犬が誤飲をしてしまうのには原因があります。飼い主さんは愛犬が誤飲をするのがどんな状況か理解し、しっかり注意する必要があります。
では、どういったときに誤飲が起こりやすいのでしょうか?
犬の誤飲で多いケースのひとつにお腹が空いている時が挙げられます。犬は雑食の生き物なので、食べられそうだと判断すると口に含んでしまいます。
また、人間と同じく食欲が増えるタイミングがあります。特に気温が低くなる季節には体温の保持のため、エネルギーを補充しようと沢山の量を食べようとします。
そして、子犬期は体の成長のため特に沢山食べようとします。食欲が原因で、本当は食べてはいけないモノを誤飲してしまうことがあります。
犬は退屈すると何かを噛んで遊ぼうとします。その時、何かの弾みで飲み込んでしまうことがあります。こういった遊びの際はボールなど大きめのものを誤飲してしまう可能性もあり、窒息などの危険も高いため大いに注意が必要です。
また、犬が食べてはいけないものを咥えている時に無理に取ろうとすると慌てて飲み込んでしまうこともあります。
犬が誤飲してしまうモノは沢山あります。家にあるもので、愛犬の口に入るサイズのモノは全て誤飲の可能性があると考えるべきでしょう。中でも特に誤飲しやすく、危険度が高いものを3つ紹介します。
犬の誤飲で多いのがタバコです。灰皿においておいた吸い殻を飲み込んでしまい、動物病院へ運ばれることもあります。
近年は外でタバコを吸える環境が限られてきたため、家での喫煙量が増えている傾向もあるでしょう。ともなって、家庭で犬がタバコを飲み込んでしまうという事故も増えています。
また、喫煙場所が減ったことによりポイ捨てが増え、散歩中に飲み込んでしまうといったことも起きています。タバコを誤飲すると中毒症状を起こす可能性があるので注意が必要です。
人用の薬が犬の届かない場所に保管されていないために、誤飲してしまうことがあります。
人用の薬は、種類によっては一粒であっても犬にとって大変な症状を引き起こしてしまう可能性があるので、万が一誤飲してしまったらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。その際は、どのような薬をどれだけの量飲んでしまったのかをしっかり伝えるようにしましょう。
乾電池や磁石などはどんな家庭にもありますよね。乾電池は胃内で化学物質が漏れ出してしまったり、磁石は臓器を傷つけてしまうなどとても危険なモノです。電池や磁石を飲み込んでしまったらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
まず第一に、誤飲しそうなモノを犬の手が届く場所に放置しないことが非常に大切です。部屋の片付け、整理整頓をしっかり行うことで誤飲のほとんどを予防することができます。
しかし、そうは言っても100%防ぐのは不可能です。もし、誤飲が起きてしまった場合は、どのように対処したらいいのでしょうか?
もし愛犬が誤飲をしてしまったら、まずは何を飲み込んでしまったのか確認しましょう。そして、誤飲に気付いたらなるべく早く動物病院へ連れて行きます。
誤飲して時間が経っていなければ、吐き出させることが可能な場合が多いです。その際は、何をどのくらい誤飲してしまったのかしっかり獣医師に伝えましょう。
犬の誤飲は非常に起こりやすい事故です。そして死に至る可能性の高い危険なものです。
誤飲させないように飼い主として十分に気を付けて、愛犬の安全を確保しようという意識が最も重要です。
阿片 俊介/クロス動物医療センター 主任動物看護師
茨城県出身。日本獣医生命科学大学を卒業し、認定動物看護師の資格を取得。
千葉県の動物病院に勤務後、動物用医薬品販売代理店にて動物病院への営業を経験。
犬とのより良い暮らしをサポートできるよう、飼い主の方の気持ちに寄り添いながら、安心して正しい情報をお伝えできるよう心がけています。