
はじめに、プーリーの妊娠期間や、1回の出産で生まれる子犬の頭数からご紹介していきます。
犬の妊娠期間は、犬種を問わず約63日です。妊娠中は食欲の低下や元気がなくなるなどの、つわりのような症状が現れる場合もあります。出産直前になると寝床を引っかく、落ち着きがなくなるなどの行動が見られます。
ノルウェーケネルクラブの調査によると、1回の出産で生まれる子犬の平均頭数は、小型犬は約3頭、大型犬は約7頭なので、中型犬であるプーリーは5頭前後であると考えられます。子宮が大きいほど体内で多くの子犬を育てられるため、体のサイズが大きいほど、1回の出産で生まれる子犬の頭数が多くなります。
ここでは、プーリーの子犬の成長スピードについて解説していきます。
成長期の子犬の成長はとても盛んで、生後2ヶ月までに出生時の体重の10~15倍もの体重になります。この時期は食欲旺盛で、生後5ヶ月頃までは体重がどんどん増えていきます。そして生後5~6ヶ月頃からは、体重の増加が緩やかになっていき、生後10~12ヶ月になると成長期が終わり、体重10~15kg程度の成犬になります。
プーリーといえば、コーテッドコートと呼ばれる縄状になった被毛で、モップのような姿をしているのが特徴的ですが、子犬の頃の被毛は短く、カールしています。成長するにつれ毛が絡み始めていき、生後1歳半~2歳頃に、ようやくプーリーならではのドレッドヘアーのような被毛が完成します。
子犬が健やかに成長していかれるよう、プーリーの子犬の育て方についてご紹介します。
子犬のごはんの量は、子犬用フードのパッケージに記されている、1日あたりの給与目安量を参考にして与えるようにしましょう。成長期は筋肉や骨、体の組織が形成される重要な時期で、栄養価の高い食事が必要なので、食事制限はさせないようにしてください。
子犬の散歩やシャンプー、しつけを始める時期についても理解しておきましょう。
子犬の散歩は、生後4ヶ月頃に行う3回目のワクチン接種プログラムが終わって、2週間経ってから始めるようにしましょう。この頃になると体内で抗体が作られ、感染症に対する免疫ができているからです。
散歩を始めるまでは、まず首輪をつけることに慣れさせていきましょう。そして首輪に慣れてきたら、家の中でリードをつけた状態で、飼い主の横を歩く練習をしておきましょう。
子犬のシャンプーは家の環境に慣れ、体調が安定しているときに始めるようにしましょう。始める時期の目安としては、生後2ヶ月頃に行う1回目のワクチン接種から1~2週間した頃です。
なお、トリミングサロンにお願いする場合は、サロンによって、2回目(生後3ヶ月)のワクチン接種後から、ワクチン接種プログラムが終了してからなど、受け入れ条件が異なるので、事前に確認するようにしましょう。
しつけは、迎えた日から始めていきましょう、プーリーは理解力や順応力が高いので、教えたことはしっかりと覚えていかれます。ただし独立心が強く、頑固な一面もあることから、子犬だからといって甘やかしすぎず、一貫した態度で行うようにしましょう。
縄状の毛が重なった被毛は、密度が高く蒸れやすいほか、ゴミやホコリが絡まりやすいので、皮膚疾患に注意が必要です。毎日ブラッシングをして清潔に保つようにしましょう。また、被毛の通気性をよくするために、定期的に毛の束をほぐしてあげることも大切です。
プーリーの子犬と成犬との違いは、睡眠時間が挙げられます。子犬の平均睡眠時間は18~19時間なのに対し、成犬の場合は12~15時間です。子犬は起きている時間、走り回ってよく遊びますが、その消耗した体力を回復するのに時間がかかるので、長い睡眠時間が必要になります。安心して眠れる環境を整え、ゆっくりと休ませてあげるようにしましょう。
急速な成長を遂げる子犬期は、栄養価の高い食事が必要です。フードのパッケージに記されている目安量を参考に、愛犬に必要な量を与えるようにしましょう。また、子犬の健康を損なわないよう、散歩やシャンプーを始めるタイミングにも注意が必要です。プーリーを迎えた日からしつけをして、よい関係を築いていってくださいね。
新井 絵美子/動物ライター
2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。