
まずボストンテリアの赤ちゃんはどのようにして生まれるのか?他の犬種とどのように違うのかを説明していきましょう。
犬の妊娠期間は、交配した時から数えて約63日だとされています。これはボストンテリアも例外ではなくて、その前後のそれぞれ3日間が正常な分娩範囲となっていますね。
お腹が膨らんでくるのは30日ほど経過してからで、食欲が増して体重も増え、乳腺が張ってくるのが特徴です。 また動物病院等では、出産の3~5日前にレントゲン検査をして、胎児の数や大きさを確認することも多いです。
ボストンテリアの成犬の大きさはライト、ミドル、ヘビーと3種類に分けられるため、6~11kg程度とばらつきがあります。子犬が生まれる頭数に関しては2~5頭程度とされています。
ボストンテリアは、ブルドッグやパグと同様に広頭犬種と呼ばれているため、その出産は難産になる場合が多いそうです。頭が産道を通りにくく分娩が困難になる可能性があるのです。 そのため帝王切開による出産が必要になることがあります。出産前のレントゲン検査によって状態を把握した上で、帝王切開に踏み切るかどうかが判断されます。
次にボストンテリアの子犬が誕生してからの、体重や容姿などがどのように変化していくのか?のぞいてみましょう。
生後3ヶ月程度で3~4kgほどの大きさに成長し、約1年もすれば成犬並みの体格となります。 ここまでの期間は子犬にとって大切な成長期になりますので、心も体も大人になるための大事な時期なのです。
そのため与えるフードも筋肉の元になるたんぱく質や、ビタミンやミネラルなど必須栄養素を多く含んだフードを与える必要があります。
体の大きさと共に変化していくことがいくつかあります。
まず生後3ヶ月まで耳は垂れている状態ですが、そこから徐々に立ってきます。そして成犬に近付くにつれて特徴ある大きな立ち耳になっていきます。
少し潰れたような顔の風貌も変化します。子犬の頃はあどけない感じなのですが、成長と共に鼻周りにシワができ始め、短頭種特有の風貌となります。 毛色も変化していく子が多いですね。子犬の頃は黒が目立っていても、所々に茶色が混じってきてプリンドルになる場合もあります。
※写真手前がフレンチブルドッグの子犬、奥が成犬のボストンテリアです。
ボストンテリアの子犬が家にやって来た!喜びと共に何もかもが初めての体験。ワンちゃんも飼い主さんもドキドキではないでしょうか。そこで初めて経験することについてアドバイスを何点か挙げてきたいと思います。
乳歯が生えそろうまでは、ドライフードはお湯でふやかしてから与えるようにしましょう。最初の一ヶ月ほどはブリーダーさんやペットショップで食べていたものと同じフードを食べさせることをおすすめします。
フードの切り替えの際は、以前のフードと徐々に混ぜて慣れさせるようにして下さい。新しいフードはたんぱく質が豊富なパピー用をチョイスしましょう。与える量はフードの記載に従って適量を与えるようにするといいでしょう。
特にいつからとは決まっていませんが、全てのワクチンプログラムが終わってから散歩を始めましょう。 子犬の頃はまだ免疫も十分に付いていませんし、ウィルスや細菌に対する抵抗力が少ないためです。
散歩を始めるタイミングと同時期あたりが望ましいですね。シャンプー後のドライが十分でないと皮膚に雑菌が繁殖する可能性もあります。もしそれまでに体が汚れてしまったら、固く絞ったタオルかシャンプータオルなどで拭き取ればよいでしょう。
散歩を始めるまでは、主に室内でのトレーニングやしつけをおすすめします。トイレトレーニングや、リードを持ったまま室内を歩き回るリーダーウォークなど、まずはできることから始めていきましょう。 これはお家へお迎えしたその日から始められることです。
短頭種特有の疾患で、短頭種気道症候群というものがあります。これは首の構造上、呼吸がしづらい犬種に起こるもので、鼻の穴が狭くなったり、呼吸困難になるなど重症化しかねない症状になることがあります。異常があった際には迷わず獣医師の診察を受けるようにしましょう。
また幽門狭窄といって、先天的に消化物を十二指腸へ送りづらくなる疾患もあります。特にボストンテリアが掛かりやすいと言われています。
体の大きさ以外に、耳の形、顔の風貌などが若干違ってきますが、ボストンテリアの場合は、子犬と成犬とで大きな変化が見られない犬種だと言えるでしょう。
愛嬌のある風貌と、明るく快活で賢い性格は誰からも愛される要素がたくさんあります。そんなボストンテリアの子犬はまさに家族のアイドル的存在になってくれるはず。ぜひ愛情たっぷりに育ててあげてくださいね。
明石則実/動物ライター
フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。