洋服を着るのが苦手なコがいるように、もちろん靴が苦手なコもいます。むしろ、靴を履いて最初から違和感なく歩けるコなんてほとんどいないと言ってもいいかもしれません。 今までずっと裸足で生活してきたコが、急に靴を履かされて歩かされるわけですから、上手に歩けなくて当たり前なんです。
私たちが生まれて初めて靴を履いて歩いた時の記憶はないかもしれませんが、きっと何度も練習してやっと歩けるようになったはずです。愛犬だって一緒ですよね。 大切なのは、愛犬に靴を履かせて歩けるようにさせたい!という強い思いと、靴を履かせるトレーニングを何度も繰り返しできる根気強さです。
犬靴が手元に届いたら、すぐにでも愛犬に履かせて試しにお散歩に出てみたいと思うのは当然ですが、ちょっと待ってください! 靴に慣れていない状態でムリに歩かされるということは、愛犬にとっては相当なストレスになってしまいます。
愛犬に犬靴を履かせるにあたっての最終目標は、「愛犬がストレスなく靴を履いて歩いてくれること」「愛犬が犬靴を楽しいものだと思ってくれること」です。 その目標に向かって、焦ることなくちょっとずつトレーニングをしていきましょう。
犬靴の初日のトレーニングとして、まずは靴を履かせる練習をしてみましょう。
犬にとって足は、体の中でも特に重要なパーツで、触られるのを嫌がるコも多い場所でもあります。そんな大切なところに異物をつけるわけですから、愛犬が嫌がるのは当然のこと。どうしたら愛犬のストレスを最小限にできるのかを考えながら犬靴を履かせましょう。
まずは愛犬に、足に触れられることに慣れてもらう必要があります。足に触るのが平気なコはこのトレーニングはとばしてしまって大丈夫です。
飼い主さんは片手にオヤツを持って愛犬の気をそらしながら、もう片方の手で愛犬の足を握りましょう。10~15秒ほど握らせてくれたら思い切りほめて、オヤツをあげてください。これを4つの足すべてでおこないます。
足に触られるのに慣れたら、靴を履かせてみましょう。最初から4つの足すべてに履かせるのではなく、まずは前足だけ、次に後ろ足だけと分けて練習するのがおすすめです。
前足だけ靴をはかせたら、愛犬の大好きなオヤツを持って、ちょっとだけ前に進むよう誘導してみましょう。オヤツにつられてついてきたらそのオヤツを与えてほめてあげてください。後ろ足も同様に練習します。
靴を履くことに慣れてきたら、外に出る前に家の中で歩く練習をしましょう。 4つの足に靴を履かせ、「マテ」のコマンドでその場で待たせます。飼い主さんはそこから離れて、部屋の端まで移動します。
愛犬の大好きなオヤツやおもちゃを持って、その場所で愛犬を呼びましょう。飼い主さんのところまで来たらたくさんほめてオヤツをあげたり、おもちゃで遊んであげてください。 「靴を履くと何かいいことがある」と愛犬が学習してくれるよう、楽しみながらおこないましょう。
家の中で靴を履くことに慣れたら、いよいよ犬靴を履いてのお散歩デビューです。 最初は、愛犬の様子を見ながら少しだけ靴で歩いてみましょう。この時もオヤツをあげたり、ほめてあげるのをお忘れなく!
愛犬が嫌がるようなら無理はさせずにその場で脱がせて大丈夫です。また後日、ちょっとずつ歩く距離を伸ばして、外で履くことに慣らしていきます。 最終的に、お散歩中ずっと靴を履いていられるようになったら、とりあえずのトレーニングは終了です。
愛犬に犬靴を履かせる練習をする時には、とにかく嫌がられないような工夫が大切です。一度、靴に嫌な印象を持たれてしまうと、それを回復するのは大変です。 「靴を履くとオヤツがもらえる」「靴を履いて歩くと遊んでもらえる」など、靴と楽しいことを結び付けて、靴が好きになるようにトレーニングをしましょう。
靴を嫌がらずに履けるようになると、愛犬が足をケガしてしまった時などにも便利です。靴に慣れた後も、定期的に靴を履かせていつでも履けるような環境を整えておきましょう。