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健康管理 / 病気

2020.04.30

【獣医師監修】犬のマラセチア皮膚炎ってどんな病気?治療法から予防法まで

マラセチアは犬の皮膚に存在する真菌で、過剰に増殖すると皮膚トラブルを招きます。犬にとって一般的な病気ではありますが、治療が長期にわたることも多いので早めに対処することが大切です。ここでは、犬のマラセチア皮膚炎の原因や治療法、予防法などについてご紹介します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬のマラセチア皮膚炎とは?

犬 マラセチア

マラセチアは酵母様の真菌の一種で、健常な犬の皮膚にも存在する「常在菌」です。マラセチアが過剰に増殖して、皮膚トラブルを引き起こすことをマラセチア皮膚炎と言います。

マラセチア皮膚炎の症状

マラセチア皮膚炎の症状には、皮膚炎のほか外耳炎もみられます。

皮膚炎

マラセチアは体表の皮脂を餌に増殖するため、皮脂が蓄積しやすい脇の下や指の間、目や口周りなどに炎症が見られ激しい痒みを伴います。症状が長期にわたると、皮膚が分厚くなったり黒くなり、脱毛することもあります。

外耳炎

こげ茶色の耳垢が増え、耳の後ろを頻繁に掻いたり、頭を降ったりするような仕草が見られます。重度の場合、痛みを伴い耳を触らせなくなったり、触ろうとするだけで威嚇したるすることもあります。

他の犬や人にうつる?

犬のマラセチアは常在菌であるため、他の犬や人にうつるということはありません。

犬のマラセチア皮膚炎の原因

犬 マラセチア

犬のマラセチア皮膚炎の原因や、かかりやすい犬種などについてご紹介します。

原因1|脂漏症

皮脂の分泌が過剰になったり、逆に脂が減ってしまうことで起こる慢性の病気です。多くは皮脂が異常に増え身体がベタつく「湿性脂漏症」であり、反対に皮膚が乾燥しかさかさとしたフケが出たり、毛づやが悪くなる場合を「乾性脂漏症」と言います。

原因2|アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、痒みや炎症を伴うアレルギー性の皮膚病です。特定の犬種に多く、皮膚のバリア機能が低下することが関係すると言われています。完治が困難な病気であるため、上手に付き合っていく必要があります。

かかりやすい犬種は?

脂漏症やアトピー性皮膚炎になりやすい犬種は、マラセチアが繁殖しやすい犬種と言えます。シーズーやウエストハイランドホワイトテリア、ラブラドールレトリバーは脂漏症になりやすく、柴犬やフレンチブルドッグ、レトリバー系の犬種などはアトピー性皮膚炎を起こしやすい犬種です。

犬のマラセチア皮膚炎の治療法

犬 マラセチア

マラセチア皮膚炎の原因となっている基礎疾患を治療します。
マラセチアに対する主な治療は、身体や耳を洗浄しマラセチアを物理的に除去することです。シャンプーはマラセチアに効果のある薬用シャンプーを使用しましょう。湿気が多いとマラセチアが繁殖しやすくなるので、皮膚を完全に乾かすことも大切です。

治療にかかる費用

マラセチアの原因などによって様々ですが、診察や検査、薬の処方など一回の治療で数千円かかります。自宅でケアする場合には、2,000~3,000円くらいの薬用シャンプーが処方されることもあります。治療が長期にわたりやすいため、費用はかさみやすいでしょう。

犬のマラセチア皮膚炎の予防

犬 マラセチア

マラセチアは皮脂を餌に繁殖するので、定期的にシャンプーをして皮膚を清潔に保ちましょう。また、皮膚のバリア機能を高めるために栄養バランスのとれた良質な食事を与えることも大切です。脂分が多いおやつは皮脂の分泌量を増やす原因になるので、極力与えないようにしましょう。

再発する可能性

マラセチア皮膚炎は再発しやすい病気であるため、炎症がおさまり痒がらなくなったからと治療をやめてしまうのではなく、獣医師の指示どおりに治療を受けることが大切です。

犬のマラセチア皮膚炎との向き合い方

犬 マラセチア

マラセチアは健康な皮膚にも存在する常在菌ではありますが、過剰に増殖すると皮膚に炎症を起こし、犬は痒みや痛みから非常にストレスを感じます。体質よっては予防が難しいかもしれませんが、日頃から犬の身体を清潔に保ち、バランスのとれた食餌を与えることが大切です。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

  • 更新日:

    2020.04.30

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