
コートのタイプや構造を理解しておくと、被毛のお手入れのポイントが分かりやすくなります。そこで、チワックスの被毛の特徴からご紹介します。
チワックスの被毛は、以下の3タイプがあります。
・スムースコート:毛が短く直毛で滑らかな被毛
・ロングコート:毛が長く柔らかな被毛
・ワイヤーコート:硬い毛質の被毛
耳や胸元、尻尾に飾り毛が生えているコもいます。
チワックスの被毛はダブルコートです。外部の刺激から皮膚を保護する役割の上毛と、体温調節の役割をする下毛が生えており、下毛は春と秋に生え変わります。この年2回の換毛期には、普段よりもたくさんの抜け毛が発生します。
チワックスの毛色は、以下のような種類があります。
・クリーム
・レッド
・フォーン
・ゴールド
・チョコレート
・シルバー
・ブラック
・ブラウン&タン
・ブラック&タン
・パーティーカラー
チワワもダックスフンドも毛色の種類が多いので、チワックスの毛色もバリエーション豊富です。
被毛のお手入れをすることで、美しい見た目になることはもちろん、皮膚疾患の予防にもなります。ここでは、チワックスの被毛のお手入れについて解説していきます。
犬は頻繁にシャンプーをすると、必要な皮脂までが取り除かれてしまい、皮膚が乾燥してトラブルを引き起こしやすくなってしまいます。チワックスは体臭が少ないので、シャンプーの頻度は月1回で大丈夫です。
シャンプーをする際は、犬用のシャンプーを使用するようにしましょう。犬の皮膚はとてもデリケートなので、人間用のシャンプーでは刺激が強すぎてしまい、皮膚の荒れなどを招くことがあるからです。そして、すすぎ残しがないよう、シャンプー液はしっかりと洗い流しましょう。
シャンプー後は、タオルで水分よくを拭き取ったら、自然乾燥にせずドライヤーで完全に体を乾かすことが肝心です。濡れたままにしていると体が冷えてしまいます。特に子犬や老犬は体調を崩しやすいので、生乾きにしないよう気を付けましょう。
ブラッシングは、できれば毎日するのが理想です。特にロングコートの場合は、毛がもつれやすいのでこまめにブラッシングをしてあげましょう。スムースコートにはピンブラシやラバーブラシが、ロングコートおよびワイヤーコートには、スリッカーブラシが向いています。
たくさんの毛が抜け落ちる換毛期は、抜け毛をそのままにしていると被毛の通気性が悪くなり、皮膚トラブルの原因になります。普段のときよりも丁寧にブラッシングをして、抜け毛を取り除いてあげましょう。
滑り止めの役割を果たす肉球に毛がかぶさってしまうと滑りやすくなるので、伸びすぎた足裏の毛はカットするようにしましょう。カットの際はペット用のバリカンを使用することをおすすめします。ペット用のバリカンは刃が細く、皮膚を傷つけないような設計になっているので安心と言えます。
チワックスの被毛は、どこまでも伸び続ける性質ではないので、トリミングをしなくてもよいのですが、ロングコートの場合は、汚れやすい肛門まわりの毛を定期的にカットしておくと、お手入れがしやすくなります。
部分カットは自宅でもできますが、カットの途中で犬が動いてうっかり皮膚を傷つけてしまう可能性もあるので、トリミングサロンでやってもらうことをおすすめします。
チワックスにはシャンプー+ブローの単体メニュー、もしくはシャンプーコースがおすすめです。シャンプーコースはシャンプーにプラスして、足裏や肛門まわりの毛のカット、耳掃除、爪切りなどがセットになっています。
トリミングサロンにお願いする頻度は、月に1回でよいでしょう。ほとんどのトリミングサロンでは、足裏や肛門まわりの毛の部分カットは、オプションメニューとなっているので、お願いする場合は、シャンプーをするタイミングでやってもらうとよいでしょう。
チワックスの料金は、チワワとミニチュアダックスフンドの料金を参考にするとよいでしょう。シャンプーコースの料金の目安は、3,000?5,000円ぐらいです。
換毛期においては、掃除をしたばかりなのにまた抜け毛が落ちている、という状況に悩まされることがよくあります。抜け毛が飛び散るのをなるべく防ぎたい場合は、犬服を着せるのも1つの方法です。体にフィットしたタイプの犬服を着せれば、床に毛が落ちにくくなります。
ブラッシングをせずに抜け毛を放置していると、毛が絡まって毛玉ができやすくなります。そのため、こまめにブラッシングをして、毛玉を防ぐようにしましょう。特にロングコートのコは注意が必要です。また、半乾きの状態も毛が絡まりやすいので、しっかりと乾かすようにしましょう。
チワックスの被毛は3種類ありますが、どのタイプもシャンプーやブラッシングの頻度は同じです。ロングコートにおいては、お手入れをしやすくするために、汚れやすい肛門まわりの毛を定期的にカットしておくことをおすすめします。被毛を清潔に保ってあげてくださいね。
新井 絵美子/動物ライター
2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。