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犬種図鑑

2020.04.09

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの全て|歴史・特徴・性格・飼い方のコツまで【犬種図鑑】

日本でもよく見かけるようになった真っ白なシェパード。実は、この白いシェパードには、3種類のタイプがあることをご存知ですか?一見すると、全て同じ犬種に見えてしまう白いシェパードですが、3犬種それぞれにその成り立ちの理由があります。今回は、白いシェパードの中でも人気の高いホワイト・スイス・シェパード・ドッグの歴史や特徴、性格、飼い方のコツについて解説します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

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ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの歴史

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグは、ヨーロッパでは「ベルガー・ブラン・スイス(Berger Blanc Suisse)」とフランス語で呼ばれているスイス原産の犬種です。見た目には白いシェパードですが、ホワイトジャーマンシェパード・ホワイトシェパードとは、異なる犬種として登録されています。なぜ、この3犬種が異なる犬種となったのか、歴史を紐解いてみると、そこには複雑なジャーマン・シェパード・ドッグの歴史を垣間見ることができます。

白い毛色のジャーマン・シェパード・ドッグ

警察犬・軍用犬として世界で最も有名な犬種ジャーマン・シェパード・ドッグ。19世紀末、ドイツの将校が賢く性格が良い理想的な牧羊犬を求め、ドイツの各地から集めた牧羊犬を交配し、作出したのがジャーマン・シェパード・ドッグです。この時に集めた牧羊犬の中には真っ白な毛色の犬が含まれていたことから、バイカラーだけではなく真っ白な毛色の子犬も生まれました。

残念ながら、当時のドイツでは白い毛色のジャーマン・シェパード・ドッグは番犬には適さないと考えられ、ジャーマン・シェパード・ドッグの品種基準から白い毛色は除外されてしまったのです。このためヨーロッパでは絶滅が危惧されました。その後さらに、アメリカでも白い毛色のジャーマン・シェパード・ドッグは、AKCの品種基準から除外されてしまっています。

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの誕生

北米で白い毛色の犬が好きな愛好家から人気を集めた白い毛色のジャーマン・シェパード・ドッグは、ジャーマン・シェパード・ドッグとは別の犬種ホワイト・シェパード・ドッグとして繁殖・保護活動が行われ、1969年にホワイト・シェパード・ドッグ・クラブ・オブ・アメリカが設立されました。1970年代になると、アメリカからヨーロッパにホワイト・シェパード・ドッグが逆輸入され、特に、スイスで人気が高まったことを背景に、犬種として認められ、続いてオランダ、デンマーク、チェコでホワイト・シェパード・ドッグが犬種として認められていきました。

スイスでは、ホワイト・シェパード・ドッグを基礎犬として、より穏やかで股関節の角度が高い犬をホワイト・スイス・シェパード・ドッグとして作出。2002年にFCIに公認され、2011年に正式に犬種登録されました。なお、ホワイト・スイス・シェパード・ドッグは現在でもAKC、UKCでは犬種として公認されていません。AKCでは、ジャーマン・シェパード・ドッグの白い毛色は認められていますが、ドッグショーへの出場は認められていません。

犬種グループ

警察犬として世界中に知られているジャーマン・シェパード・ドッグですが、もともとはシープドッグとして作出された犬種です。そのため、ジャーマン・シェパード・ドッグを祖先に持つホワイト・スイス・シェパード・ドッグも牧羊犬・牧畜犬グループに属しているシープドッグとなるのです。

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの性格

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ

ジャーマン・シェパード・ドッグの血を受け継ぐホワイト・スイス・シェパード・ドッグは、飼い主に忠実で知的、また好奇心が強い性格が特徴です。落ち着きがある優しい性格ですが、見知らぬ人に対しては警戒心が強い面があります。ジャーマン・シェパード・ドッグのような攻撃性はありませんが、多少神経質なところがあることも特徴の一つです。

向いているしつけの方法

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグは、ジャーマン・シェパード・ドッグと同じように訓練性が高い賢い犬種です。ただし、非常に賢い犬種であるため、子犬の頃から飼い主がリーダーシップを発揮し、しっかりとしたしつけを行うことがポイントです。また、臆病な面もあるホワイト・スイス・シェパード・ドッグは体が大きく機敏なため、しつけがきちんとされていないと万が一の事故につながる可能性もあるため注意が必要です。

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの体重や寿命は?

