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健康管理 / 病気

2020.03.13

犬の全身麻酔はどんなときにするもの?考えられるリスク・準備方法などを解説

病気や怪我などで手術が必要になったときには欠かせない麻酔。犬の場合も恐怖心や痛みを取り除き、処置をスムーズに行うために全身麻酔をすることがあります。しかし全身麻酔にはリスクが伴うことも事実です。今回は、犬の全身麻酔はどのようなときに使用されるのか?また、考えられるリスクなどを解説していきます。

#Healthcare

Author :江野 友紀/認定動物看護士

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犬が全身麻酔をするのはどんなとき?

犬 全身麻酔

犬に麻酔が使用される理由には、処置や検査をスムーズかつ正確に行ったり、犬の恐怖心を軽減させることが挙げられます。また、診療する側の人が犬に攻撃されるような事故を防ぐためにも使用されます。麻酔には全身麻酔の他にも鎮静や局所麻酔といった種類があります。

「全身麻酔」は絶対に動いてほしくないとき

絶対に動いて欲しくないときに使用します。主に外科手術のときに使われますが、CT検査やMRI検査、造影などの検査が行われるときや、抜歯や歯石除去などの無麻酔では痛みに耐えられないような処置の際にも使われます。

●「鎮静」は簡単な処置が必要なとき

鎮静は、犬の意識を完全に失わせるものではありませんが、意識を朦朧とさせます。短時間で済む処置やレントゲン検査、超音波検査などに適しています。犬は強い刺激を受けると動いてしまうことがありますが、軽度の麻酔であるため全身麻酔と比べると犬の身体にかかる負担が少なく済みます。

「局所麻酔」は脳に働きかけない痛み止め

局所麻酔は脳に作用しないので、犬の意識ははっきりしたままです。局所の感覚神経を麻痺させ、痛みが神経を伝わり脳に達しないよう遮断することができます。高齢犬など事前の検査で全身麻酔のリスクが高いと判断さえr田場合などに可能な場合には局所麻酔を用いることがあります。

犬の全身麻酔で考えられるリスク

犬 全身麻酔

どんなに若くて健康な犬であったとしても、100%安全な麻酔というものはありません。使用する麻酔薬の種類の合う・合わないによって副作用が起きるリスクがあります。ここでは全身麻酔で考えられるリスクと、リスクを減らすためにできることを解説します。

考えられるリスクとは

一般的に、犬の全身麻酔の関連死は0.1~0.2%と言われています。具体的な麻酔のリスクとしては、循環障害や呼吸障害、肝臓・腎臓機能の低下、不整脈、麻酔薬に対するアレルギーなどが挙げられます。

●心拍数の低下や血圧の低下

全身麻酔は脳の機能を鈍らせるだけでなく、心臓などの機能も低下します。管理が十分でないと、全身の臓器への血流が減少し、ショック状態に陥る可能性があります。

●呼吸を抑制する

全身麻酔は呼吸を抑制します。嘔吐した場合には吐いた物を吐き出したり、飲み込むことができずに気道に入ってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。

●肝機能や腎機能の低下

麻酔の代謝は肝臓や腎臓で行われるため、これらの臓器にダメージを与える可能性があります。肝臓病や腎臓病を患っている場合には、麻酔から覚めなかったり、病気を悪化させることがあります。

愛犬のリスクを減らすためにできること

全身麻酔をかける前には、必要な検査を受けましょう。病院の方針や処置の内容などにもよりますが、血液検査やレントゲン検査、心電図検査などが実施されます。これによって検査結果に合わせた麻酔方法や麻酔後の管理を行なうことができるようになります。

全身麻酔の前日と翌日にすること

犬 全身麻酔

続いて、犬の全身麻酔の前日と翌日にする必要があることをご紹介します。

前日にすること

麻酔がかかった状態で嘔吐をすると、吐いた物を誤嚥してしまい非常に危険です。そのため基本的には手術前日の夜から絶食して、当日は胃の中を空っぽにしておく必要があります。また、過度に安静にするのではなく、なるべくいつも通りに過ごさせてあげることも大切です。飼い主さんが不安そうにしていると、犬も不安になってしまいます。いつも通りの明るく接してあげましょう。

翌日にすること

全身麻酔をかける理由にもよりますが、一般的に翌日にはいつも通りの食餌を与え、お散歩に行くことも可能です。自宅でも犬の様子をよく観察し、気になることがあれば獣医師に相談しましょう。

また、犬が頑張ったからと特別なフードやおやつを与えたくなるかもしれませんが、食べ慣れない物を与えると消化不良を起こす可能性があるので、いつも通りの食餌を与えましょう。

犬の全身麻酔は、健康を守る上で必要なときも

犬 全身麻酔

犬の全身麻酔は、治療や検査をスムーズに行うだけでなく、人に対する攻撃行動を防ぐためにも必要なときがあります。リスクが無いわけではありませんが、全身麻酔をしてでも手術をした方がいい場面があります。それに対して動物病院では準備を万全にし、きちんと麻酔の管理をしてくれるはずですので、獣医師に納得いくまで相談をし、病気や怪我の治療に必要な処置を受けるようにしましょう。

◎ライタープロフィール
江野友紀 認定動物看護士

江野友紀/認定動物看護士

地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。
ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。
普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。
ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。

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