
北海道犬の子犬が生まれるまではどのような経緯があるのでしょうか?妊娠期間から見ていきましょう。
一度の妊娠で生まれる頭数は、他の日本犬と同じく2~4頭くらいです。出産前にレントゲン検査やエコー検査などで子犬の数を見極められますし、子犬の状態もある程度把握できます。また検査によって安産か難産かの判別もできますから、その時点で難産が予想された場合は帝王切開の準備に入ります。
子犬は一定間隔を置いて生まれてきますが、次の子犬がなかなか生まれてこなかったり、陣痛が異常に長引く場合は胎児が大きすぎて産道につかえていることがあります。また出血が見られる場合も急を要しますので、帝王切開に切り替えた場合がよいかも知れません。
次に子犬が生まれてからの成長について見ていきましょう。体の大きさや特徴に変化が現れてきます。
生まれたばかりの子犬の体重は約200~300g程度。そこからすくすくと成長していきます。生後3ヶ月程度で5~7kgほどになり、生後半年には15kg程度になります。成犬の体重が18~20kgほどになりますから、生後10ヶ月あたりでおおむね成長は止まります。また体つきも逞しくがっしりとしていきます。
大きくなり、体つきも逞しくなっていくに従って、被毛にも特徴が現れ始めます。日本犬独特の豊かなダブルコートが体を覆い始め、オーバーコートの毛質も徐々に硬くなっていきます。またタテガミのような蓑毛も背中を覆い、日本犬らしい風貌へと変化していきます。
もし家に北海道犬の子犬をお迎えした場合、どのように育てれば良いのでしょうか?また散歩やしつけなど、しなければならないことが山ほどありますので、ひとつずつ詳しく解説していきます。
まず子犬用フードの匂いを嗅がせてみて興味を示すようなら、ぬるま湯でふやかして少量だけ与えてみましょう。慣れてきたら1日に何回かに分けて与えるようにします。胃腸の働きがまだ十分ではないため、少量ずつ食べさせるようにして下さい。
やがて乳歯が生えてくるタイミングを見計らいながら、お湯の量を減らしていき、8週齢頃を目安にカリカリに切り替わるよう調節するのが望ましいでしょう。フードの給与量は袋の記載に従って与えるようにしてください。また新鮮な水もすぐ飲めるところに置いておくことが大切です。
子犬の頃に特に気を付けたいのは膝蓋脱臼です。骨格や関節がまだしっかりしていない時期に、ソファなどから飛び降りてしまうと脱臼してしまう恐れがあります。 関節の異常は成長にも大きな影響を及ぼしますから、くれぐれも高いところから飛び降りたりしないよう見守ってあげてください。
家に迎え入れてから、子犬は何もかもが初めて経験することばかり。飼い主さんたち家族も、そんな子犬をバックアップしてあげて下さいね。
まずは混合ワクチンの接種のタイミングを獣医師と相談の上決めましょう。あらかじめスケジュールを決めておくと、いつ散歩に出かけられるかの目安になります。
確実にワクチンの効果を確定させるための3回目の接種が終わったら、お散歩デビューもOKです。ただし最初から歩かせない方が良いでしょう。外の環境に慣れさせるために、抱っこしたまま外の匂いや風を感じさせることが大切です。怖がって怯えるようなことがなくなれば歩かせても大丈夫です。
シャンプーを始める場合もワクチンプログラムに準じた方が良いでしょう。もし体が汚れたりした場合は、固く絞ったタオルなどで拭き取ってあげましょう。
家に迎え入れたその日から、さっそくトライしてみましょう。まずはトイレトレーニングから。 徐々に環境に慣れてきたら、散歩デビュー前の予行演習として部屋の中でリーダーウォークを始めます。リードを付けて飼い主さんが先導してあげて下さい。
体の大きさもさることながら、子犬と成犬との大きな違いは性質や性格がまだ定まっていないというところにもあります。きちんと指示が聞けて、従順になれるかどうかは子犬の頃のしつけやトレーニング次第です。ぜひより良い信頼関係を構築したいものですよね。
明石 則実/動物ライター
フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。