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ

欧米では中型犬に分類されているホワイト・スイス・シェパード・ドッグですが、日本では大型犬に分類されています。賢く優しいホワイト・スイス・シェパード・ドッグですが、神経質な面があるため、ストレスのかからない生活環境を整えてあげることで、健康寿命を延ばすことができます。

適正体重

ジャーマン・シェパード・ドッグに比べて大きく見えるホワイト・スイス・シェパード・ドッグですが、JKCの基準では体重はオスが約30~40kg、メスでは約25~35kgで、体高はオスが58~66cm、メスは53~61cmがスタンダードとされ、サイズとしては、ジャーマン・シェパード・ドッグとほぼ同じです。

運動量

牧羊犬として作出されたホワイト・スイス・シェパード・ドッグは、エネルギーが高く多くの運動量を必要とする犬種です。1日2回、1時間程度の散歩の他に、定期的にドッグランなどで自由運動をさせてあげることが必要です。明るく活発な性格で飼い主と一緒に何かをすることが好きなため、ボールやフリスビーのもってこい遊び、アジリティやハイキング、ランニングなどの運動の他に、嗅覚を使ったドッグスポーツであるノーズワークなどが向いています。ただし、遺伝的に関節や脊椎の病気を発症することがあるので注意が必要です。

平均寿命

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの平均寿命は14歳と大型犬の中では長寿です。比較的健康ですが、下痢をしやすい体質だとされているため食べるものには注意が必要です。特に一人にされることが苦手な寂しがり屋のため、ストレスから下痢を起こすことも。長時間の留守番などは、極力避けることがおすすめです。また、特定の薬物に対して神経的な毒性が現れることがあるため、健康で長生きのためには薬を飲ませる時には細心の注意を払いましょう。

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグの被毛の特徴

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ

真っ白な美しい毛並みが魅力のホワイト・スイス・シェパード・ドッグ。ストレートな中程度の長さの被毛は、寒さにも対応できるダブルコートが特徴です。

お手入れ方法

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグは、白い被毛ながら汚れがつきにくい毛質のため、頻繁にシャンプーをする必要はありません。またトリミング犬種でもないため、日常のこまめなブラッシングで美しい被毛をキープすることができます。春と秋の換毛期には多くの抜け毛が出るため、1日に数回程度ブラッシングをして、抜け毛を取り除いてあげましょう。

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグは知性が高く一緒にスポーツを楽しめる活発な犬種

ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ

真っ白で凛とした立ち姿が美しいホワイト・スイス・シェパード・ドッグは、人気急上昇中の犬種です。そんなホワイト・スイス・シェパード・ドッグとジャーマン・シェパード・ドッグとの大きな違いは股関節の角度。腰を低く落とした立ち姿が特徴のジャーマン・シェパード・ドッグに対して、ホワイト・スイス・シェパード・ドッグは、股関節の角度をより直立させて腰の位置を高く保てる体型に改良されているのです。そのため、ホワイト・スイス・シェパード・ドッグはジャーマン・シェパード・ドッグより大きく見えますが、基本的な体型のサイズはほぼ同じです。

また性格もジャーマン・シェパード・ドッグから受け継いでいる面が多いため、穏やかであるとは言ってもきちんとしたしつけが必要です。しっかりとしたしつけをすることで、最良のパートナーとなる犬種なので、ぜひ性格をよく理解して最高のパートナードッグに育ててくださいね。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

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