magazine

お知らせ / 特集

2020.04.08

連載|『てんかんをもつ動物とその家族を、ひとりぼっちにしない』|前編

【獣医師監修】『犬と猫のてんかん読本』を知ってる?専門家による犬猫てんかん入門書

「てんかん」は、けいれんなどの発作を繰り返し起こす脳疾患です。病気の存在をご存知だとしても、”もし自分の愛犬がてんかんを発症したら”と想定してみたことがある方は少ないのではないでしょうか。てんかんは私たち人間に限った病気ではなく、犬や猫においても人間と同程度の発症率がある病気です。
今回は、専門医によって執筆された『犬と猫のてんかん読本』を実際に読んでみた感想と、その内容を飼い主さん向けに抜粋して紹介していきます。
読本は、記事の末尾のリンクから全編を無料でダウンロードが可能です。

Author :中野 由美子/docdog プロデューサー 兼 日本犬担当編集者(監修:石田 哲太郎/獣医師、動物予防医療普及協会 代表理事)

この記事をシェアする

『犬と猫のてんかん読本』を実際に読んで

犬 てんかん

3月26日の「アニマルパープルデー(動物のてんかんの啓蒙をおこなう日)」に合わせて、アニマルパープルデー特設サイトで無料公開された『犬と猫のてんかん読本』をダウンロードしてみて最初の印象は「内容が濃い!」でした。

長い、でも詳細で網羅的

なんと全88ページにもおよぶ読本は、まさに犬と猫のてんかんに関する教科書。それもそのはず、対象の読者は一般の飼い主さんだけではなく動物医療に従事する看護師さんや獣医師さんも想定しているとのことです。

しかし、専門用語に対する解説は親切で、てんかんを発症した場合に飼い主としてどのように行動すべきか、どんな検査を経て診断されるのか、どんな治療法があるのか、発作とどう向き合っていくべきかなど、飼い主に向けた具体的な行動とともに紹介されていくので、読み進めるにつれてんかんを自分ごと化できます。

犬と猫のてんかんに関する網羅的な内容で構成されているので、疾患の概要を勉強したい方はもちろんのこと、犬や猫と暮らす全ての飼い主さんに読んでもらいたい犬猫てんかんの入門編だと言えます。動物と暮らすご家庭には一家に一冊置いていただきたい、充実の内容です。

『犬と猫のてんかん読本』概要と大切なメッセージ

犬 てんかん

『犬と猫のてんかん読本』は全5章で構成されています。目次は、前編『【獣医師監修】動物のてんかんの啓蒙をおこなう日|アニマルパープルデーを知ってる?』で紹介の通りです。
ここでは、一般の飼い主さんに向けて、読本の概要と大切なポイントをご紹介します。

読本の概要

読本は、犬と猫のてんかん発作の定義から始まります。まずは、てんかん発作とそれ以外の発作の違いを知る必要があるからでしょう。
その後、”愛犬がてんかんらしき発作を起こした!”そんな時に飼い主が取るべき行動を解説し、病院ではどんな検査がおこなわれるのか詳細に紹介されます。診断方法の部分はかなり専門的な内容ですが、どこまでがかかりつけの動物病院で検査可能で、詳細な検査をする場合は大きい病院を紹介してもらう必要があるなどといった心づもりができるでしょう。

後半は、てんかん治療の具体的な方法に触れながら治療を施す意義が分かりやすく解説されます。最後に、もし愛犬がてんかんを発症した場合、飼い主や周りの方々がどのように行動すべきか「発作を起こすことが分かる時」「発作を起こした時」「発作が終わったら」など場合分けして具体的に解説されます。

