としては、以下が挙げられます。

・シーズー
・フレンチブルドッグ
・パグ
・柴犬
・プードル
・ダックスフンド
・ウエストハイランドホワイトテリア
・ゴールデンレトリーバー
・ラブラドールレトリーバー

主に6ヶ月~3歳頃の若年期に発症するケースが多い傾向にあります。

犬のアトピー性皮膚炎の治療方法

犬 アトピー性皮膚炎

皮膚のかゆみや炎症を抑えるために、ステロイドなどの飲み薬や塗り薬を用いて治療を継続していきます。また、それと平行して皮膚のバリア機能を高めるために、定期的に薬用シャンプーや保湿剤でスキンケアをしたり、皮膚疾患用に配合された栄養バランスの療法食を与えたりなどもしていきます。

シャンプーや保湿剤、療法食は必ず獣医師の指示に従い、愛犬の状態に合ったものを選ぶようにしましょう。

治療にかかる費用

ペット保険のトップシェアを誇る、アニコム損害保険株式会社の「家庭どうぶつ白書2019」によると、アトピー性皮膚炎における年間診療費は、123,723円とのことです(※1)。

年間診療費は、症状によっても異なりますが、アトピー性皮膚炎の治療は長期にわたることが多いので、それなりの費用がかかると言えるでしょう。

犬のアトピー性皮膚炎の予防方法

犬 アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の発症は体質が関与していることから、これをすれば絶対に防げるという決定的な予防方法はありません。発症を防ぐには、アレルゲンを減らすことが非常に重要です。掃除機がけを丁寧にする、布団やソファーのカバーを洗う、布団を天日干しその後掃除機でダニや死骸を取り除くなどを、こまめにするようにしましょう。

また、定期的にシャンプーをして、皮膚を清潔に保つことも予防になります。

再発する可能性

アトピー性皮膚炎は、症状がよくなったり悪化したりを繰り返し、慢性化しやすい病気です。そのため、生活環境からアレルゲンとなるもの減らすこと、療法食による食事療法、スキンケアなどにより皮膚バリア機能を強化することなど、再発のリスクを抑えることが非常に大切です。

犬のアトピー性皮膚炎の治療は気長に根気よくしていく!

犬 アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は慢性化しやすい病気ですが、生活環境からアレルゲンを取り除くと共に、皮膚のバリア機能が正常な状態に整えば、発症のリスクを抑えることができます。愛犬の症状が改善したと思ってもまた悪化し、一喜一憂することもあるかもしれませんが、かかりつけの獣医師に相談しながら、気長に根気よく治療をしていくことが重要です。

(参考文献)※1 アニコム損害保険株式会社 家庭どうぶつ白書2019

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

◎ライタープロフィール
新井 絵美子 動物ライター

新井 絵美子/動物ライター

2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。

  • 更新日:

    2020.04.30

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