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健康管理 / 病気

2020.04.18

【専門家監修】愛犬の座り方がおかしい?実はそれ、重大な疾患が隠れているかも

犬の正常な「おすわり」の姿勢は、前足と後足が真っすぐ平行に揃い腰を下ろした姿勢です。リラックスしているときなどに足を崩し、横座りすることは問題ありませんが、子犬の頃からずっと正しいお座りの姿勢がとれなかったり、それまできちんと座れていた子が突然横座りするようになったり、何度も座りなおすような場合は病気のサインかもしれません。ここでは、犬の座り方がおかしいと感じられたときに考えられる代表的な2つの病気や対処法についてご紹介します。

Author :江野 友紀/認定動物看護士(監修:阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師)

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愛犬の座り方がおかしい?膝のお皿状の骨がずれる「膝蓋骨脱臼」かも

犬 座り方おかしい

膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼は小型犬に多く見られる膝の脱臼です。犬の膝の前面にあるお皿状の骨(膝蓋骨)は通常「滑車溝(かっしゃこう)」と呼ばれる溝にはまっていますが、この正常な位置から膝蓋骨が内側、もしくは外側に外れてしまうことで膝蓋骨脱臼の状態を引き起こします。
症状の程度などにより、サプリメントやレーザー治療などの内科的治療のほか、膝蓋骨を元の位置に戻す外科手術が選択されることもあります。

膝蓋骨脱臼のグレード

膝蓋骨脱臼は、症状や有無や脱臼の程度により4つのグレードに分類されます。

グレードⅠ

通常の生活ではほとんど無症状ですが、動物病院で触診したときに足を伸ばして膝蓋骨を指で押すと容易に脱臼します。指を離せば膝蓋骨は元の位置に戻ります。この段階では処置をせず経過観察になることが多いでしょう。

グレードⅡ

日常生活で屈伸すると、膝蓋骨が外れたり元の位置に戻ったりを繰り返します。脱臼しているときには足を伸ばしたまま膝を曲げられず、足を引きずるように歩きます。関節の軟骨が擦れ、痛みを感じる症状が現れます。

グレードⅢ

脱臼する頻度が高くなり、指で押し戻すことは可能ですが再脱臼します。骨の変形が顕著になり、足を引きずる程度もひどくなります。

グレードⅣ

常に膝蓋骨が外れた状態になり、指で押し戻すことが困難になります。外科手術以外に治す方法はありません。

愛犬の座り方がおかしい?股関節がゆるい「股関節形成不全」

犬 座り方おかしい

股関節形成不全は、ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーなどの大型犬に多く見られる、股関節に異常が起こる病気です。
骨盤の左右には「寛骨臼(かんこつきゅう)」という半円形の窪みがあり、そこに大腿骨の端の大腿骨頭(だいたいこつとう)という部分がきれいにはまることで股関節が滑らかに動いています。
しかし、寛骨臼や大腿骨頭が変形してしまった場合には関節にゆるみが生じ、骨同士が当たるなどして関節に炎症が起こります。

股関節形成不全の原因や症状は?

70%が遺伝によるものとも言われており、多くは生後4ヵ月頃から発症しますが、2~3才になってから症状が現れる場合もあります。横座りをしたりモンローウォークと呼ばれる腰を振って歩く特徴的な歩き方をするほか、立ち上がるのに時間がかかったり運動を嫌がるようになることもあります。

愛犬の座り方がおかしいときの対処法

犬 座り方おかしい

犬の座り方がおかしいと感じたときは、関節や骨の異常が疑われます。座り方の異常は、飼い主さんが適切に対処することで改善できる場合があります。そこで、飼い主さんが取れる対処法を見ていきましょう。

肥満であれば減量し、適正体重を維持する

肥満の犬は、重い身体を支えるために関節に大きな負担がかかります。
関節炎になると犬は非常に痛い思いをして動きたがらなくなるので、運動量が低下して更なる体重増加を招くという悪循環に陥ることがあります。急に運動でダイエットを始めると関節に負担がかかるので、まずは食餌やおやつを見直すところから始めましょう。

激しい運動を控える

関節や骨に異常があるときは、走らせたりドッグランで自由に遊ぶような激しい運動は控えましょう。
初期の膝蓋骨脱臼などでは、犬はほとんど痛みを感じずにジャンプしたり激しく動き回って症状を悪化させてしまうことがあります。飼い主さんが運動をセーブしてあげましょう。

足を滑らせないよう工夫する

フローリングなどで足を滑らせると、関節に負担がかかります。犬が生活するスペースの床にはカーペットやコルク板など滑りにくい床材を使用しましょう。足裏の毛や爪の伸びすぎも足を滑らせる要因になるので、こまめにお手入れすることが大切です。

愛犬の座り方がおかしいときは、病気のサインかも?

犬 座り方おかしい

愛犬が横座りしたり、足を投げ出したような座り方をしている姿は可愛らしくも見えますが、病気が隠れている可能性もあります。ここで取り上げた例以外にも、椎間板ヘルニアや異物を踏んで怪我をしたときなどにも座り方がおかしくなることがあるので、異常があれば早めに動物病院を受診しましょう。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野 友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

  • 更新日:

    2020.04.18

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