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犬の生態 / 気持ち

2020.03.11

犬の10のポーズの意味とは?愛犬の気持ちが分かる飼い主になるために

犬は、見ていて和んでしまうものから警戒させるものまで、実にさまざまな魅力的なポーズを見せてくれます。また、ポーズは犬の気持ちを如実に反映したボディランゲージでもあります。今回はそんな犬の代表的な10種類のポーズの意味やその時の気持ちをご紹介していきます。愛犬の気持ちが分かる飼い主さんに一歩近づくために見ていきましょう。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

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犬同士の会話としてのポーズ

犬 ポーズ

言葉が話せない犬は、ポーズをとって自分の気持ちを相手に伝えようとします。そんな犬同士の会話をカーミングシグナルと呼びます。ここでは、主にカーミングシグナルと犬がとるポーズをご紹介します。

1.仁王立ちする

犬がする仁王立ちは二足立ちではありません、首やしっぽを高く上げ、胸を張って四本の足で大きく立ち、微動だにしないポーズです。耳は立てて前を向き、鼻をひくつかせることが多く、警戒しながらの情報収集で、見晴しのよい高台などでよく見られますが、街中で他の犬に出会ったときにも見られます。このとき背中の毛が逆立ったり、相手の目をじっと見ているようなら、攻撃モードに入りはじめているので、すぐにその場を離れましょう。なお、眉間にしわを寄せ、唇を引き上げて歯を見せ、低い声で唸るようなら完全に攻撃モードであると言えます。

2.しっぽを丸める

しっぽを丸めるというのは、巻き尾タイプの犬がしっぽを高く上げて丸めるのではなく、下げて丸めるというポーズです。相手に対したとき、耳が倒れ、しっぽがさがり、時には股間に巻き込まれているならば、その犬は恐怖と防御の状態です。まだそれほど強く感じていないときは、身体の側面を見せ、目線をそらして敵意がないことをアピールします。

3.あくびをする

あくびも犬らしいポーズのひとつです。もちろん眠いときのあくびもありますが、それよりも緊張とストレスを緩和するためのカーミングシグナルとして行われるケースがたくさん見られます。また、相手に敵意がないことを示す際にも行います。なおユニークな例としては、飼い主の真似をして犬があくびをしたり、逆に飼い主が愛犬につられてあくびもあります。

飼い主に対して気持ちを伝える犬のポーズ

犬 ポーズ

犬は、さまざまなポーズをとって自分の気持ちを飼い主に伝えようとします。犬がとるポーズにどのような意味があるのかが分かっていれば、今の犬の気持ちをすばやく理解してあげることができます。

4.首をかしげる

犬はときどき首を左右にかしげます。キョトンとした表情にも見えますし、ハテナマークが頭の上に浮かんでいるように感じることもあります。このポーズをとる理由は、気になる音や聞いたことがない音、飼い主の言葉などを聞き取ろうとしているから。犬の可聴音域は人より広く、遠くの音も聞き取ることが可能です。首をかしげることで耳の角度や位置を調整して集中し、気になる音や言葉をより正確に把握するためなのです。ただし、例外として、首をかしげると飼い主が喜ぶことを学習した場合、喜ぶ顔が見たくてくせになっている犬もいます。

5.前足で手招きする

まねき猫のように前足で手招きするようなポーズで、これもかわいいポーズのひとつです。よく見かけるのは甘えていたり、おやつをもらったりしているときに、“もっともっと”と要求するとき。前足は不満の表現で使われる場合があると言われているので、当然の行動と言えます。ヤキモチを妬いたときなどにも見られ、その場合はもっとこちらに注目してという意思表示のポーズなのです。

6.仰向けになってお腹を見せる

犬のかわいいポーズは?と聞かれたら、ゴロンと仰向けになって、おなかを見せるポーズを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。あのあられもない姿は人の気持ちを和ませてくれます。このポーズの意味は、ごめんなさいや参りましたなどの服従の気持ち、争いたくないや仲良くしたいなどの回避の気持ち、お腹を触ってや撫でてなどの甘え気持ちのあらわれです。

7.おなかを見せて寝る

仰向けになってお腹を見せるポーズの延長線にあるのがおなかを見せて寝るポーズ。お腹を見せながら、最も無防備な状態で寝るというのは、相手に対して安心と信頼を寄せ、さらに環境としてもリラックスできる状態でなければ、決して見せないポーズです。まさに至福の時を過ごしていると言っていいでしょう。

8.伸びをする

人のように犬も寝起きや同じ体勢が続いたときなどに、萎縮した身体を伸ばすために伸びをします。前脚を出してお尻としっぽを上げ、思いきり伸びている愛犬のポーズは、こちらにもその気持ちよさがわかるだけに、和ませてくれるポーズです。また、カーミング・シグナルとして行うこともあります。

本能からする犬のポーズ

犬 ポーズ

野生として犬が暮らしていた頃の名残がポーズになって現れることがあります。代表的なポーズが次の2つです。

9.仰向けでゴロゴロと身体を擦りつける

犬は遊んでいるときや散歩中に、突然ゴロゴロと床や地面、あるいはオモチャ、時には腐った魚などに身体を擦りつける行動を見せます。これは基本的に本能に基づいた行動で、決して身体がかゆいわけではありません。犬は匂いによって多くの情報を入手します。自分の匂いを付けることは、自分の存在を知らしめることであり、逆に身体に強い匂いが付いている場合はそれを取り、他の匂いでカモフラージュするためです。おもちゃなどへのゴロゴロは前者、地面や腐った魚へのゴロゴロは後者の例になります。特に後者は野生時の本能の名残と言われており、付けた強い匂いで自分の匂いを消し、獲物に近づくという習性によるものです。

なお、人は忌み嫌う腐敗臭ですが、犬はこの臭いが嫌いではありません。魚だけでなく他動物の死骸や、排泄物などにも身体を擦りつける犬もいるので覚えておきましょう。

10.おしりを床や地面にこすり付けて進む

犬はおしりを床や地面などに擦りつけながら進むことがあります。これはおしり周りに違和感があるときに見せるポーズで、スクーティングと呼ばれています。原因はさまざまですが、代表的なのは肛門腺が満タンのときなので、このポーズが見られたら肛門搾りをする必要があります。また、肛門およびその周囲の炎症やかぶれ、腫れやできもの、アレルギーや寄生虫など、その他にも原因が考えられるため、あまり頻繁にするようなら動物病院へ連れて行きましょう。

ポーズで愛犬の気持ちを理解してあげよう

犬 ポーズ

ご紹介したように犬のポーズにはそれぞれに意味があります。犬は話すことができません。愛犬のことをより深く理解するために、今回ご紹介した代表的な“ポーズ”=ボディランゲージを覚えておくようにしましょう。愛犬からのメッセージを適切に理解して、充実した犬との生活を過ごしてください。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

  • 公開日:

    2020.03.10

  • 更新日:

    2020.03.11

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