
黒と白のタキシードカラーがユニークなボストンテリアの、その美しい模様を隠してまで服を着せることに意味はあるのでしょうか。
ボストンテリアに限らず、犬に服を着せる理由のひとつには、人間の動物に対する意識の変化があります。
かつては、番犬や作業犬として外で暮らすのが主流でした。都市化が進み住環境が変化すると同時に、番犬や作業犬からペットとして犬と暮らす家庭が増えました。人と犬の距離が近くなることによって、犬を家族の一員だと考える意識が高まったのです。
犬が人間と同じ空間で快適に暮らし、人間社会で快適に過ごすために犬の服が一般化することになりました。
ボストンテリアに服を着せる目的にはいくつかの意味があります。
最近では犬も家族と一緒に入ることのできるお店やショッピングモールなどが増えてきています。人間と共に行動するときに、犬の抜け毛や臭いが気になりますね。
ボストンテリアは、艶のあるスムースコートと呼ばれる短毛を持っています。一見すると抜け毛が無いように見えますが、上毛と下毛のあるダブルコートの被毛構造をしています。そのため、実は抜け毛の多い犬種で、特に春と秋の換毛期には驚くほど抜け毛が出ます。ボストンテリアに服を着せる目的のひとつは、家や外出先での抜け毛対策のためだといえるでしょう。
ボストンテリアは短頭種で、パンティングによる体温調節がとても苦手です。夏の気温が高いときは、エアコンをつけていても熱中症になるケースもあります。夏の散歩は特に注意が必要で、クール素材の洋服や、水で濡らすことで涼しくなるべストなどで体温を下げさせる必要があります。
また、ボストンテリアは日本の乾燥した寒さが苦手です。極寒の冬には防寒着で寒さ対策をする必要があります。
ボストンテリアは、皮膚が弱く皮膚炎にかかりやすい犬種です。アレルギーを持っている場合もあり、アトピー性皮膚炎の子も珍しくありません。アトピー性皮膚炎は、アレルゲンを吸い込んだり、ノミやダニやハウスダウトなどが付着することによって発症します。
アレルゲンの吸い込みは防げませんが、服を着せることでダニやハウスダストなどの皮膚への付着を防ぐことはできます。人込みの中や野山などに出かけるときなどにも、服を着せてあげることで一定の予防策になりますね。
人と共に快適に暮らすためにも、ボストンテリアに服を着させる必要性はあるでしょう。ボストンテリアに合った服選びとはどのようなものでしょう。
短頭種でもテリアの血を引くボストンテリアは、スマートな体型をしています。大型のブルドッグのように服選びに困るということはありませんが、体格差のある犬種なのでサイズ合わせに困ることが多いようです。まずは正しいサイズの測り方を知っておきましょう。
1.胴回り:前足のつけ根から背中を回って胸の一番広いところまでの長さ
2.首回り:首輪の位置を1周した長さ
3.背丈:首のつけ根から尻尾のつけ根までの長さ
4.お腹側の着丈:腹側の首輪の位置から排泄で汚れない位置まで
5.ウエスト:後ろ足の付根から背中を回って胴の一番細いところ
ここでは、ボストンテリアにおすすめしたい服をご紹介します。
これを着ると体温が5℃下がるので、暑い季節の熱中症対策になります。
ちょっと小粋なTシャツは、季節を選ばず着ることができますね。
寒さに弱いボストンテリアにぴったりです。
犬の服も気に入ったものは案外値段が張るものが多いのでなかなか手が出ません。ネットには犬服の手作りサイトがたくさんあります。作り方も丁寧に書かれているので、愛犬のために手作りの服に挑戦してみませんか。
「簡単・可愛いお洋服を作ろう!~型紙なしで簡単リメイク!可愛い愛犬のお洋服の作り方~」
型紙もミシンも使わない、とっても簡単に犬服が作れます。これならぶきっちょさんでも、洋裁はまるでダメ!という人でもチャレンジしやすいですね。赤ちゃん用のTシャツを使うのでとっても簡単、そして何より可愛いです。
詳しくはこちら
「愛犬のための犬服型紙 手作り犬服の作り方・販売・ダウンロードのmilla milla」
ちょっと上級者さん向けの犬服の無料型紙サイトです。簡単なTシャツなどに慣れてきたら、次はここでお洒落な犬服に挑戦してみてください。読者のクオリティの高い作品を見ていると、きっと自分も作りたくなってきますよ。
詳しくはこちら
昔に比べると現在の住環境は大きく変わってきています。犬の生活もより人間に近くなり、家族と同じ空間で過ごすようになってきました。そのため昔の番犬などに比べると、今の室内犬は寒暖差に弱い犬が多くなっているそうです。短頭種のボストンテリアは、もともと体温調節が苦手なので、服で暑さ寒さを調節することは大切なことです。ボストンテリアの服を選ぶときは、その時々の用途にあったものを選んであげましょう。
泉 能子/愛犬家、ドッグライター
動物が大好きで、気づけば隣にはいつも愛犬がいて、愛犬とお互いに助けたり助けられたりの共同生活をしているドッグライターです。
今までにヨークシャーとスムースダックスを育てて看取り、今は保護犬の9歳になるブラックタンのダックスと暮らしています。
人と犬が楽しく幸せに暮らすために役立つ記事を発信していきます。