大切なことは2つ

犬 てんかん

とても網羅的で詳細な読本ですが、ひとりの飼い主として大切なことは2つあると思いながら読みました。

1. てんかん発作に遭遇しても慌てない・触らない

てんかんは人間でいうと100人に1人が持つとされる疾患ですが、実は犬や猫においても発症率は変わりません。つまり、身近にてんかんを持つ人や犬がいてもおかしくないというのが事実です。
そんな中、飼い主として正しいてんかん発作に対する対処法を知っておくことは、いつか愛犬以外のてんかん発作に遭遇したときに、冷静に飼い主さんの補助ができることに繋がります。犬のてんかん発作中にもっともやってはいけないことは、慌てて犬に近づいて手を差し伸べることです。その一方で、身体の周りにクッションなどを置いて、頭や身体をぶつけても痛くないようにする行動は必要です。
知っておけば防げる怪我や混乱があるということを、読本の最後で学ぶことができました。

2. 愛犬がてんかんになっても滅入ることはない

てんかんは動物にとっても珍しくない病気ではあるものの、周りに打ち明けられない悩みを抱えている飼い主さんが一定数いらっしゃるのではないかと思います。
しかし、その治療法や治療の目標、そして飼い主として日々できることを考えていくと、正しく発作をコントロールすることでてんかんを持っていない子たちとなんら変わらない寿命を遂げることができることが分かります。
愛犬の病気と正しく向き合うことは、愛犬だけでなくその家族を支えることにも繋がるということを学ぶことができたのが、筆者としては大きな心の救いになりました。

犬のてんかん|大切なのは飼い主一人ひとりが興味を持つこと

犬 てんかん

今回は、3月26日の「アニマルパープルデー(動物のてんかんの啓蒙をおこなう日)」をきっかけに公開された『犬と猫のてんかん読本』をご紹介しました。
大切なのは、愛犬のことを想う飼い主さんたちご本人が、一人ひとり興味を持って知識をつけ正しく行動することではないでしょうか。そのためには、『犬と猫のてんかん読本』を一読したうえで、家族みんながいつでも手に取れる場所に保管しておくことをおすすめいたします。

『犬と猫のてんかん読本』の無料ダウンロードはこちら

docdogではアニマルパープルデーの活動を応援しています

アニマルパープルデー

『愛犬と"ふたり"でつくるヘルシーライフ』をコンセプトに情報配信をおこなうdocdog(ドックドッグ)では、飼い主が知ることで取れる行動が増える犬の疾患「てんかん」の啓蒙をおこなうアニマルパープルデーを応援しています。
今回の記事は、獣医師であり一般社団法人動物予防医療普及協会代表理事の石田先生の監修をもとに執筆いたしました。

一般社団法人動物予防医療普及協会

『飼い主様が知ることで、行動することで防ぐことができるペットの病気や怪我があります』というメッセージをさまざまな予防の情報とともに発信している、獣医師が中心となって設立された協会です。
アニマルパープルデーの公式後援団体でもあります。

協会の公式サイトは、こちら
協会の公式Facebookページは、こちら

◎監修者プロフィール
石田哲太郎

石田 哲太郎/獣医師、動物予防医療普及協会 代表理事

地域密着型中核病院、夜間専門病院での経験を経て、ホームドクター型、広域対象2次診療施設型、海外での日系動物病院と3タイプの動物病院スタートアップを実施。
現在は今までのさまざまな経験や人との繋がりを活かし、多方面でプロジェクトに参加(イベント運営や上海での事業など)『急激な時代の変化の波に乗るべく情報収集・とにかく行動』をモットーに活動中です。

◎ライタープロフィール
docdog 中野由美子

中野 由美子/docdog プロデューサー 兼 日本犬担当編集者

幼少期に出会った犬種図鑑をきっかけに「犬と人間の共存」に興味を持つ。化粧品会社に就職後「本当の美しさとは何か」を考える中で、「異なる種類のいきものが共存する姿」がいきものの美しさの根源だと考えるように。現在はdocdogで活動しながら、ながく歴史を分かつ犬と人間の双方にとって幸せな共存の在り方を模索中です。

  • 公開日:

    2020.04.04

  • 更新日:

    2020.04.08

この記事をシェアする