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健康管理 / 病気

2020.04.18

【獣医師監修】犬も胃腸炎になるの?症状や治療法、日ごろから予防する方法とは

胃腸炎というと、腹痛や嘔吐などを伴う症状が出て、とてもつらい思いをする病気というイメージがありますね。そんな胃腸炎は、実は犬の胃腸の病気の中では最も発症率が高いのです。今回は、胃腸炎が引き起る原因と症状、そして治療法をご紹介いたします。

Author :docdog編集部(監修:加藤 みゆき/獣医師)

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犬の胃腸炎とは|原因は何?

犬 胃腸炎

犬の場合でも人間と同様で、胃腸炎は「胃腸に炎症を引き起こす消化器の病気の総称」です。厳密には胃炎と腸炎があり、胃に炎症が生じた場合は「胃炎」となり主に嘔吐の症状が出ます。一方で、腸に炎症が生じた場合は「腸炎」となり主に下痢の症状が出ます。

その中でも「急性」と「慢性」に分けられ、一週間以上症状が続くものは「慢性」、それ以内で症状が治まるものは「急性」と呼ばれています。急性の場合は症状が激しくなる傾向があります。

胃腸炎になる原因は大きく2種類

原因によって、胃腸炎は大きく2種類に分類されます。まずは、種類ごとに胃腸炎の原因を見ていきましょう。

感染性の原因

ひとつめは、感染源となる病原体に感染することで胃腸炎を引き起こす、感染性の原因です。感染性の原因には、細菌とウイルスが挙げられます。
細菌としては、「サルモネラ」や「カンピロバクター」のような、犬の体外から侵入してきて腸の粘膜で悪さをするものがよく知られています。またウイルスとしては、「パルボウイルス」や「コロナウイルス」「ジステンパーウイルス」などの名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
細菌とウイルス以外にも、寄生虫が感染することで胃腸に炎症を起こすこともあります。

非感染性の原因

もうひとつは非感染性と言い、この中では異物誤飲が最も多い原因です。他にも、腐ったものや脂肪が多いものを食べた時、食べすぎや食べ慣れないものを食べた時、そしてストレスなど様々な原因が挙げられます。食べものアレルギーが原因なこともあれば、抗炎症剤などの薬剤が原因となることもあります。

犬の胃腸炎の症状とは

犬 胃腸炎

犬が感染性の胃腸炎になると、「嘔吐」や「しぶり(排泄したくても出ない)」そして「下痢」などの症状が主に出ます。「血便」や「粘液便」など便に異常が見られることもあるので、普段通り排泄できていたとしても便の様子がおかしくないか日ごろからチェックすることが大切です。また、下痢がひどいときは脱水症状を起こし、食欲がなくなったりぐったりとして元気がなくなることもあります。

ここで気を付けなければならないのは、嘔吐物や排泄物の取り扱いです。愛犬が感染性の胃腸炎だった場合、サルモネラやカンピロバクターなどの細菌はしばらく漂い家族に感染する可能性があるので、嘔吐や下痢を繰り返すときにはその処理に気を付けましょう。

こんな生活環境は注意が必要!

サルモネラの主な感染径路は、汚染した食品や水を口にすることによる経口感染です。卵が良く知られていますが、実はそれ以外にもお肉からの感染も考えられるので注意が必要です。
また、犬がカンピロバクターに感染しやすい条件に、劣悪な衛生状態や多頭飼育があげられます。カンピロバクターに感染した犬は、腸の中で毒素が出るので水のように緩かったり粘液性の下痢をすることがあります。
愛犬に与える食べものは鮮度を保ち、生活スペースは清潔に保つことはもちろん、免疫力が低下していると感染症にかかりやすいので、日ごろからの健康管理に努めることが大切ですね。

愛犬が胃腸炎に・・!その治療法とは

犬 胃腸炎

実際に愛犬が胃腸炎になってしまった場合、どのような治療をおこなうことになるのでしょうか。

急性胃腸炎の治療法

急性胃腸炎の場合は、その名のとおり急激に症状が進行するので、診断を待たずに対症療法をとることが治療の中心となります。もし異物を飲み込んでいる場合は、早急に異物を取り除く措置が取られます。
嘔吐や下痢が激しく脱水症状を起こしている場合には、水分を補うことを第一に行います。軽い脱水であれば皮膚の下に点滴する皮下補液をおこないますが、中~重度の脱水の場合は静脈点滴をおこないます。状況に応じて整腸剤などを使用することもあります。

胃腸炎を予防することはできる?

乳酸菌製剤の「ビオフェルミン」は腸内細菌のバランスを整える効果があります。また食物繊維などと一緒に摂取すると、腸内で発酵して腸の中が酸性化することで腸内の悪玉菌の増殖を抑制できるとされています。愛犬に繊維質の多いものとビオフェルミンをいっしょに与えることで、腸内環境が改善する効果が考えられますね。
このほかにも、フラクトオリゴ糖には腸内の善玉菌の増殖を促進させる効果があるので、こちらも腸内細菌のバランスを整えることが期待できます。

犬の胃腸炎|症状が出たら放っておかずに診察を!

犬 胃腸炎

犬が胃腸炎になる原因には色々ありますが、急性胃腸炎の場合はまず脱水状態から脱出して腸内環境を整えることが大切です。放置してしまうと最悪の場合、死に至ることもある病気なので、甘く見ずに愛犬の様子がおかしいなと思ったら、かかりつけの動物病院を受診するようにしましょう。

◎監修者プロフィール
加藤みゆき 獣医師

加藤みゆき/獣医師

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。
日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。

  • 更新日:

    2020.04.18

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