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犬にまつわる雑学

2020.03.08

ハリウッドスター「名犬リンティンティン」はどんな一生を送った?誕生からの歴史

皆さんは、映画「名犬リンティンティン」をご存知ですか?昭和を代表する俳優犬を問われれば、「ラッシー」と「リンティンティン」の名前を挙げる方が多いでしょう。中でもリンティンティンは、世界的に見ても、また日本においても俳優犬の先駆けとなった映画なのです。今回は、そんなハリウッドスターでもあった名犬リンティンティンについてご紹介します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

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名犬リンティンティンとは

名犬リンティンティン

「リンティンティン」とは、1920年代を中心に映画スターとして世界的に活躍した雄のジャーマン・シェパードの名前です。その名前は、初代が亡くなったあとも、何代にもわたって引き継がれて使用されました。
1918年生まれの初代リンティンティンの出所は、ドイツの軍用犬でした。第一次世界大戦のときにアメリカ軍のリー・ダンカンという伍長が、フランスの小さな村にあるドイツ軍の犬舎で母犬と子犬5匹を見つけて救出します。そのうちオス、メス各1匹ずつを彼が引き取りました。メスにはナネット、そしてオスには後に大スターとなるリンティンティンと名付けたのです。

ハリウッドデビューした軍用犬

1919年に戦争が終わると、ダンカンは2匹の犬といっしょにアメリカへ帰国します。その後ナネットは亡くなってしまいましたが、ダンカンはリンティンティンを訓練し、見事に映画の仕事を獲得!
映画はすぐに大ヒットし、この成功によってリンティンティンはハリウッドのスター犬となり、その名は瞬く間に世界に知られるようになりました。また、この成功は当時困窮していた映画会社ワーナーブラザースの再建にも大きく貢献したという逸話も残しています。

初代リンティンティンの一生

名犬リンティンティン

ダンカンは1922年にリンティンティンの血統を元にしたブリーダーを始め、ドッグショーなどに出場しているうちにリンティンティンの高い能力に気づき、俳優犬を目指すようになります。当時同じジャーマン・シェパードの人気俳優犬がすでに存在しており、このことも影響していると言われています。

アカデミー賞にノミネートされた唯一の犬

1年ほどの下積みののち、1923年ついに主役を獲得したリンティンティン。映画のタイトルは「Where the North Begins」。この映画は商業的に大成功を収め、リンティンティンは一気にスターダムに駆け上りました。
その人気はすさまじく、1929年には何とアカデミー賞の最優秀男優賞にノミネートされたほどです。受賞者は人間の俳優に限るという運営側の方針から受賞とはなりませんでしたが、当時の人気振りが伺えるエピソードです。
大スターとなったリンティンティンでしたが、1932年8月10日にダンカンの家で永眠しました。新聞や雑誌には彼の死亡記事が溢れ、ラジオでは臨時ニュースが流れたと言われています。遺体は生まれ故郷であるフランス郊外に埋葬されました。

リンティンティン以前にいた!元祖俳優犬

名犬リンティンティン

飼い主のダンカンにも刺激を与え、リンティンティンを俳優犬にするきっかけとなった犬がいます。それが俳優犬の先駆けとなったストロングハートという犬です。りんティンティンもストロングハートも、犬種はいずれもジャーマン・シェパードでした。彼らの活躍が、ペットとしてのジャーマン・シェパードの人気を大きく高めました。
とても賢く飼い主に対しても忠実なジャーマン・シェパードは、警察犬や災害救助犬などの使役犬の犬種に多いことは日本でも一般的です。元は牧羊犬ですが、優秀な軍用犬を作り出す目的で19世紀末にドイツで生まれた犬種で、第一次世界大戦のときにドイツ軍の軍用犬として活躍しました。その優秀さに惹かれたイギリス軍やアメリカ軍の多くの兵士たちが母国に連れて帰りました。ストロングハートもリンティンティンもその一例です。そして2頭のジャーマン・シェパードは、俳優という使役ジャンルを確立したのです。

TV時代到来、リンティンティンはアメリカから日本へ

名犬リンティンティン

時代は第二次世界大戦を経てテレビの時代を迎えるに至り、リンティンティンは、今度は直接番組名に自身の名を冠したアメリカABCのTVドラマシリーズ「The Adventures of Rin Tin Tin(1954~1959年/全164回)」として帰ってきます。

どんなドラマシリーズ?

このTVシリーズは、子供向けの西部劇ドラマでした。
舞台は1880年代のカリフォルニア。少年ラスティー君は乗っていた幌馬車隊がアパッチに襲撃され、両親を殺されてしまいます。彼と愛犬のリンティンティンは騎兵隊に救出され、その中尉に引き取られて暮らすことになりますが・・。
その後、インディアンの襲撃や勇壮果敢な騎兵隊の突撃など色んな事件が起こり、その中でリンチンチンは人間顔負けの大活躍を見せます。
大人気となり、アメリカではケーブルテレビで現在でも繰り返し放送されています。

2年遅れで日本に上陸

この長期シリーズには、2代目、4代目のリンティンティンをはじめ、5頭のジャーマン・シェパードが出演しており、そのうち4頭はダンカンの犬でした。
そして、アメリカから2年遅れてテレビ創成期を迎えた日本に上陸。邦題は『名犬リンチンチン』1956年11月12日から1960年12月27日にかけて、5シーズンに分かれながらも全164話すべてが日本テレビ系列で放映され、その後も他局でも再放送された大人気シリーズとなったのです。

今も続くリンティンティンのストーリー

名犬リンティンティン

リンティンティンの血統は今でも連綿と続いています。
彼は一説に48匹の子孫を残していると言われ、少なくともテキサスの女性に譲渡された一頭の血統が維持されました。現在でもリンティンティン12世がイベントなどに登場することもあるようです。
ハリウッドの「ウォーク・オブ・フェーム」には3頭の犬の足跡が残されています。ストロングハート、ラッシー、そしてリンティンティンです。彼はまさに永遠のハリウッド・ドッグスターなのです。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

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