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犬種図鑑

2020.04.10

犬と過ごす幸せな時間

ラポニアン・ハーダーの全て|歴史・特徴・性格・飼い方のコツまで【犬種図鑑】

ラポニアン・ハーダーという名前の犬種がいることをご存知でしょうか?おそらく日本では見かけることがない知る人ぞ知る希少犬種です。サンタクロースが住んでいると言われているフィンランドの最北端ラップランドで活躍するラポニアン・ハーダーは、北欧でも登録頭数が少ない『トナカイ犬』です。今回は、そんなラポニアン・ハーダーの誕生の歴史、特徴や性格についてご紹介します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

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ラポニアン・ハーダーの歴史

ラポニアン・ハーダー?

ラップランドのトナカイ犬の意味があるラピンポロコイラとも呼ばれるラポニアン・ハーダーは、フィンランド原産の犬種で、先史時代からスカンジナビア半島北部に生息してきた犬であると考えられています。かつてスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ロシアの4カ国がまたがるラップランド地域に住んでいたサミー人が古代犬種を改良し、作出した3犬種のうちの一犬種がラポニアン・ハーダーなのではないかと言われています。

犬種名にあるハーダーとはハーディングの意味で、トナカイの群れを管理することを使役としていました。その当時、固定された外観を持たなかったラポニアン・ハーダーですが、第二次世界大戦によって原型となる犬は残念ながらほとんど絶滅してしまっています。

フィンランドのブリーダーによって復活したラポニアン・ハーダー

1950年代から1960年代にかけて、ラポニアン・ハーダーを復活させようと考えたフィンランドのブリーダーによって、さまざまなスピッツタイプの古代犬が集められ、育種が行われました。その結果3種類のトナカイを守る牧畜犬が誕生しました。この時に誕生したラポニアン・ハーダーとフィニッシュ・ラップフンドは、外観が似ていることから同じ犬種とみなされていましたが、1966年フィンランドのケンネルクラブによってコートの長さなどの品種特性が確認され、2種類の犬種は別犬種として認められることとなりました。ラポニアン・ハーダーは、1997年に新しい犬種としての定義が承認されています。

犬種グループ

牧畜犬であるラポニアン・ハーダーは、JKCでは「原始的な犬、スピッツ」グループに分類されていますが、UKCではハーディンググループに属しています。また、AKCでは希少犬種の純血種を守るために行なわれている記録管理サービス(Foundation StockService)に、ラポニアン・ハーダーを登録し、種の保存を行っています。

ラポニアン・ハーダーの性格

ラポニアン・ハーダー?

ラポニアン・ハーダーは、従順で、知能が高く、おとなしい性格であることから、子供とも仲良くできる犬種です。また、スピッツタイプの血を受け継いでいることから、吠えながら作業をすることもラポニアン・ハーダーの特徴の一つです。

しつけ

飼い主の指示に従って作業をすることが得意なラポニアン・ハーダーですが、見知らぬ人や犬には警戒心を持つため、子犬期からの社会化は必須です。また、番犬としての能力を最大限に伸ばして育種されてきたことから、家族を守ろうとする意識や群れ意識が強いことも特徴です。攻撃性はありませんが、吠えかかってしまうことがあるため、しっかりとしたしつけが必要となります。

ラポニアン・ハーダーの体重・平均寿命は?

ラポニアン・ハーダー?

北極圏といった極寒の気候で古くから活躍してきたラポニアン・ハーダーは、現代の犬に多い遺伝疾患とは縁がない健康な犬種です。ただし、運動能力や作業欲が高いため、室内で何もしないで過ごすことは大きなストレスとなります。ストレスのない健康的な生活環境を整えるためにも、適正体重、運動量を理解しておくことが大切です。

適正体重

ラポニアン・ハーダーは、スピッツタイプの中型の犬種です。適正体重は約27~30kgで、体高はオスが51cm、メスでは46cm(上下3cmまでは許容される)がスタンダードとされています。

運動量

牧畜犬として活躍しているラポニアン・ハーダーは運動量の多い犬種です。運動不足は大きなストレスとなるため、毎日2回、30分以上の自由に走れる運動または定期的にランニングやハイキングなどの運動でストレスを発散させることが必要です。また、高い知能を十分に生かせるアジリティやノーズワークなどのドッグスポーツ、フライボール、ディスクドッグなどを一緒に楽しむことがおすすめです。

平均寿命

前述のように、遺伝疾患や特定疾患のないラポニアン・ハーダーは、古代より適切に健康管理が行われてきた犬種であると推測されています。平均寿命は12~14年とされていますが、ストレスのない環境や室温管理を適切に行い、消費カロリーに見合った適量の食事を与えることで、より健康に長生きしてくれます。

ラポニアン・ハーダーの被毛の特徴

ラポニアン・ハーダー?

極寒の地で暮らしてきたラポニアン・ハーダーは、寒さから体を守るための厚いダブルコートの被毛が特徴です。ラポニアン・ハーダーは、極寒地の作業犬であるため、冷えや濡れから体を守り保温を高める役割を持つアンダーコートが厚く、中程度の長さのブラック&グレー、または茶色のオーバーコートに白いマーキングが特徴です。

お手入れ方法

厚いダブルコートで覆われているラポニアン・ハーダーは、年に2回の換毛期以外にも抜け毛が多い犬種です。そのため春と秋の換毛期には、朝晩の丁寧なブラッシングで抜け毛を取り除くことが必要です。また、室内飼育の場合は定期的なブラッシングで不要な毛を取り除くことで、抜け毛が散らばることを防げる上、健康な皮膚と被毛を保つことができます。

希少犬種ラポニアン・ハーダーを守ろう

ラポニアン・ハーダー?

トナカイの番犬として古代より大切に飼育されてきたラポニアン・ハーダー。育種には、スピッツやシェパードが加えられたとされていますが、その生い立ちははっきりと解明されていません。知能が高く、運動能力が高いことが最大の特徴であるラポニアン・ハーダーは、とても従順な性格ですが、古代から受け継がれてきた「犬らしさ」も持ち合わせている犬種です。そのため、愛玩犬やレトリバーといった人間と共生していくことを目的として作出された犬種とは、しつけ方法や接し方が異なります。ラポニアン・ハーダーを迎えたいと考えている場合は、この犬種に対しての深い知識はもちろんのこと、生活環境や運動欲求に対しても応えられるだけの準備が必要となることを十分に理解しておきましょう。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

  • 更新日:

    2020.04.10

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